スコアが安定しない、スコアが伸びない、という方へスコアメイクのコツをご紹介 100切り、90切りが目標の方、中級者の方にもおすすめの内容です。

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スコアのつくりかた 第3回は『ティーショットの考え方』
スコアのつくりかた、第3回は『ティーショットの考え方』をお伝えしていきます。
第1回、第2回の冒頭でも記載していますが、こちらでお伝えする内容はレッスンの類ではありません。
もし、「ティーショットのスライスを直したい」「もっとドライバーの飛距離を伸ばしたい」など、スイングの技術、テクニックの類での情報をお求めの方でしたら、こちらの内容ではお力にはなれないと思いますので、恐縮ですが、ここでストップされたほうがよいと思います。
こちらでお伝えしていく内容は、スコアを良くするための知識、考え方、取り組み方などのご紹介になります。今回は『ティーショットの考え方』というテーマです。
飛距離のアドバンテージ
ドライバーに求められる役割は、できるだけ真っ直ぐ遠くへ飛ばすことです。それは飛距離のアドバンテージが理由として挙げられます。
例えば、300ヤードのPar4のミドルホール、ミドルとしては距離が短めです。
仮の設定として、ストレートなホールで、左右にOBもバンカーも池もなし。グリーン周辺にもアゴが高いバンカーや極端な谷などもなく、花道も広めに待ってくれている。
このようなホールを、ドライバー飛距離が280ヤードくらいのハードヒッターの方が攻めるとすれば、正直もうしあげて、明るいイメージしかないでしょう。
しっかりと振って真っ直ぐ飛んでくれれば、グリーンの近くまでいきます。何なら花道のエッジ付近までいっていて、やさしいアプローチの距離。きっちり寄せれば楽々バーディーで、あわよくばチップインイーグルの可能性さえあります。
これが、一番わかりやすい飛距離のアドバンテージです。ピンまで、カップまでできるだけ近くまでいければ、それだけスコアが良くなる可能性が高い、という原理です。
短いホールの魅力とワナ
ただ、このホールの条件、レイアウトを少し考えるとおわかりいただけると思いますが、これだけ短めの距離で、このようなサービスホールは、残念ながらなかなかお目にかかれません。
大抵は、ものすごく左右の幅が狭かったり、OBが浅かったり、グリーン近くに池があったり、250ヤード付近に大きな谷が待っていたり、グリーンをピンポイントで狙わないと大ケガにつながるようなワナを持ち合わせているものです。
ですが、ワナが待っていても、グリーン方向に真っ直ぐ打てば、きちんとグリーン近くまでいってくれるレイアウトであれば、たしかにドライバーで攻めていくという選択肢もアリかもしれません。必要とされるキャリーの距離を、フェアウェイから花道につながる幅の中に確実に打っていく、その方向性の精度がドライバーにあれば、結果的には高い確率のバーディーが待っている、ということになります。
最近、男子女子のプロのトーナメントを観ていると、こういったホール設定をつくって、ギャラリーを楽しませてくれるシーンをよく見かけます。
特にここ数年、ドライバーの飛距離が伸びてきたこともあり、ワンオンチャレンジ的なミドルホールを設定して、ドライバーがきっちり当たって真っ直ぐ飛んでくれれば、ワンオンして拍手喝采、イーグルパットでさらに盛り上がる、というような光景です。
ただ、ご覧になった方もいるかと思いますが、このケースでもすべての選手がワンオン狙いをしているわけではありません。グリーンに乗らなくても、OBのような即ペナルティになるワナはないかもしれませんが、意外にバーディーが連発していないのです。その理由はグリーン周辺に外したときの難度設定です。深いバンカーがあったり、極端に深いラフが設定されていたり、狙いにいってグリーンオンしないときに、0.5打分くらいのペナルティが用意されているのです。
ティーショットは、グリーンからの逆算で距離を考える
ゴルフを仕事にしているトーナメントプロの選手たちでも、このように選択肢がわかれます。
ドライバーの精度に確率を求めるよりも、短さの利を活かして、グリーンから逆算して残り距離を考えてプランをつくり、そのために必要な距離をティーショットで打っていくほうが、結果的にリスクも少なく、良いスコアになる確率が上がるという原理です。
