ゴルフクラブには、自分に合ったタイプを見つけるという、ナイスショットを打つために必要な選び方があり、同時に、好きなメーカーから発売された新商品や新しい機能を試す、という楽しみ方があります。
クラブを買い替える、新しいクラブを手に入れる、という時は、飛距離アップやナイスショットの爽快感、そしてベストスコア更新もイメージされ、とても楽しい気分になれる、ゴルフというスポーツが持つ面白さを満喫できる瞬間のひとつかと思います。
こちらでは、選ぶという作業も、楽しむことに混ぜてしまおう、という視点で、ひとつのテーマを設定して、楽しみながらクラブを知っていく、選んでいく方法をお伝えしていきます。
今回のテーマは『ドライバーと重さとフィッティング』です。

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ゴルフクラブ ドライバーのタイプと重さの関係
ドライバーを選ぶときには、1本の総重量をひとつの基準としてみることになります。
そもそも、どんなタイプがどんな重さになっているのか、最初に、ある程度の目安をお伝えしたいと思います。
複数のメーカーを対象にすると、基準がバラついてしまうので、ダンロップというメーカーにしぼって、説明していきます。ダンロップさんは、全カテゴリーでもれなく展開しているので、とてもわかりやすいですね。

すべて標準シャフト装着での数値となります。
アスリートタイプの『SRIXON』ブランドは、2タイプとも300gを超えています。『ZX5MkⅡ』には《LS》もありますが、総重量は同じです。ただ、公式HPにも記載がありますが、60g台のカスタムシャフト装着だと310gを超えます。標準シャフトだと300g台、60g台カスタムシャフトだと310g台、というのがアスリートタイプのベーシックですね。
次に、ゼクシオブランドのひとつ『ゼクシオエックス』。標準のSフレックスで300gちょうど、Rフレックスで297g。スペックとしてはセミハードヒッターをターゲットとして造られていますが、SRIXONと違い、やさしさを重視したモデルコンセプトとなっています。
そして、アベレージタイプの王道『ゼクシオ12』。こちらは標準シャフトのSフレックスで287g、Rフレックスで282g。XXIOエックスとは、重さに少し開きがあります。
次にシニアゴルファーをターゲットとして造られている『ゼクシオプライム』。長さは46.25インチですが、総重量はレディースより軽い254g。
そして、『ゼクシオ12』のレディースモデル。Lフレックスで260g、というラインナップです。
表にはそれぞれ番号をつけていますが、これは後ほど使用します。
ドライバーのヘッドスピードと重量 適正な数値と目安
ご覧いただくとわかりますが、HPに記載されているモデルとスペック別の対象ヘッドスピードには、かなりの幅があります。
シンプルに表現すると、ヘッドスピード〇〇m/sのゴルファーには、このスペック、という選び方の固定された基準は示されていないのです。
以前に、こちらでもお伝えしたことがありますが、これには理由があります。
総重量とスペックとの相性には、ヘッドスピードだけでなく、スイングのタイプ、スイングのリズムも加味されます。
例えば、スイングのテークバックが始まってからフィニッシュまでがとても速いゴルファーの場合、柔らかさが過ぎるとタイミングがとりづらいので、手の内における硬さも必要な要素になりますし、軽いほうがリズムにも合います。
逆に、とてもゆったりとしたリズムで、大きくスイングするタイプのゴルファーの場合、柔らかいほうがタイミングもとりやすいので、しなりを感じやすいスペックがマッチしますし、ある程度の重みがあったほうがヘッドスピードアップに活かせる要素ともなります。
ヘッドスピードの数値と、重さの相性には、広い幅がある。では、実際にどの重さのクラブが自分に合っているのか、どうやって確かめればよいのか。
すぐにゴールという方法ではなく、過程を楽しむことにはなりますが、その方法のひとつをお伝えします。
ドライバーのヘッドスピードの確認とフィッティング
まず、ある程度の範囲に絞るので、ご自身のヘッドスピードを測ってください。
これは、練習場で計測器が設置されている打席もありますし、店舗によっては試打ブースがあり、計測可能なところもあります。
ドライバーを基準として、数球打っての平均で結構です。3球ほど打って、だいたいヘッドスピード40m/sくらいかな、という感覚でも大丈夫です。
「クラブをすぐに買うわけじゃないのに、試打させてもらうのも…」と気にされるようでしたら、試打の前に、そのお店でグローブを買うなどのお気づかいがあれば大丈夫かと思います。
試打の前にグローブを購入して「クラブ買わないかもしれないので、これだけでも買わせてください」とお伝えすれば、お店の方は喜んでくれるかと思います。
さて、ある程度のヘッドスピードがわかったら、次は振ってみる、打ってみる作業です。
練習場での試打が可能でしたら、実際の球筋をみればわかると思いますし、お店で計測器があるところでしたら、飛距離や球筋なども数値や画像で確認できるので最高です。
体をほぐしてから、それぞれ5球ずつ打ちます。その平均値をみる作業です。
先ほどの一覧の番号で見てください。
もし、試打をされるお店に記載のモデルがなければ、ひとつ前のモデルでも大丈夫です。
↓ひとつ前のモデル

