売れ筋や人気ランキングの中から選ぶ前に、自分のプレースタイルにあったモデルを探すことが重要です。今回は、ゴルフボールの種類と見分け方、ヘッドスピードに応じた選び方などをお伝えします。コスパ重視か性能重視か、レディースゴルファーにとって飛ぶのはどっち?
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ゴルフボールの種類とタイプ
店頭でたくさんのゴルファーの方と接していたときに、クラブや道具のことでご相談をうけましたが、ボールを対象としてよく聞かれたのが、「おすすめのボールはなに?」というご質問です。
ボールをおすすめするときは、話題性やセール品などをおすすめする前に、「その方がどんなタイプのゴルファーなのか」、このことを必ず確認しなければなりません。
クラブなどと同じで、ボールにもさまざまなタイプや種類がありますから、その方にフィットするタイプを選ばないと、機能の特性上、ベストパフォーマンスにつながらなくなってしまうからです。
ヘッドスピードが速いゴルファーであれば、松山英樹プロが使用するタイプのプロダクトをおすすめできますが、そのタイプはコアが硬いため、レディースゴルファーの方が使うと飛距離が出づらい、というデメリットのほうが大きくなってしまう、という例もあります。
ゴルファーとボールのマッチングのためにも、ヘッドスピード、プレースタイル、ゴルフ歴などをヒアリングすることが大事になってきます。
では、実際にどんなタイプのボールがあるのか?
公式ホームページなどのモデル紹介で特徴が説明されていますが、どれがどのようなタイプなのか、どれが自分に合っているのか、意外にわかりづらいものです。
そこで今回は、分類的な部分で、わかりやすく、選びやすくなるように、ご説明していきたいと思います。
「え?分類といっても、スピン系とディスタンス系じゃないの?」と思われるかもしれません。
たしかに大きなタイプの分け方としては2種類になりますが、価格帯も違えば構造も違います。それぞれのモデルにどんな特徴があり、どのようなゴルファーにおすすめなのか、シンプルに選びやすくなる基準や目安をお伝えしていきます。
まず、ゴルフボールを扱うメーカーとして、国産メーカーではダンロップ、海外メーカーではタイトリストを選び、展開されているモデルのラインナップをご覧頂きます。
ラインナップの全てではありませんが、今回の説明に必要なカタチでの抜粋としていますので、ご了承ください。
左にモデル名、右に1ダースの価格を記載しています。価格に関しては、メーカー公式記載はオープン価格となっていますので、参考価格としてみてください。
では、まずタイプ別に、スピン系からご説明していきます。
ゴルフボール スピン系ボールの特徴と見分け方 素材の違い
こちらは、メーカーHP、モデル紹介での特徴に「スピン性能に優れた…」という記載があるモデルです。
ただ、赤文字と黒文字のモデルには決定的な違いがあります。それは、赤文字のモデルには『ウレタンカバー』が採用されている、という点です。
スピン系ボールは、アスリートゴルファーが使うというイメージがあり、飛距離とコントロール性能も重要視されていますが、一番の特徴はアイアンやウェッジショットでのバックスピン性能です。
一番外側のカバーに柔らかい素材を採用することで、フェースの面と溝との食いつきを増す効果を有しています。
黒文字のモデルも比較的柔らかい素材を採用してはいますが、違いは明らかです。
その分、価格にも違いがあります。
他のメーカーでも同様ですが、スピン性能をアピールしているモデルであっても、カバーにウレタンカバーが採用されているか、そこが一番わかりやすい見分け方の目安になります。
ゴルフボール スピン系をおすすめするゴルファーは?
