パターのストローク数は考え方で変わります 平均パット数を減らすには、打ち方だけでなく、その前のマネジメントが大事

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スコアのつくりかた 第5回は『パターの考え方』
今回も冒頭で記しておきますが、こちらの内容はレッスンの類ではありません。
パッティングは、ホールを完結するとき、スコアに直結するストロークなので、重要性は他のアイテムと質が違います。
そのため、雑誌の記事や動画などでもレッスンの数は無数にありますし、理論や練習方法なども数えきれないほどにあります。
こちらでご紹介するのはそういった内容ではありません。
打ち方や構えなどではなく、考え方や取組み方でパターのストローク数を変えていく、平均パット数を減らしていく、という内容になっています。
長年のゴルフ歴をお持ちの方はご存じの方が多い内容かもしれませんので、先に記載しておきます。
これからゴルフを始めるかた、始めてから間もない方は是非最後までお読みいただければと思います。
パターの重要性をご説明 平均パット数がどれだけスコアアップにつながるか
基本的な知識になるかもしれませんが、ゴルフにおけるパターの重要性を先にご説明しておきたいと思います。平均パット数の改善が、どれくらいスコアの伸びに関わってくるか、というつながりです。
ドライバーやアイアン、ウェッジでのアプローチなどは、スイングが仕上がっていかないと真っ直ぐ飛んでくれませんし、正確さや精度も上がっていきません。
そのため、練習場で打つ球数をこなし、素振りをしてスイングをチェックして、という取り組みになっていくのですが、その意味で考えると、パターはそれほど難易度が高くありません。
クラブが短く、打つ距離も短く、そもそもヘッドやフェースを大きくは動かさないので、真っすぐ転がすことが他のアイテムと比較すると困難ではないからです。
おそらく、ゴルフを始めてまもない時期は、パターの練習に費やす時間の占める割合は、かなり低めになる方が多いのではないでしょうか。
もし、ラウンド当日の朝、ゴルフ場に到着してからの時間で、ドライバーやアイアンの練習時間がほとんど、パットは全然練習しない、という方がいましたら、その取り組みを変えていくだけで、ラウンド全体のスコアは大きく変わっていくかと思います。
なぜ、それほどにパターが重要なのか。答えは実にシンプルで、ラウンド全体のスコアに占める割合が高いからです。
ホールごとのパット数は、1パットが最高、2パットでホールアウトすればまずまず、というのが一般的な認識で、3パットはスコアメイクの概念として考えるとミスの類に入ってしまいます。
仮に全ホールを2パットで終えた場合、18ホールのストローク数は36になります。
そのラウンドのスコアにもよりますが、72でラウンドしたら50%、100でラウンドしたとしても、30%以上の割合になります。
さて、そこで他のアイテムと比較すると、PAR3のショートホールを4ホールとした場合、18ホール中の4回はドライバーを使わないとして、14回使用。おそらくはパター以外では一番使用するアイテムですが、それでも14回、パターは18回使いますし、2打打つこともありますから数も比率も圧倒的に高くなります。
そして、次が最も重要な点です。
パットはホールを完結するストロークなので、少しのミスでも1打は1打、になってしまうという点です。挽回ができないのです。
ドライバーがスライスしてもアイアンで挽回できれば。アイアンがグリーンに乗らなくても、アプローチで挽回できれば、というように次の1打でなんとかリカバリー、ということができるのはアプローチまで。パットでミスをすると、そのまま1打が加わってしまう、ということです。
パットがカップのフチで止まってしまい、数センチのパットをカップイン。ドライバーで250ヤード飛ばしても1打、数センチでも同じ1打、とは、このようなケースでよく聞く言葉です。
ただ、ここまでのご説明は、どちらかといえば、マイナスからのお伝えです。
プラスに考えてみましょう。
極端ではありますが、2パット平均でラウンド36ストロークのパット数を、半分に減らすことができたとします。
単純計算、ラウンド全体で18打もスコアアップできることになります。