それであれば、大型量販店さん、中古ショップさんでもご対応可能かと思います。
次に、実際にどの重さを打つか、ですが、候補を3タイプ選びます。
2タイプでもよいですが、楽しみながら、というコンセプトも入りますので、実際に重さの違いを感じ取りながら進めていきたく思います。
下の表をご覧ください。

ヘッドスピードがAのゴルファーの場合
こちらのヘッドスピードですと、レディースゴルファーの方、またはシニアゴルファーの方が多いかもしれません。
まず、260g前後の⑥『ゼクシオ12レディース』と、⑤『ゼクシオプライム』の2本。重さはほぼ一緒ですが、長さが違います。そして、④の『ゼクシオ12』、約20g重くなります。
この3本をそれぞれ5球ずつ打って下さい。
気持ち的には10球ほど打ってみたくなるかもしれませんが、5球までにしてください。体力的な面も理由ですが、10球以上打ってしまうと慣れてきてクラブに合わせてしまう可能性があります。
3本を打ち終わりましたら、2つの視点での確認作業です。
まずは振ってみた感覚、フィーリングです。シンプルに、どれが一番振ってみてしっくりきたか、振りやすかったか、という感想で結構です。前述したとおり、ヘッドスピードだけでなくスイングタイプによって相性が分かれますので、軽い=振りやすい、ではない可能性も高く、個々のゴルファーによって感想は分かれると思います。
その後に、実際の打球や計測による弾道と飛距離の数値を比較してください。
おそらく、先のフィーリングでの感想と、実際の打球の内容、ほぼ一致すると思います。
B・C・Dのゴルファーの方も手順は一緒です。
この作業の良いところ、楽しいところは、重さの違いによって、自分のスイングの特徴もする把握することにつながる、という点です。
スイングリズムが早い方は、重さ=しんどい、という感覚になるでしょうし、ゆったりしたリズムの方は、軽いと心もとない、という感覚にもなるかと思います。
また、より違いを感じる方法として、Dの方は、①のクラブに、60g台のカスタムシャフトなどを装着すると、310g以上の重さになるので、より楽しいかと思います。
そして、ヘッドスピードBのゴルファーの方は、③と⑤で重さが40g以上も違いますし、シャフトのしなりも全然違いますので、モデルの特徴やコンセプトなどを、より明確に感じ取れるかと思います。
ドライバー総重量 適正な重さがわかれば、それを基準としたクラブ選び
さて、ダンロップのモデルを対象としてセルフでのフィッティングができましたが、一番振りやすかった重さがわかりましたら、その重さを選んでいくときの基準とします。
260g台、280g台、300g台、といった大まかな目安で結構です。
実際にモデルを決める段階では、ここにシャフトのタイプや、ヘッドのコンセプトなどが加わってきますが、ここまでは重さの相性の確認作業です。
自分には300g台が一番振りやすい、ということがわかれば、その付近の総重量のモデルを候補にして選んでいく作業になります。メーカーやブランド、シャフトや年代、在庫状況や価格など、たくさんの基準が出てきますし、ここからも楽しい作業になると思います。
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「ドライバーが吹け上がる」という方におすすめ シャフトと入射角の関係
余談ですが、興味を持たれた方は、是非一度試してもらいたいことがあります。
ヘッドスピードがCとDの方、ドライバーで球が吹け上がってしまう、というお悩みをお持ちの方がいるかもしれません。
