ドライバーの次の飛距離を打つときに使うフェアウェイウッドやユーティリティ。
どちらも飛距離と方向性を求めるクラブですが、それぞれにメリットとデメリットの特徴があり、選び方次第では、スコアアップに大きく影響します。
ゴルフについて、さまざまな視点から、ゴルファーの皆さんにプラスになる(かもしれない)情報をお伝えします。
今回のテーマは「ユーティリティの圧倒的な存在感 フェアウェイウッドとの違い ロフトバリエーションの多さ」。
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ロングレンジ・ミドルレンジは、高弾道と寛容性で勝るユーティリティで
キャディバッグのなかに入れられるクラブの本数は14本。
そのうち、ドライバーとパターを各1本確定として、残りの12本をどのようにセッティングするか。
フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン、ウェッジという、それぞれに役割をもった各アイテム。
プレースタイルによって、ヘッドスピードによって、得手不得手によって、個々のゴルファーの個性に応じて、設定される本数に違いがみられると思います。
その組合せを考えるとき、近年のクラブの進化によって、大きく存在感が変わってきたアイテムがあります。
それはユーティリティです。
以前にも別の回でお伝えしたことがありますが、かつてはロングアイアンやミドルアイアンといった番手が担当していた距離は、このユーティリティというアイテムが登場してくれたおかげで、ナイスショットの確率を格段にあげてくれることになりました。
これは、ヘッドスピードもゴルフ歴にも制限されません。
ハードヒッターほどナチュラルに弾道が高くなるので、ロングアイアンなどでもグリーンで止めることができる弾道を打つことはできますが、3番や4番といったアイアンでは寛容性という名のやさしさは皆無に近い。
プロや上級者であれば使いこなすこともできるかもしれませんが、中級者や初心者にとっては、ハードヒッターであってもユーティリティのほうがはるかに頼りになります。
そして、ヘッドスピードが30~40m/s前後のゴルファーにとっては、文字通り圧倒的な存在感。
5番から7番といったミドルアイアンの距離であっても、高弾道&寛容性に秀でたユーティリティは、飛ばすこととグリーンにのせることの双方で、サポート力抜群の活躍を見せてくれます。
アイアンセットの基本的な販売の設定は、かつては5番からピッチングウェッジまでの6本セットで、他の番手が単品扱い。
やがて、ストロングロフトや飛び系といったディスタンス性能も重視したタイプが登場して、今や市場ではトレンドというよりスタンダードとなっているロフト設定のなかで、6番からの5本セットか7番からの4本セットか、というように選択肢を増やしてくれています。
クラブ全体のなかでは後発になるユーティリティですが、存在感が巨大化していく異様なまでのスピード感は、アイアンカテゴリーの変化も大きな理由になっているといえるでしょう。
ユーティリティのロフトバリエーションとセッティング
さて、ユーティリティの存在感を示すことができるご説明になります。
現在のクラブのなかで、一番ロフトがたっているのはドライバーです。
ロフト設定としては、メンズの8.5度くらいから、レディースの13.5度くらいまでの幅。
そして、15度くらいから20度前後をフェアウェイウッド、15度くらいから35度くらいまでをユーティリティ。
20度から50度くらいまでをアイアン、45度くらいから60度前後までウェッジ。
いま存在しうるモデルをふまえて、セッティングの可能性がある範囲でのロフト別の各アイテム設定の仮定ですが、かつてはアイアンが全体のほとんどを占めていたのが、セッティング次第ではユーティリティのほうが多くなってもおかしくないほどに、性能面もプロダクト的な可能性も進んでいます。
実は、キャスコの『UFO Speed by POWER TORNADO』というモデルには15度から始まり、次の18度からは4度刻みで、なんと46度までが存在します。
つまり、プロダクト的な可能性、という表現にしてしまうと、15度から46度までをユーティリティで担当することも可能になりますし、この次に50度と56度くらいのウェッジを入れるとすれば、アイアンが0本というセッティングになります。これは、大げさな話ではなく、実際にありえるセッティングです。
