2024年の最新版。「なかなかスライスが治らない」「真っ直ぐ飛ばす方法は?」ライ角や重心設定、シャフトのフレックスをふまえた選び方と、おすすめモデルをご紹介します。

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ドライバーのスライスは、打ち方だけでなく、クラブのタイプの選び方で原因を軽減できます
先週練習場に行ったときにはドライバーが絶好調だったのに、今日は出だしからスライスが止まらない。スライスする原因がわからない。
そのときのスイングを思い出そうとしても、なかなかうまくいかず、モヤモヤしたまま練習を終えてしまう。
そんな経験、ご記憶、皆さんお持ちではないでしょうか。
ただ、このようなケースは、初心者のかた、中級者の方に限った話ではなく、調子の波はトーナメントプロや上級者でも生じることで、一度スイングが出来上がったと思っても、崩れてしまうこともあります。
練習をくり返し、工夫を重ね、スイングを作りこんでいき、できる限り好不調の波を小さくしていく。そんな作業の積み重ねで、上達していき、スコアも良くなっていくというのが、ゴルフの難しいところでもあり、たくさんの方がハマってしまう面白さでもあると思います。
ただ、ストレートの球筋を打ちたい、スライスを止めたい、といったショットの悩みに関しては、スイングだけでなく、クラブのチョイス次第で改善可能な部分がひろく、特に近年のクラブ開発はものすごいスピードで進んでいて、飛距離だけではなく、方向性の安定感、慣性モーメント、寛容性といったジャンルに関しても性能が向上していて、それを知らずにクラブを選んだり、練習を続けることは勿体ないといってもよいほどに、レベルが上がっています。
ひとつの例ですが、近年絶好調のメーカー、キャロウェイゴルフの場合、2022年に大ヒットとなった『ROGUE ST(ローグエスティー)』というシリーズがあります。
通常販売のラインナップで、ドライバーがなんと4種類。
重さだけでなく、ヘッドのタイプも個々のゴルファーに合わせるべく造られていて、自分のスイング、球筋の傾向などを把握してうえで、フィットするタイプをチョイスすることによって、球筋の変化や飛距離アップにつながっていくという、ひと昔前では考えられなかったギアの進化の恩恵を得ることができます。
もうひとつ、絶好調のメーカーに『PING』があります。
こちらもドライバーで3タイプを展開。ヘッドスピードだけでなく、球筋の傾向に合わせて選ぶことができ、そのうえ、重心位置を調整する機能も搭載されており、使用している期間、同じ位置に固定しているのではなく、そのときの傾向に合わせてチューニング、自分で動かすことができる機能をなっています。
これを有効に活用することで、その日の調子を見極めて、合わせたセッティングによって調子の波を少しでも軽減することができるようになっています。
では、まず、スライスという球筋に対して、どういう調整をすることで、どういうフィッティングをすることで、その現象を軽減することできるのか。
まずは、その原理の部分をご説明していきたいと思います。
ライ角の選び方 よりアップライトなライ角のチョイスがスライス対策になります
ライ角とは、クラブのヘッドからシャフトにつながるラインと地面との間にできている角度のことで、クラブヘッドを地面においたときに、シャフトが直角に近づくほどアップライト、地面のほうに近づくほどフラット、という呼び方になります。
球の飛び方へのつながりとしては、アップライトなライ角になるほど球のつかまりは良くなり、左に飛び出す傾向になります。
逆に、フラットなほど右に飛び出す傾向になり、それぞれアップライトはフック回転、フラットはスライス回転といったサイドスピンを生み出しやすい、という原理にもなります。
つまり、ライ角だけの原理でいえば、スライスに悩んでいる方は、いま使っているモデルより少しでもアップライトなライ角のクラブを選ぶことで、スライス回転を軽減させることが可能になる、ということになります。
ひとつのメーカーから複数のタイプを発売していて、それぞれに特徴をうちだしていると、ライ角にも数値として違いがあるのがわかります。
たとえば、先にお伝えしました『PING』というメーカーは、最新モデルとして『G430』シリーズを発売していますが、スタンダードモデルの『G430MAX』と、つかまり重視の『G430SFT』のライ角は59.5度にしているのに対して、ハードヒッター向けの『G430LST』はライ角が58度と設定を変えていて、強弾道と操作性を重視していることから、1.5度もフラットに設定しています。
数値のうえではわずか1.5度ですし、実際に見比べるとほんの少しの違いですが、インパクト時のヘッドのつかまえ方には大きく影響します。
