ゴルフシューズのアッパー素材 天然皮革 人口皮革 ニット(メッシュ)の3種類
前回は、ソールの形状についてお伝えしましたが、アウトソールのタイプ、ソフトスパイクやスパイクレスなどについては、性能面、おもにグリップ力にフォーカスする内容となっていました。
第2回となる今回は『アッパー素材』がテーマ、シューズ全体がどのように造られているか、についての内容となります。
素材については、ソール形状と同じく履き心地にも関連してきますが、ある意味でもっとも楽しめる要素、デザインなどのビジュアル面、ファッション性に大きく関わってきます。
それぞれのタイプにどのような特徴があるのか、お伝えしていきます。

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ゴルフシューズのアッパー素材 天然皮革 ドレスシューズの装い
アッパーの素材『天然皮革』。
ラグジュアリー、プレミアム、最高の質感、クラシカルなデザイン、こういったキーワードが似合う素材です。
スニーカータイプのような、軽くてカジュアルなテイストのモデルにはあまり採用されていません。どちらかといえば、白ベースや黒ベースのカラーリングがメイン、落ち着いたビジュアルで、ドレスアップされたスーツにもそのままコーディネートできるようなデザインが多いのも特徴です。
外見の風合いの良さもありますが、なんといっても履き心地の良さ、独特の柔らかさは別格かと思います。後にご紹介するニット素材でも柔らかさはもちろんありますが、足を包み込んでくれるようなホールド感がありながら、独特のフィット性を感じさせてくれるのは、このタイプ、天然皮革の特色かと思います。
もうひとつの特徴は価格。採用されているモデルは、やはり高額になります。
たとえば、フットジョイの『ドライジョイズプレミア』のシリーズ。ほとんどが5万円以上で、特別なタイプでは7万円以上のモデルもあります。
それゆえか、他のゴルフシューズを展開しているメーカーでも、そもそも天然皮革採用のモデルを発売していないところがほとんどです。
通常のスーツなどに合わせる本革の靴と同じで、メンテナンスが必要なのも特徴です。雨天の日にプレーした後などは、そのままにしておくと表面が痛んでしまったり、甲の部分が裂けてしまうケースなどもあります。
ただ、アウトソールもミッドソールも含めて、シューズ全体が上質な造りになっていますので、メンテナンスをしっかりとしていれば、長年履き続けられるモノの良さも持ち合わせていると思います。
ゴルフシューズのアッパー素材 人口皮革 スタンダードなメイン素材
ゴルフシューズのほとんどのモデルに採用されているのが『人口皮革』になります。この後にご紹介するニット系が現れるまでは、ゴルフシューズといえば人口皮革、というほどのメイン素材でした。
防水性や透湿性にも優れ、汚れもつきにくく、天然皮革ほどの手入れも必要ではないですし、なんといっても価格がリーズナブルになりますので、メイン素材として採用されてきたのは必然だったかと思います。
カジュアルなテイストのスニーカータイプから、クラシカルなデザインのドレスシューズのようなタイプまで、幅ひろいジャンルで採用されているアッパー素材といえるでしょう。
ゴルフシューズのアッパー素材 ニット(メッシュ) 進化した防水性
さて、新しい勢力といえる『ニット系』のご紹介です。
ニット素材も、ある意味では人口と呼べてしまうかもしれませんが、すべすべした感触の人口皮革と、明らかに布のようなメッシュのような素材をわけるために、3タイプの表現になっています。
もともと、夏向けのアッパー素材として採用されているモデルも10数年前くらいからありましたが、ゴルフウェアのトレンドが多様化してきたことと、採用されるニット素材の進化、特に防水性の性能が上がってきたことにより、ゴルフシューズ市場の様相が一気に変わっていきました。
一番に履き心地を求めるとするならば、アッパー素材は柔らかいほうがよいでしょうし、その意味ではニット系が最も優れているでしょう。
ただ、布素材は、やはり水が浸みてしまいます。「雨の日に履けない」というのは大きなネックでした。
そのため「ゴルフシューズを何足か持っている」という方にしか購入されない、という特色がありましたが、近年防水性が格段に進化してきたことで、そのマイナスイメージはだいぶ払拭されました。
「カジュアルなファッションにも合わせやすい」「ショートパンツなどのスタイルでは抜群のコーディネート」「購入した直後に柔らかいので足に馴染むのも待つこともない」などなど、嬉しいメリットが沢山あるニット系です。
人気は右肩上がりで、今現在では、ニット系を発売していないメーカーはないといえるほど、ゴルフシューズに定着した素材となっています。
ゴルフシューズにおけるホールド感とアッパー素材の関係
アウトソールにソフトスパイクのようなグリップ力があっても、シューズ全体が足を包んでくれるホールド感がなければ、性能は最大限に活かされません。
スイングのときにも前後左右に動きますし、平地だけでなく斜面などを歩くことも走ることもあるので、柔らかさを感じる履き心地と、しっかりさを必要とするホールド感は、適度に両立してもらわなければなりません。
ただ、モデル別にストロングポイントがありますし、特にアウトソールのグリップ力をアピールしている場合は、何よりもホールド感が大事になります。
その理由もあり、アッパー素材とアウトソールの組み合わせとしては、グリップ力を重視するソフトスパイクには人口皮革が多くなり、履き心地を求めるためにアッパー素材をニット系にしているモデルは、その多くがアウトソールにスパイクレス形状を採用、という傾向があります。
近年、スパイクレス形状のグリップ力の性能はたしかに上がっています。ただ、パワーヒッターの男性の方でしたら、実際に芝の上でスイングするときの地面をつかむ性能は大事です。しっかりと考慮したうえで、アウトソールとアッパー素材の組み合わせを検討することもおススメします。
まとめ
長年のゴルフ歴のゴルファーの方や、どっぷりとゴルフにハマっている方でしたら、ウェアとのコーディネートや季節によって使い分けるべく、複数のゴルフシューズをお持ちの方もいるかもしれません。
また、今まさにハマり始めていて、2足目のゴルフシューズの購入を考えている、という方もいるでしょう。そんな方に、お伝えしておきたいのは、もし1足目とアッパー素材が違うタイプをお考えでしたら、実物をしっかりと履いてからサイズを選ぶ、という点です。
3タイプとも、履き心地を考えて造られているので「特別に硬い」などの大きな違いはないかもしれません。
ただ、やはりフィット感には差があります。次回の『サイズとフィット感』でもお伝えしますが、素材が変わり、ともなって幅やフォルムが変わると、フィーリングだけでなく、足の大きさとの相性が全く別物のシューズとなる可能性がありますので、必ずお店などで実際に履いてみることをおススメします。
次回は、『サイズのフィット感 ダイヤル式とヒモタイプ』をテーマにしてお伝えする予定です。

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