もうひとつ、こういった距離の短いホールをサービスホールと喜んでチャレンジして、もし上手くいかなかった場合、メンタル的なダメージもリスクになります。
いったんサービスホールのイメージにしてしまうと「楽々バーディー」のような強いプラスのイメージができてしまいます。自然体で挑んだ場合はまだよいのですが、一度プラス方向にテンションをあげてしまうと、それがリターンされなかったとき、精神的な振れ幅が大きくなり、修復が困難になってしまいます。
ダメージが大きいと、そのホールを終えても気持ちの切り替えが難しく、引きづってしまうと、数ホール、もしくは18ホールのスコアにまで影響してしまう可能性さえあります。
心身ともに、できるだけリラックスしてラウンドすることが、自然体のスイングの継続にもつながります。より確率が高く、メンタル面のスタミナも消耗しない、確実な攻め方のプラン。ラウンド全体で考えると、その意識の仕方だけでも、好スコアにつながる可能性を高めていけると思います。
ドッグレッグホールでのティーショットの考え方
さて、短い距離の設定でお伝えしてきましたが、グリーンから逆算して、という視点では、他のケースでも同様の考え方が必要になります。例えば、ホールのレイアウトがドッグレッグの場合。ティイングエリアからグリーンまでストレートなレイアウトではなく、途中でどちらかに曲がっているレイアウトを、犬の足のように曲がっているイメージでとらえられることからドッグレッグと呼びますが、このレイアウトの場合でも、グリーンから逆算しての考え方が大事になってきます。
ドッグレッグホールのティーショットで注意していただきたいのが、ショートカットです。
左にドッグレッグしている場合、ティーショットで左スレスレを狙っていったほうが、グリーン近くまで運べる、という発想です。
もちろん、ドライバーの飛距離とレイアウトを考えて、懸念すべきリスクもなく、左の林などを楽々超えて、グリーン付近まで運べるようなシチュエーションであれば、問題はありません。
ただ、ドライバーでドッグレッグの地点を超えられないようなレイアウトの場合は別です。
曲がり方が大きいレイアウトですと、あまり左にティーショットを飛ばしてしまうと、セカンド地点からグリーンを狙えなくなるという可能性もあります。
レイアウトを確認して、グリーン方向からの逆算で、どの地点にティーショットを運ぶべきか、事前のプランが必要になります。
ロングホールでのティーショットの考え方
次にロングホールでの注意点です。
Par5のロングホール、特にハードヒッターの方には、距離次第では2オンも狙えて、スコアをかせぐチャンスホールです。ここでも、レイアウトを事前に確認して、ホール全体をどう攻めるか、というプランが大事になってきます。
比較的短めのロングホールでしたら、ティーショットでの確実な飛距離の確保とフェアウェイキープ、そしてセカンドショットの精度次第では好スコアが望めると思います。あわよくば2オン、イーグルチャンスの可能性もあります。
ただ、ハードヒッターの方でも2打では届かないような長いロングホールでは別です。
例えば500ヤードのロングホールという設定。ドライバー飛距離が250ヤードの方のケースで考えてみましょう。ティーショットのドライバーできちんと飛距離がでても、グリーンまでの距離は250ヤード。セカンドショットで3Wをもち、ナイスショットを打ててもグリーンまでは届きません。この場合に、どう攻めるか。
ここでは、グリーンを狙う3打目のために、1打目と2打目をどう攻めるか、というプランが大事になってきます。
グリーン周辺に何も障害となるものがなければ、気持ちよくティーショットをドライバーで、セカンドを3Wで、というカタチでよいと思います。
ただ、こういったロングホールの場合、グリーン周辺に何かしらのワナが待っているケースが多々あります。2オンを狙ったときに、ちょうど入ってしまうようなガードバンカーがあったり、グリーンから少し離れた距離にアゴは低いが広めの大きさの入りやすいバンカーがあったり。特に、グリーンから距離のあるバンカーは、入れたら厄介です。距離のあるエクスプロージョンはかなりの難度となってしまいますし、折角のロングホールが大たたきになってしまう可能性さえ出てきます。
3Wなどで、花道を狙って打てる精度があれば問題ありませんが、花道はグリーンより狭いケースがほとんどです。確率を考えると、数あるワナに届かず、安全なエリアを確認したうえで攻めたほうが、ミスの可能性が大幅に減り、より良いスコアにつながることになります。