これは、ドライバーに限らず、全てのアイテムにいえることで、アイアンの『軟鉄鍛造』という素材製法のモデルでは、ネックの部分を調整、グッと曲げることでライ角を変えることができ、スライスや右への球筋で悩んでいる方は、少しライ角をアップライトにすることで球筋を調整できる、ということも可能です。

重心の位置の調整でもスライス対策になります 鉛の貼り方もご説明
次に、ヘッドの重心位置、設定のご説明になります。
ドライバーのヘッドは、いま現在、460CCという大きさが主流で、ヘッド全体の中で、どこに重心の位置を置くか、重さの配分をするかで、フェースでヒットした球筋に影響させることが可能になっています。
左右の回転のところでいえば、シャフトに近いヒール寄りを重くするとヘッドのターンがしやすくなりつまかりやすく、逆に先の部分、トゥ側を重くするとヘッドが返りにくくなる、という現象になります。
次に、ヘッドのフェース側と、逆のソール後方側の重心設定ですが、フェース側を重くすると球筋が低くなり、後方側を重くすると球筋が高くなる、という原理になります。
スライスの球筋で悩んでいる方でしたら、重心位置でいえば、ヒール側を重くすることでスライス回転を軽減することができますし、ヘッドタイプとして、そもそもの重心設定に加え、スライド式のウェイト調整などをできるモデルもあるので、先ほどのライ角と同様に、そのときの調子に応じて、調整することでできるようにもなっています。
ウェイト調整機能がないモデルの場合でも、鉛を貼ることで重心を調整することもできます。スライス対策の貼り方としては、前述のようにヒール寄りを重くしたいので、シャフトのすぐ下のあたり、構えたときに、ちょうど見えなくなる箇所がおすすめです。
ただ、あまり貼り過ぎると、ヘッドの重心調整だけでなく、総重量やバランスも重くなってしまいますので、2gや4gくらいまでがおススメかと思います。
シャフトのフレックス 硬さの選び方はセルフイメージのフィッティングで
ドライバーのシャフトのフレックスは、男性用で硬いほうから、S、SR、Rがあります。Sより硬いX、Rより柔らかいR2というフレックスがラインナップされているモデルもありますが、ここでは3種類までの設定でお伝えしていきます。女性用では、硬めのA、柔らかいLが一般的です。
さて、フレックスの選び方ですが、基準がヘッドスピードで決まっているわけではなく、モデルの特徴によっても変わってくるので、確定した目安というものがありません。
たとえば、ヘッドスピードが40m/s、と確認出来て、モデルのタイプも決まったとき、ではフレックスは何を選べばよいのか、何かしらの判断基準が欲しいところです。
少しフィーリングに類する表現になりますが、このときの判断基準は《なにを求めるか》による部分が大きいかと思います。
例えば、SかSRで悩む場合、Sから得られるメリットとデメリット、SRから得られるメリットとデメリットを考えてみましょう。
比較してみると、Sは硬いので、しなりが少なく、手の内で扱いやすく、左右への球の暴れ方も少なくなります。反面、しなりが減るため、ヘッドスピードが落ちて飛距離も落ちてしまう、という原理になります。
SRの場合、柔らかいので、しなりが得られて、ヘッドスピードが上がり飛距離も上がります。反面、しなってしまうので、ミスのときの左右への球の暴れ方が増します。
それぞれのメリットとデメリットが、自身のドライバーの得手不得手に対して、どちらのほうがプラスに作用してくれるか、ということを選ぶ基準として考えると、決め手の一助になるかと思います。
柔らかいほうを選び、しなってしまうから球が曲がってしまうかな、と不安に感じるのか、逆にしなってくれるから力を使わずに楽に振れるな、とリラックスをもたらしてくれるか。セルフイメージだけで、これだけ自分に与えてくれる要素が変わってきます。
そのときに、しなりに対するプラス要素を求めるか、硬さに対するプラス要素を求めるか。フレックスを選ぶときの、ひとつの目安にして頂ければと思います。
スライス対策とコスパ重視の中古おすすめドライバー、特選10モデルをご紹介
さて、それでは、スライサーの方への、特選10モデルをご紹介していきます。
初心者のかたにもおすすめできるコスパ重視のモデルもありますので、ご覧ください。
各モデルごとに⦅Golfdo⦆在庫・価格状況をご案内しています。気になる品があればCHECKしてみてください。
①PING(ピン)G400 SF TEC
対象ゴルファー:ヘッドスピード36~41m/s、ドライバー飛距離200~230ヤード
PINGの伝統《大きな慣性モーメントによる直進性》と、つかまる性能重視の重心設定
現在、『G430』シリーズが最新モデルとして発売されていますが、その前の系譜は下記のとおりとなります。