スピン性能を最優先に造られているタイプです。最大の特徴はカバーの柔らかさですが、ある程度のヘッドスピードの速さを対象としていることもあり、コアも硬めになっています。
そのため、メーカー公式の記載でも、対象ヘッドスピードを40m/s以上に設定しているモデルが多くみられます。
ただ、ヘッドスピードが30~40m/sのかたでも、使用することはできない、というわけではありません。
アイアンやアプローチのスタイルとして、「スピンコントロールは欲しい」「ウェッジでのバックスピンはかけたい」という方であれば使用される方もいますし、別の回でご紹介する予定ですが、コアが柔らかめのスピン系モデルもありますので、そのタイプもおすすめです。
ゴルフボール ディスタンス系タイプの特徴は柔らかいコア 2ピースと3ピースの違い
次にディスタンス系のご説明になります。
こちらの特徴は、スピン系とは逆で、コアを柔らかめにしています。
インパクトの瞬間にどれくらいボールが反発するか、という点が飛距離をつくる大きな要因になります。
レディースゴルファーやシニアゴルファーの方、30~40m/sといったヘッドスピードでできるだけつぶれてくれるように、反発しやすい柔らかいコアにすることで、飛距離の性能をあげているのが、ディスタンス系の特徴と思ってください。
そのため、反発力を上げるべく、構造に工夫を凝らしています。
そこが2ピースと3ピース(もしくは3ピース以上)の違いになります。
2ピースは、外側のカバー、白い部分と、内側の1種類のコアだけの2層構造になります。
練習場などで使用されているレンジボールは1ピース構造の物が多いため、2ピースは最小限の材質を採用した構造ともいえます。
もっと飛距離アップにつながるように、コアの性能を向上させたい、ということから、白いカバーの下に、2層や3層の造りをさせているのが、3ピースや4ピースになります。
そして、素材と製法の違いは、性能と同時に、価格の差にもつながります。
おおよその分類にはなりますが、1ダース5,000円あたりより上か下か。その辺がディスタンス系としての性能の違いを見分ける基準になるかと思います。
こちらの2メーカーのラインナップの中で、タイプとピース数、そして個々のゴルファーのこだわりの部分をひとつの基準として、おすすめするゴルファーを記載してみました。
前述のとおり、対象ヘッドスピードはあくまで目安です。
スピン性能にこだわるか、ディスタンス性能にこだわるか、そこも個々のゴルファーの好みが反映されるところなので、絶対の基準ではありません。
こだわりという部分に関しては、性能重視かコスパ重視か、という分け方にさせてもらいましたが、ゴルフボールはシンプルに消耗品の類になりますので、かけるご予算には悩ましいものがあります。
1ダース7,000円の場合、1個あたりは500円以上の価値になります。
このように考えると、ボールの選び方にも慎重にもなりますし、1つのボールを大切に使う気持ちにもつながると思います。
ゴルフボール カラーボールやデザインの楽しみ方 色違いの活用方法
スピン系からディスタンス系まで、性能重視からコスパ重視まで、「”ホワイト一色”という展開のモデルはないのでは」と思ってしまうほどに日本のゴルフボール市場は、多色カラー展開がスタンダードとなっています。
タイトリストの『ProV1』は世界NO.1のスピン系ボールといわれていますが、こちらも数年前にイエローをラインナップに追加しました。
実は、海外ではカラーボールの需要はあまりないそうですが、日本市場のあまりのニーズの高さから展開が始まり、他のディスタンス系のモデルでは複数色の展開になっているほどになりました。
カラーボールの楽しみ方 10色展開のモデルやマットカラーもあります
さて、楽しみ方は本当に豊富。
メーカーはゴルファーのくすぐり方がとても上手い、と感じさせられる市場となっています。
ホワイトとイエローの2色展開は、スピン系タイプが多く、他のカテゴリーにおいては、前述のとおり3色以上がスタンダード。
ディスタンス系のコスパ重視のモデルになると、1ダースの中に4色が揃っているモデルがあります。
さらに、レディースゴルファー向けのタイプとして発売されているシリーズには、マットカラーなどもあわせて合計すると10色以上のラインナップがあるモデルもあるくらいです。
ウェアやキャップやグッズ、そしてシューズまで含めれば、ラウンドするスタイルのコーディネートもゴルフの大きな楽しみのひとつです。