そう考えると、ティーショットのプランから変わってきます。
ここまで読まれるとおわかりの方も多いかもしれませんが、ティーショットで、無理にドライバーで距離をかせぐ必要がありません。5番ウッドやユーティリティが得意な方でしたら、ティーショットとセカンドでは、その距離で充分。3打目も100ヤード以内の距離が残りますし、充分パーオンとバーディーチャンスにつなげる可能性が残ります。
ティーショットとの連動 ショートアイアンやウェッジでの得意距離をつくる
さて、先ほどのロングホールの攻め方では、3打目のためにプランを考えて、とお伝えしました。ここで、もう一点つながってくる大事なポイントが、ショートアイアンやウェッジの得意距離です。
《短い距離=やさしい》という考え方もあるかもしれませんが、仮に、80ヤード、100ヤード、120ヤードという距離を相対的に比較してみた場合、すべてのゴルファーが「80ヤードが一番やさしい」と認識しているとは限りません。違う表現をするならば、どの距離が自分にとって一番高い精度を持っているか、という視点です。
120ヤードをピッチングウェッジで打つゴルファーの方の場合、練習場で一番打つ番手だから、もっとも得意なクラブ、というケースもあります。
80ヤードはアプローチウェッジでフルショットの距離になるけど、ウェッジでのフルショットはちょっと…、9番のフルショットのほうが自信がある、など。
ケースはさまざまかと思いますし、得手不得手はあるかと思います。
ただ、自身の得意クラブとその距離を把握しておくことで、グリーンからの逆算で、その距離を残すためにティーショットからのプランを考える、というようにホール全体を視野に入れたスコアアップの戦略をつくることができます。
特に得意な番手がない…、という方は、練習量の比率を考えながら練習して、是非とも得意な番手をつくってください。前述のとおり、プランがつくりやすくなりますし、別のケースで、短めのショートホールで得意とする距離に出会ったときには、楽しさが断然増すかと思います。
ティーショット用の番手 3パターンは自信をもって準備をしておきたい
さて、レイアウト次第でティーショットをドライバー以外のクラブで攻めていく、というプランを考える場合、その時に使うフェアウェイウッドやユーティリティなどのアイテムの設定が大事です。
ショートアイアンやウェッジでの得意な番手と同じく、ドライバーと同じくらいの安心感をもてるようにしておかないと、ラウンドのなかでの使用回数が少ない分、せっかくプランをたてて確率の高い攻め方をしても、結果につながってくれません。
長い番手ですし、普段の練習場で打つ球数も、ドライバーと比較すると少ないと思います。
仮に5番ウッドやユーティリティの19度や22度あたりを設定しておく場合、ドライバーと同じくらいの練習量を意識して、ティーショット用に少しティーアップしての練習もしておけば、必然的に精度もあがりますし、コースラウンドで使うときも自信をもって挑むことができると思います。

まとめ
今回は、ティーショットの考え方と、グリーンから逆算してプランをつくっていくことの重要性についてお伝えしました。
確率とリスクというキーワードが何回かでてきましたが、ゴルフの攻め方においてリスクが目立ち過ぎると、その先には、プレッシャーというものが生まれてきます。
やがて、このシリーズでもお伝えする予定ですが、スコアアップにとってプレッシャーは必然的についてくるものです。プレッシャーに強い弱いは個々にタイプがわかれるかと思いますが、プレッシャーはリラックスとは正反対、自然体のスイングこそがナイスショットにつながるならば、決して好ましいものではありません。考え方次第で軽減できるならば、そのほうが好結果につながることは間違いないと思います。
第1回の『事前準備』によるコースレイアウトの確認と連動しますが、グリーンからの逆算でティーショットのプランをつくり、リラックスしたショットを重ねて、是非ともスコアアップにつなげていただければと思います。
次回は、スコアメイクにとって直結するポイント、『アプローチの考え方』についてお伝えする予定です。

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