Gシリーズ(2016年発売)⇒G400シリーズ(2017年発売)⇒G410シリーズ(2019年発売)➡G425シリーズ(2020年発売)➡G430シリーズ(2022年発売)
最新モデルほど、直進性と飛距離の性能は上がっていますが、コスパ重視で『G400』をおススメとしました。それでも、今現在絶好調のメーカーです。中古市場でも、5年前発売のプロダクトにもかかわらず、2万円台がほとんど。ただ、人気の高さを性能は比例しています。直進性の信頼感は、期待してよいモデルかと思います。
『G400SFT』は、ロフト設定で9度がないため、シリーズの中でもアベレージタイプとしてお位置づけ。ロフトは10度で、シャフトも『ALTA J CB』のSRかRがおすすめです。
②テーラーメイド M GLOIRE(エムグローレ)
対象ゴルファー:ヘッドスピード36~41m/s、ドライバー飛距離200~230ヤード
テーラーメイドのアベレージブランド『GLOIRE』と、Mシリーズのツイストフェースが融合したモデル
テーラーメイド独自のフェース機能「ツイストフェース」は、スライスもフックも曲がりを軽減してくれる機能。前作の『GLOIRE F』では、可変式スリーブがついていましたが、ここからGLOIREシリーズには搭載されておらず、振りやすさとやさしさを重視した軽量化がわかります。フレックスSRやRが装着で、280g前後。
G400SFT同様、2018年発売にしては、まだ中古市場で高額ですが、こちらも性能の高さはおススメです。
③プロギア RS(アールエス)
対象ゴルファー:ヘッドスピード41~46m/s、ドライバー飛距離230~260ヤード
規定ギリギリの反発係数がアピールポイント 飛距離性能も高評価。総重量も300g超えなのでハードヒッターにおすすめ
メーカー別の飛距離性能の高評価は、海外勢のキャロウェイ、国産のプロギア、という印象が強い近年。
この『RS』2018年モデルも評価が高く、300g以上の重さでハードヒッター向けながら、オートマチックに球をつかまえてくれて、低スピンの中高弾道で飛距離を出してくれます。
標準シャフトの『Diamana for PRGR』装着で、シャフトのフレックスはSかSR。低スピン設定になりますので、ロフトも10.5°がおすすめです。
④キャロウェイ ROGUE(ローグ)
対象ゴルファー:ヘッドスピード40~45m/s、ドライバー飛距離220~250ヤード
ボール初速アップの新機能『2本の柱』搭載の2代目となるモデル。初代のEPICよりもつかまる性能重視のタイプ
一見してわかるシャローなヘッド形状で、つかまりの良さと高弾道が期待できるモデルです。同時期に同ブランドで4タイプ発売されていますが、この『ROGUE』は適度な重さで、ほど良いつかまり。標準シャフトの『Speeder EVOLUTION for CW50』が装着されて300g前後の総重量。
前年発売の『EPIC』は、キャロウェイ独自のボール初速アップ機能、2本の柱『ジェイルブレイクテクノロジー』が搭載されて初めてのモデルでしたが、どちらかというとアスリートテイストだったこともあり、また、このモデルのあとに、『EPIC FLASH』、その後に『MAVRIK』が発売されて、こちらも高評価でしたが、コスパ重視とつかまり性能で、この『ROGUE』をおススメとしました。
純正シャフト装着でも、適度な重さがあり、それでいてつかまってくれるヘッドタイプ。ある程度のヘッドスピードがあるゴルファーには、重め+つかまりタイプが少ないので、コスパの良さも含めて、ある意味稀少なモデルです。
⑤キャロウェイ ROGUE STAR(ローグスター)
対象ゴルファー:ヘッドスピード37~42m/s、ドライバー飛距離210~230ヤード
同時期発売の『ROGUE』よりも、やや軽量のタイプ。つかまる性能と高弾道は『ROGUE』より上です
標準シャフトが2種類。先にご紹介した『ROGUE』にも装着されていた『Speeder EVOLUTION for CW50』と、軽量タイプの『FUBUKI for CW40』。後者が装着されると、総重量290g前後となり、カチャカチャがついていないこともあり、グッと振りやすさも増します。モデルの特徴を考えると、SRかRフレックスで、ロフトも10.5度がおすすめ。
2本の柱の飛距離性能は『ROGUE』同様です。さらに、中古市場の本数も『ROGUE』より多く、2万円以下の品も多数あります。コスパも抜群です。
ひとつ前の『EPIC』シリーズと比較すると、とってもシャローフェースなので、一見してやさしそうでつかまってくれそうなヘッドシェイプ。飛距離性能も高評価ですし、1万円台前半の価格もコスパ良好、おすすめです。
⑥タイトリスト TS2
対象ゴルファー:ヘッドスピード40~46m/s、ドライバー飛距離220~260ヤード