右に出球が飛んで、スライス回転が強く、高い弾道で飛距離もロスしてしまう、という球質です。
改善するために、立っているロフト、硬くて重いシャフトをチョイスして、それを抑えようとされている方、一度試みに④や⑤のモデルを打ってみてください。
その際には、極端な表現で、左1本で振るようなイメージ、両手で持ってスイングをするとしても、ヘッドスピード35m/sくらいの軽いイメージで振ってみるのです。
絶対にスタンダードなフルスイングをしないでください、下手をすればシャフトが折れてしまうかもしれません、大きくゆったりとのんびりと振ることに意味があります。
吹け上がってしまう球質は、ヘッドの入射角が急であったり、シャフトのしなりが上手く使えていないスイングで出てしまう傾向もあります。軽量でシャフトがしなってくれるタイプを振ると、とても明確にしなりを感じることができますし、ヘッドが走ってくれるタイミングを実感、というより、体感することができます。
もちろん、そのヘッドスピードをスタンダードにするわけではありません。あくまで参考の意味でのお試しですが、力を抜いて、軽いイメージで、数球打って、球筋が安定していくと、自然とスイング全体のバランスも整っていきます。入射角も緩やかになり、しなりをうまく使うスイングになっていく可能性もあります。
ゴルフクラブ ドライバーのグリップ交換 重さの選び方
もうひとつ、クラブ全体の総重量と関係することで、基礎知識となることのお伝えになります。
現在、260g台から280g台といった軽量タイプのドライバーを使用されている方、グリップを交換されるときには、グリップ自体の重さも確認しましょう。
特に、ゼクシオシリーズなどはわかりやすい例ですが、標準装着されているグリップが20g台から30g台の重量帯が多いのです。これは、クラブ1本を《振りやすい》というコンセプトで開発していて、シャフトもグリップもコンセプトに合わせて造られて装着されているモデル、だからこその理由になります。
通常、お店などで販売しているグリップメーカー(ブランド)のグリップは、50g前後がスタンダードで品数が一番多くなっています。
特に気にせずに、50gのグリップに交換してしまうと、10gから20g以上の重量差が出てしまい、その差はそのまま総重量の差になります。
ここまでお読みいただいてお分かりかと思いますが、総重量280g台のドライバーは、300g台の総重量になってしまい、全く違うクラブになってしまうのです。
グリップ交換をお店でお願いするときは、元々装着してあるグリップを外したときの重さを確認してもらい、近い重さのグリップを選んで交換してもらうようにすることをおススメします。

まとめ
3本の打ち比べで重さの相性を知る、という内容でしたが、なによりも知っていただきたいのは、重さ(タイプ)によって、スイングも結果もガラリと変わる可能性がある、ということです。
「道具でそんなに変わらない」「腕がわるいからショットがよくならない」という考えの方も多いと思います。
断言しますが、道具でショットは変わります。面白いくらいに、体感的にも実質的にも、球筋が変わります。
もちろん、現在お使いのクラブが相性抜群、という方はそのままで大丈夫です。
ただ、一度試みに、ここでご紹介したフィッティングをしてみてください。軽いことで、重いことで、スイングにどれだけ影響するか、どれくらい球筋が変わるか、実感してもらえると思います。
是非、クラブ選びを楽しんでください。
次回は、『アイアン』をテーマにしてお伝えする予定です。

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