そこにボールのカラー選びも入れてあげれば、ティーやグローブといった消耗品にもこだわりがひろがっていき、どんどん楽しみ方の幅がひろがっていくかと思います。
ゴルフボール 色違いの活用方法
こちらでは、ちょっとしたアイデアの部類に入ることになりますが、色違いボールの活用方法についてお伝えしていきます。
ラウンドでの出来事、同伴プレーヤーと飛距離が同じくらいだった場合、セカンド地点でお互いのボールが近い場所にあるというケース、多々あるかと思います。
特に、乗用カートが当然になってきた近年のゴルフでは、付近までカートでいって、ボールの地点を確認して、ある程度の距離を判断してクラブを持っていく、という手順になっています。
そんなとき、2つのボールに5ヤードから10ヤードほどの差があるとき、遠くからでもどちらのプレーヤーのボールかが判断できれば、持っていくクラブの本数も少なく済みます。
こんな場面でのおすすめ。例えば使用ボールがタイトリスト『ProV1』のゴルファーの場合、ホワイトとイエローの2色両方をキャディバッグに用意しておく、という方法です。
朝のスタート時に、お互いの使用ボールを確認し合うタイミングがあります。
このとき、ホワイトを使う人が3人いれば、自分はイエローを使うことにします。
すると、自分しかイエローがいないので、セカンド地点で即座に判断することができるようになります。
仮にもう一人イエローがいても、確率は2分の一、ホワイト一色の準備よりは、はるかに手間が軽減されます。
ダースで購入するときに、ホワイトとイエローを1ダースずつ。
その場合、ボールの番号も4種類になりますから、3個入る箱の中身をそれぞれ違う番号にして入れておき、当日のラウンドには2色で2箱ずつ、というカタチで準備しておけば、各色6個ずつの用意になりますので、色違いの活用にもなり、多少のボールの紛失(OBなど)にも不足にはならないかと思います。
ゴルフボールの新しいトレンド ライン入りタイプの登場
トーナメントプロもパッティングで活用しているのが、ボールに書くライン。
グリーンでのパッティングのときに、普通において構えるのではなく、ボールに書いてあるライン(線)を打ち出したい(転がる)ラインに向けて合わせて置いて、そのボールのラインにフェースを合わせて構えることで、アドレス時のセットアップをより確実にするという方法です。
十数年前から、一部のメーカーやモデルでは採用されていたデザインですが、最近は主要なメーカーがスピン系などのアスリートタイプにも採用を始めて、これからはラインナップとしてスタンダード化するのでは、という勢いで、市場で目立つ存在となってきています。
人気メーカーのひとつであるキャロウェイでは、赤と青の3本線ラインがボールにペイントされている『TRIPLE TRACK』というデザインがあり、スピン系からディスタンス系にいたるまで、主要なモデルのほとんどに採用していて、大人気のデザインとなっています。
また、ブリヂストンのスピン系タイプ『TOUR B』のシリーズでは、「ラインがペイントされていて」というレベルではなく、完全に「パッティングの参考になる」ことを目的として造られたデザインを施した『ジャストイン アライメント』というデザインタイプを発売開始しました。
また、ダンロップでもさりげないデザインを採用しているモデルがあるなど、近年にうちにパッティングに対してのアライメント効果としてのデザインは定着していくのでは、という状況です。
パッティングだけでなく、ティーショットなどでも、活用することはできますので、是非ラウンドでの有効な活用に使ってみてください。
まとめ
スピン系とディスタンス系、コスパ重視と性能重視、対象ヘッドスピード、分類のひとつの基準となる方法をお伝えしましたが、今回はダンロップとタイトリストの2メーカーが展開しているモデルを例としていました。
他にもゴルフボールを扱う人気メーカーが多数あります。
ブリヂストン、キャロウェイ、テーラーメイド、本間ゴルフ、キャスコなどがあり、それぞれが複数のモデルを展開しているので、カラーの種類やライン入りデザインなどのタイプまで対象としてしまうと、選択肢が無数にあります。
ブリヂストンのなかでは、「ディスタンス系+性能重視+ヘッドスピードが35m/sのわたしにはどれがおすすめ?」というお問い合わせの方にもわかりやすくるすため、メーカー別&カテゴリー別のおすすめゴルフボール一覧も近日中にご案内する予定です。
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