ラウンドのスコアが、「90をきる」「80をきる」というステップにおいては、たったひとつのOBが大変な意味を持ちます。
OBを1つでも2つでも減らすことができれば、スコアアップへの大きな前進になります。そのためにはティーショットでのクラブの選び方、マネジメントが重要な意味をもちます。
ゴルフについて、さまざまな視点から、ゴルファーの皆さんにプラスになる(かもしれない)情報をお伝えします。
今回のテーマは「ティーショットでのクラブチョイス ドライバーとフェアウェイウッドとユーティリティ」
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ドライバーのレベルアップとベストスコア更新
ドライバーでナイスショットを打てたときの爽快感は、ある意味でゴルフの一番の醍醐味。
積み重ねた練習の成果がでて、まっすぐ飛んでくれたとき、フェアウェイど真ん中に250ヤード級のドライブができたときは、この上ない達成感があるものです。
18ホールのうち、4ホールをパー3とした場合、14回はドライバーを打てる。
そのうち何回のナイスショットを打てるか。
自分はどれくらい飛距離が伸びてきているのか。
成果と成長を実感できるのは、ゴルフ歴を重ねてきて、スコアを更新していき、100をきり、90をきり、という段階において、この上ない楽しみのひとつでもあります。
そして、飛距離はとても有効なアドバンテージともいえます。
ドライバーの飛距離が240ヤードから260ヤードくらい、もしくはそれ以上のゴルファーの方にとって、安定したドライブはスコアに影響する大きな要素になります。
飛べば飛ぶほどセカンドショットの距離が短くなり、パーオンの確率も上がっていき、好スコアにつながっていくという、最大の武器になります。
ただ、ラウンドするコースによって少し状況は変わります。
全体的に距離が長くてOBも少ない広々としたレイアウトのコースであれば、飛距離はシンプルに大きなアドバンテージになりますが、残念なことに、そのタイプのコースは少ないのが実情です。
どちらかといえば、アップダウンがあり、山や谷や斜面が多くて、距離は短めだが左右どちらかにOBがあり、飛距離よりも方向性を要求される、というコースのほうが割合としては多いかと思います。
こういったコースでは、ドライバーはアドバンテージであると同時に、ひとつのリスクもかかえます。
それは、豪快にフルショットができて、一番遠くに飛ばせるクラブだけに、好不調の波も大きい、ということです。
ドライバーの乱調とOB
特にハードヒッターの方にとっては、ビッグドライブは大きなアドバンテージにもなりますが、曲がりだすと手がつけられないときもあり、飛ぶがゆえに曲がり幅も大きく、スコアの乱れにつながってしまうこともあります。
このドライバーの調子の波というものは、ゴルフ歴や平均スコアなどは関係ありません。
遠くへ飛ばすことと真っ直ぐ飛ばすことの両方が求められて、かつ、一番大きなスイング幅があるアイテムなので、乱れは練習場でもコースでも“突然現れる”ことがあります。
制御がきかなくなるだけでなく、いったんスイングに違和感を生じさせてしまうと、いつものように振りきれなくなってしまい、中途半端なスイングでますます安定感が下がり、という悪循環になってしまいます。
そして、最も厄介なのが、前述の「突然現れる」という点です。
ラウンド前日の練習場である程度の調子が把握できている場合は、まだよいでしょう。
「最近ショットの調子が悪い」
「特にドライバーの当たりがよくない」
こんなときは、「念入りに練習して少しでもミスを減らせれば」という対処ができますし、コースでミスが出ても動じない心構えもできます。
一番困るのは、「最近ドライバーが絶好調」というときです。
前回のコースラウンドでも、前日の練習場でもドライバーの調子がよく、飛距離も出ている。
明日のゴルフ場は狭いコースと聞いているが、距離も短いらしい。
今のドライバーの調子ならベストスコアの期待も高いぞ、というケース。
当日、ゴルフ場に着いて、朝のドライビングレンジでも好調さはそのまま。
いざスタートしてみると、情報通り、たしかにコース幅も狭いしOBも結構多いが、距離は短い。
今のドライバーの調子なら好スコアの可能性大、というポジティブな気分でラウンドを進めます。
ただ、短いホールほど、ワナが仕掛けられているケースが多いもの。
OBラインが浅く、少しでも曲がるとOBにいってしまう、というホールも結構お目にかかります。
そんなとき、ちょっとしたスイングのズレで、好調だったドライバーにもミスが出てしまうことがあります。