そうは言っても「構えやすいアイアンが好き」「アイアンの操作性は捨てがたい」というゴルファーももちろんいるでしょう。
ここまでのお話も、「3番や4番のアイアンよりはユーティリティのほうがよいかな」くらいの存在感になる程度かもしれません。
ただ、「5番はもちろん、6番も7番もアイアンが飛んでくれない」「グリーンに止まるだけの球の高さが出てくれない」というゴルファーの方にとっては、ユーティリティの存在感の大きさは、ど真ん中のお話かと思います。
しかし、人気メーカーのアベレージタイプのモデルの展開をみてみると、まだ30度前後までがスタンダード、という状況です。
たとえば、ダンロップの『ゼクシオ』ブランド。
レギュラーモデルとなる『ゼクシオ12』では、意外にも26度までのラインナップ。
レディースでも31度まで。
シニア向けのモデル『ゼクシオプライム』でも31度まで。
次にテーラーメイドのアベレージタイプのブランド『GLOIRE(グローレ)』。
現在は最新モデルとして『STEALTH GLOIRE(ステルスグローレ)』が発売されていますが、こちらもメンズが25度、レディースも27度までのラインナップにとどまっています。
そんな中、近年絶好調のメーカー『PING』はさすがです。
現行のメインシリーズとなる『G430』と、軽量タイプの最新シリーズ『G430HL』、そしてレディースモデルで9月に発売予定となっている『GLE3』の全てのシリーズで、34度というロフト設定があります。
番手も7番となっており、アイアンの7番の代わりとしての設定となっています。
PINGは前作となる『G425』シリーズのときから34度の設定をラインナップにしていて、本数は多くはありませんが、中古市場にも在庫があるくらいです。
また、キャロウェイの2023最新モデルでも、33度のユーティリティがあります。
『PARADYM(パラダイム) MAX FAST』。
話題のシリーズのなかでもメンズでは最も軽量になるカテゴリーですが、こちらには33度がラインナップされていますし、レディースタイプも同様です。
フェアウェイウッドとユーティリティの違い 飛距離重視か振りやすさ重視か
フェアウェイウッドとユーティリティの違い。
フェアウェイウッドは、高弾道と寛容性では、負けず劣らずの性能をもちます。
先にお伝えしたPINGの『G430』シリーズでは、9番ウッドまでがラインナップされていて、ロフトも24度になりますので、「アイアン以外」という視野で考えると、15度から25度前後ではフェアウェイウッドも選択肢に入ることになります。
クラブ全体の長さとしては、フェアウェイウッドのほうが少し長め。
その意味では、短いぶん、扱いやすさはユーティリティのほうが上、という見方もできます。
ただ、ユーティリティ同様にフェアウェイウッドの寛容性などの性能も進化していますので、その意味では甲乙つけがたい基準になってしまいます。悩みどころですね。
ここで悩む場合、シンプルな選択基準として考えるならば、飛距離を優先するか、振りやすさを優先するか、という点になるでしょう。
アイテム別のコンセプトとしては、ドライバーの次に飛距離が求められるフェアウェイウッドです。
搭載されている機能も、採用されている素材も製法も、高弾道や寛容性とともに、もしくはそれ以上に、飛距離重視の設計となっています。
3番から5番くらいまでの番手と比較すると、7番や9番はグリーンを狙うときに使う番手かもしれません。
それでも、「できるだけ飛距離をかせいでほしい」「ミスしてもグリーン周りまで飛んでほしい」というように、飛距離を一番に考えたニーズでとらえているゴルファーも多いかと思います。
逆に、「長い=振りにくい」というイメージの方ももちろんいるでしょう。
「アイアンのヘッドは難しいが、長さは短い方が扱いやすい」という方でしたら、選択肢としてはユーティリティが最高。
このアイテムの存在感が、もっとも活かされる特徴になるかと思います。
まとめ
さきほど、34度くらいのロフト設定のモデルがまだまだ数が多くないとお伝えしました。
ただ、ニーズの多様化は明らかですので、この分野は今後の期待大です。
ドライバーからアイアンまで、凄まじいスピードで進化しているゴルフクラブの世界。
ユーティリティの存在感はますます大きくなっていくかもしれません。
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