18ホールのうちの半分、9ホールを1パットにできた場合でも、9打も縮められることになります。1ラウンドの18打、たとえ9打でもかなり重要な割合になります。
少し数字が大きく感じられるかもしれませんが、これくらいパターには重要性があり、平均パット数を改善していくことが、ラウンド全体のスコアに大きく影響していくということがおわかり頂けたかと思います。

スコアアップにつなげる平均パット数を減らす考え方 「距離感」と「ライン」
前述したとおり、ゴルフのアドレス、打ち方など、パターに関するレッスンはたくさんあると思いますが、こちらでお伝えすることは、もっと基本的なこと、そして実にシンプルな考え方で、しかも2点です。
「朝の練習グリーンで距離感を育てること」「ラインは上りのストレートが一番入る確率が高い」という2点です。
おそらく長年ゴルフをされているかたはご存じかと思います。それくらい基礎的なパットの認識です。ただ、それだけにとても重要な点なので、初心者のかたは、是非覚えていただきたいと思います。
まず「距離感」です。
パターの距離感は、朝一の練習グリーンで育てる
まっすぐ転がすことも勿論重要ですし、その意識も重要です。
ただ、とにかく朝のゴルフ場の練習グリーンでは「そのゴルフ場の当日のグリーンの速さを知る」そして「パットの距離感を育てる」ことを必須としてください。
パッティングにおいても、他のクラブと同様に、距離感と方向性、どちらも大事です。
ただ、方向性はゴルフ歴を積み重ねていく中で、また自宅の練習などでも上達することはできますが、距離感はそうはいきません。
ゴルフ場によって硬さも速さも違うので、当日のそのゴルフ場のグリーンの速さを知ってからでないと、ラウンド中の距離感を合わせることはできないのです。
さて、「距離感を育てる」という表現をしました。
実際に朝の練習グリーンでパターを打ち、転がしてみて、「あ、ここのグリーンは速いな」「前回のゴルフ場より重いな」という確認だけでは不足、という意味です。
速さを知るだけではなく、その速さに自分の距離感を合わせる、という感覚を育てる作業をしてください。
もちろんできる範囲で結構です、それでもラウンド中にはかなりの効果が生じます。
といっても、簡単な作業です。
よく見かけるのは、練習グリーンにあるカップや目標物などに向かって打つパット練習ですが、それだけでは不足です。
なぜなら、その練習だと、多少強いタッチでも入ってしまうことはありますし、距離感を育てる練習にはなっていないからです。
具体的にご説明します。
練習グリーンのなかで、上りでも下りでもない、できるだけフラットなストレートなラインを探してください。使うボールは2個から3個でよいかと思います。
ポケットにティが数本入っているかと思いますので、1本さして、そこから2メートルか3メートルの目標となるところにもう1本さしてください。1本のティからもう1本のティに向かって、距離をあわせるように打つことを繰り返します。何回か繰り返して、そのティのところでボールをとめられるようになれば、そのグリーンでの距離感をつかめてきたことになります。
もし、時間があれば、その後にスライスラインやフックライン、上りや下りのラインでの練習をしてもよいでしょう。ただ、先にフラットなストレートラインで距離感を育てることが、自分の中での基準をつくることができるので、是非取り組んでみてください。
「上りのストレートなラインが一番入る確率が高い」ので、その前のショットのプランが大事
次に「ライン」についてお伝えします。
「上りのストレートが一番入る確率が高い」ということになりますが、理屈としては「たしかにそうだろう」と腑に落ちていただけると思います。
曲がるラインよりストレートのほうが曲がり方を考えなくてもよいし、下りはしっかり打つことができないし、上りなら距離感さえ合わせれば、というようにおわかり頂けると思いますが、大事なのはここからです。
次の1打がパッティング、という時を思い浮かべてください。
ショートホールのティーショットでグリーンを狙うとき、セカンドショットでグリーンを狙うとき、アプローチでグリーンにのせるとき、場面は様々あります。
こういった場面で、次のパットをどこから打つか、を想定してショットのプランを考える。
これだけでも、トータルのパット数が変わってくるのです。
具体的にご説明しましょう。