大きなミスショットでもなく、曲がり幅もそれほどではないのに、OBラインが浅いためにOBになってしまい、その日初めてのミス…。
ここで、冷静になり、落ち着いてスイングを見直して、という作業ができればよいのですが、好調でここまできていたので、気分もまだまだ上り調子。
前のショットと同じ感覚で振ってしまい、ミスが続いてしまい…。
絶好調のときほど、このような場面では心の動揺の幅が大きくなります。
「こんなはずじゃ…」「絶好調だったのに…」というように、朝のスタート時点とは180度違う状況になってしまうと、気持ちのブレ幅が大きく、平常心に戻すのが難しくなってしまいます。
そして、ゴルフのすごいところは、ひとつのミスからくる心の動揺は、他のショットにもダイレクトに影響しまうところです。
安全に2パットでいっていたパッティングも無理に入れにいったり、グリーンセンターに確実に乗せにいっていたアイアンもピンをダイレクトに狙ってしまったり。
プロのトーナメントでも、それまで優勝争いをしていた選手が、ひとつのミスから大きく順位を落としてしまうシーンを見かけることが多々あります。
ティーショットのマネジメントと意識改革
年数を重ねていけば順調に上手くなり、比例してスコアもよくなっていく、というように簡単にいかないのがゴルフというスポーツ。
「それもゴルフの面白さ」「簡単に上手くいかないから大のオトナがのめりこんでいく」という冗談めいた言葉もよく聞きます。
とはいえ、真剣に取り組むほど、残念な結果になったときの悔しさは増します。
常にスイングの好調を持続することが難しい、そして、コースのプレッシャーによってもスイングの変化が現れる可能性もある、というのはわかってはいても、それによってスコアに影響してしまうのは本当に悔しいものです。
ただ「コースのプレッシャーによって」という部分に対しては、「コースマネジメント」という引き出しをもつことで、ミスの確率、スコアへの影響を軽減することが可能です。
対策としては、実にシンプルです。
“ティーショットをフェアウェイウッドやユーティリティで打つ”という方法です。
「なんだ、刻むのか?」という反応をされる方もいるでしょう。
特に飛距離が出る方にとっては、先にお伝えしたように、ドライバーでの豪快なティーショットはゴルフの一番楽しい場面です。一番の楽しみを奪うのか、というお考えの方もいるかもしれません。
ただ、少し柔らかいニュアンスでとらえていただければ、というところですが、全てのティーショットをフェアウェイウッドで、というわけではありません。
全てのホールでドライバーが少しでも曲がればすぐOB、というゴルフ場はそんなに多くはありませんし、距離の面でも同様かと思います。
ちょっとした発想の転換です。
目の前の、そのホールで、一番良いスコアであがるために、より確率の高い攻め方をする、というイメージだと思ってください。
左右のOBがとても浅くて、距離も短い。
ティーショットでドライバーほどの飛距離がなくても、セカンドショットの距離はそれほど残らないし、短い番手で打てる。
つまり、そのホールに限っては、ティーショットをドライバー以外で打った方が全体的にリスクも少なく、結果的に高い確率で好スコアで終えることができる、という考え方です。
フェアウェイウッドやユーティリティに自信をもつ
ただ、「ドライバーの練習量は多いけど、フェアウェイウッドやユーティリティはそんなに…」という方も多いかもしれません。
その場合、好不調の波よりも、得意不得意のお話になってしまいます。
ただ、ひとつ確実なことは、得意になってしまえば、不調のときでも曲がり幅はドライバーに比べて小さい、ということです。
「絶対に曲がらない」ということはありません。
ドライバーが不調であれば、スイングの不調という可能性もあり、ドライバー以外でミスがでることはゼロではありません。
ただ、ミスの度合いを軽減することはできます。
仮に同じスライスだとしても、大きなケガにならない範囲でおさまってくれますし、すなわちスコアへの影響も最小限になってくれます。
実は、ドライバーやアイアンと比較すると、フェアウェイウッドやユーティリティはラウンドの中でも使用する回数が少なく、初心者のかたであれば、そもそもセッティングしている本数が少ないこともあります。
ただ、冒頭でお伝えしたように、ドライバーの飛距離が240ヤードから、それ以上のゴルファーの場合、フェアウェイウッドやユーティリティであれば、200ヤード超の飛距離を担当することが可能になります。
パー4のミドルホール。