本格派アスリートタイプの『TS3』より、高弾道とつかまりを重視した『TS2』 総重量も《しっかり振れる》スペックです
この『TS2』の前作は『917D2』。中古市場に1万円以下の品もあるほどコスパが良いのですが、性能の高さを考えて、こちらをおススメとしました。何よりも、市場での《飛距離性能》の評価が、この『TS2』以降、グッと高くなっているのも理由のひとつです。
操作性重視の『TS3』と、高弾道とつかまり重視の『TS2』。こちらの『TS2』は、ヘッドシェイプがシャローなテイストで、それでいてストレートな顔だち、タイトリストらしく構えやすいイメージとなっています。
世界でも代表的なアスリートブランドらしく、中古市場の品もカスタムシャフト装着の物が多く、その分価格も上になりますが、標準シャフトの『タイトリストSpeeder519EVOLUTION』も高評価のシャフトなので、Sフレックスであれば総重量300g前後となり、ヘッドスピード40台半ばの方までおすすめできるしっかりしたスペックとなっています。
⑦テーラーメイド M2
対象ゴルファー:ヘッドスピード40~45m/s、ドライバー飛距離220~250ヤード
テーラーメイド歴代のなかでも名器に選ばれるモデル 飛距離性能とつかまる性能はまだまだ高評価です
こちらは『M2』の2代目。初代も2代目も高評価でしたが、こちらはフェース面積が拡大されて、ミスヒットへのサポート力もアップしたため、おすすめとしました。
標準シャフトの『TM1-217』、Sフレックス装着で、300g前後。しっかり振れるスペックなので、安心感もあります。中古市場の本数も多く、1万円台前半の品もたくさんあります。コスパを考えても、おススメです。
コスパ重視での純正シャフト装着もアリですが、”しなり系”のカスタムシャフト『Speeder』シリーズとのコラボはスライス対策には最高です。
⑧ダンロップ XXIO8(ゼクシオエイト)
対象ゴルファー:ヘッドスピード36~41m/s、ドライバー飛距離200~230ヤード
《つかまりやすさ》と《振りやすさ》を兼ね備えたアベレージタイプの王道 8代目ならコスパも抜群!
2023年の現在、12代目が発売されている、日本を代表する怪物ブランドですが、その中で、コスパと性能を同時に満たしてくれる『ゼクシオエイト』をおすすめとしました。
各年代とも評価が高いのが流石《王道》のゼクシオですが、この8代目は、つかまりの性能で特に評価が高いので、スライス対策として特選としました。
4代前なので、コスパも抜群! 1万円以下の品も多数あります。”初めてのゼクシオ”でしたら、まずはこちらからいかがでしょうか。ロフトが10.5°、シャフトは純正のSRがおすすめです。
⑨ブリヂストン JGR(ジェイジーアール)
対象ゴルファー:ヘッドスピード40~46m/s、ドライバー飛距離220~260ヤード
BS長年の人気ブリヂストン『GR』シリーズの高評価モデル セミハードヒッター向けでつかまりの良さがアピールポイント
先にご紹介した『ROGUE』や『TS2』など、しっかり振れるスペックでつかまりの良いモデルではシャローフェースが多いなか、この『JGR』は本格派のビジュアルで、打感や打音も国産ならでの気持ちよさ。
人気のモデルだっただけあり、現在の中古市場でも在庫は豊富。そしてカスタムシャフトの品もたくさんありますが、コスパを考えると、標準シャフトでも充分。『ツアーAD J16-11W』装着の品で、Sフレックスの1万円以下が多数あります。
⑩ヤマハ インプレスUD+2
対象ゴルファー:ヘッドスピード36~41m/s、ドライバー飛距離200~230ヤード
標準シャフトのRフレックス装着で280g以下の軽量モデル 振りやすさとつかまりが融合しているアベレージタイプです
中古市場をみると、標準シャフト『TMX-417D』装着の品がほとんどです。それくらい、標準設定での評価が高かった、ハイランクのアベレージタイプといえるでしょう。ドライバーではめずらしいグースネックで、280g前後の軽量、投影面積の大きなヘッドは、それだけでつかまりの良さをイメージさせてくれます。
また、ヤマハのモデル、すべてにいえることですが、打感と打音の良さは、そこにこだわる国産メーカーならでは。
2017年モデルですと、1万円台前半の品も多数あります。コスパと性能と振りやすさを選ぶなら、このモデルでしょう。ロフトは10.5°、シャフトは純正シャフトのRフレックスがおすすめです。
まとめ
今回は、スライス対策のドライバー特選10モデルをご紹介しました。
他にも、飛距離を伸ばすための練習方法や、スコアメイクの観点からみたティーショットの考え方などをご紹介している記事もありますので、合わせてご覧ください。
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