ピンまで155ヤードの距離が残りました。7番アイアンで150ヤード、6番アイアンで160ヤード、という飛距離のゴルファーの場合で考えます。
こういった場面、6番で軽めに打つか、7番でしっかり強めに打つか、というチョイスに悩むケースですが、結構ラウンドの中では出会う場面です。
このケース、グリーンの傾斜を確認してから番手を決めることが大事になってきます。
オーソドックスに手前から奥に向かって上っているグリーンだとしましょう。いわゆる「受けグリーン」というものです。ピンの奥につければ次のパットが下りのラインになり、手前につければ上りのラインになります。
6番で軽めに打って上手く調整ができ155ヤード飛んでくれてピンそばにピタリ、といってくれれば最高ですが、軽めに打つのは意外に難しく、しっかり飛んでしまえば下りのラインが残ってしまいます。
7番で打ち、強めに打たずに通常の距離でも、5ヤードの上りのラインが残ります。たしかに短い距離ではありませんが、上りの5ヤードであればまだ入る可能性もあり、下りよりはるかにリスクが少なくなります。
さて、違うケースでご説明します。
グリーン奥からのアプローチで、ピンまでは下り傾斜、という場面です。
フワッと高さを出すアプローチですぐ近くに落とし、惰性でコロコロと転がしてナイスアプローチ、というイメージを持ちたいところですが、こんな場面でも冷静さが必要です。
フワッと、というアプローチにどれくらい自信があるか、ということも連動します。アプローチの距離感があえばよいですが、少しでも短めならば下りのパットが残りますし、ただでさえ難しいレベルの打ち方です、アプローチ自体をミスしてしまえば、最悪大たたきにつながってしまいます。
この場面、通常の打ち方で、1メートルや2メートルオーバーすることを覚悟して、というイメージでアプローチしてみましょう。仮に2メートル残したとしても、上りのラインです。まして、上からのラインを転がっていくと、次のラインはストレートになる可能性が高くなりますので、より入る確率は上がります。
このように、どんなケースであっても、次のパッティングを上りのストレートで打てるように、というイメージでプランを立てるだけでも、トータルでパット数が減っていく、ということがおわかり頂けると思います。もちろん、すべてのショットが完璧に上りのストレートラインにつくように、というように上手くいくとは限りません。ただ、その前のショットプランにこの考え方を加えるだけでも、確率はかわり、結果的にはパット数が良くなっていく、ということを覚えていただきたいと思います。
まとめ
前回のアプローチの考え方、というテーマで、「ランニングアプローチに自信をもってください」ということをお伝えしました。ここに自信をもって打てるようになると、スコアメイクの質がグッと上がってきて、メンタル面のスタミナの消耗もおさえることができます。
今回も少し似ていることをお伝えします。
パッティングのケースでいえば、上りのストレートラインには自信をもってください。もっと大げさに表現するならば、好きになってください。
すべてのショットに通じることですが、少なからずラウンドの中では、プレッシャーとの戦いがあります。普段の練習の成果をだすべく、緊張感をもちつつスイングする。だからこその達成感もあるのですが、あまりにプレッシャーが連続すると、メンタル面のスタミナがもたず、集中力がかけてきて、折角の練習も結果につながりづらくなってしまうのです。
先に記載したように、パターには極端に大きなミスはでません。大きなスライスやシャンクなどはないので、練習量にも違いが出てきてしまうかもしれません。
ただ、1パットで決めたいケース、距離にもよりますが、上りのストレートラインを自信をもって打てるようになると、1ラウンドのスコアにも大きく影響しますし、好きになり、楽しんで打てるようになると、メンタル面のスタミナを一気に回復することができるのです。
朝、少し早めにゴルフ場に到着することで、パットの練習時間は確保できますし、距離感をつかんだ後は、短い距離で上りのストレートラインを入れる練習をしておくと、自信もつきますし、その日の気分も上がってきて楽しみが増えてくるかと思います。
是非、パッティングを好きになって、楽しんでください。

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