ティイングエリアの距離表示が300ヤードから350ヤードくらいの短いホールの場合、ドライバーを使わなくても、セカンドショットの距離は100ヤードから150ヤードくらいのショートアイアンの距離で済んでくれます。
そして、これくらいの距離のミドルホールは、先にお伝えしたような山岳コースなどには、結構あります。
こう考えると、フェアウェイウッドやユーティリティで1本でも得意クラブをもっておけば、好不調の波からの影響も最小限でおさえることができ、幅が狭いホールであっても動ずることなく、より確実な攻め方をしていくことができる、ということがおわかり頂けると思います。
ドライバーと同じくらい信頼できる、自身のスイングとマッチングしたスペックのモデルをフェアウェイウッドかユーティリティでもつこと。
そして、ドライバーと変わらないくらいの練習量を持続すること。
この2点で、プレーの幅が、グッとひろがります。
ここで、フェアウェイウッドやユーティリティを設定するときに大事な注意点。
「信頼できる」「マッチング」という表現をしました。
ヘッドのタイプもシャフトのスペックも、自身のスイングにマッチしたモデルを選ぶことはとても重要ですが、それはフェアウェイウッドとユーティリティでも同様です。
ドライバーで、すでにフィットしているモデルを使っている場合は、同じフィーリングで打てるタイプやスペックをもつこと。
「少し軽いかな」というフィーリングのモデルを選んでしまうと、ドライバーとフェアウェイウッドを違う感覚で打つことになってしまいますし、そこでアジャストする作業が入る時点で、自然体でスイングすることの質を下げてしまうという、もったいないことにもつながってしまいます。
ベストスコア更新とマネジメントの積み重ね
ここまでお読みいただいて、理屈では理解できても、なかなかドライバーショットの爽快感は捨てがたい、という方は多いと思います。
そんな方には、ラウンドしたときの、コースに応じたショット内容とスコアの関連性を記録することをおすすめします。
最近は、スマートフォンのアプリで簡単にショットの記録を残すこともできますし、どんなホールでどのようなショットで攻めてどんなスコアだったか、ということをラウンド終了後もわかりやすくチェックすることができます。
もし、このようなアプリがなくても、記憶が新しいその日のうちに、課題としていることを帰宅した後にメモとして残すという方法もあります。
記録として残すという作業は、成長している点や成果を確認することもできれば、課題としていることの改善点を明確にするということにもつながります。
今回のテーマであるティーショットに関していえば、ドライバーで何発OBがあったか、フェアウェイキープ率はどれくらいだったか、という記録を残すと、そこにパーオン率やパット数なども連係すると、全体のスコアのなかで、何が今後にむけての課題になるか、ということがイメージしやすくなっていきます。
ここでいう改善とは、ショットの内容やスイングだけではありません。
場面に応じて、どんなコースマネジメントで挑んだか、どんなイメージをしてショットに挑んだか、ということも含まれます。
たとえば
「グリーン奥目にピンが切られているグリーンに対して、ピンにジャストの距離で打った結果、予想以上にフォローの風が強くグリーンオーバーしてしまいボギーとなってしまった。次回からは風を読みきれないときは安全にセンターを狙うようにする」
といった反省のような作業です。
「わざわざ記録しておかなくても覚えておけるのでは」と思われるかもしれませんが、この類の細かいミスは結構忘れてしまうものです。
まして、1回のラウンドのなかで、反省点が1つや2つであればよいですが、複数ある場合に覚えておくことはなかなかに難しいことだと思います。
もし、ラウンドのなかで「短くて狭いミドルホールでドライバーのミスがOBとなってしまい」という記録があれば、ドライバーのスイング改善だけを課題として考えるだけでなく、クラブチョイスもひとつの手段として、より鮮明に認識することができるかと思います。
まとめ
ラウンドのスコアが、「90をきる」「80をきる」というステップにおいては、たったひとつのOBが大変な意味を持ちます。
OBを1つでも2つでも減らすことができれば、スコアアップへの大きな前進になること、おわかりいただけるかと思います。
「ティーショットのクラブチョイス」というマネジメントだけで、そこに可能性が生まれます。
ティーショット用にフェアウェイウッドやユーティリティを設定すること、そして得意クラブにすること、是非チャレンジしてみてください。
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