3パット。
できれば、一日に一度も出会いたくないフレーズですよね。
3パットしたホールを終えて、スマホアプリのパット数の欄に3という数値を入れるとき、わかってはいても、気持ちの切り替えに難儀するものです。
できれば出会いたくないけど、なかなかそうはいきません。
トーナメントプロとて3パットはします。優勝争いをしているような、ゴルフの頂上決戦の場面であっても、絶対にしないとは言い切れない。
ちょっとした油断や判断ミスがあると、平気で現れてしまう。
多い時は一日に3回から4回現れてしまう。平均パット数やラウンドのスコアに大きく影響、それだけでOBが2つ分に匹敵します。
できれば、減らしたい。
本記事はレッスンの類ではありませんが、筆者の経験と先輩方から教えてもらってきた教訓の中から、あなたのスコアアップに役立つ(かもしれない)情報をお伝えします。
今回のテーマは、『3パットを減らすためにできること』です。

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3パットを減らすためには 原因を考える
テーマを『なくすこと』ではなく『減らすこと』としました。
冒頭にもお伝えしたように、絶対にしない人などいません。プロでも上級者でもするときはします。
ただ、一日に数回、3回とか4回、それ以上の3パットがある方の場合、出会ってしまう確固たる原因があります。
原因をはっきりすれば、対策がある。
改善することが可能です。つまり3パットを減らすことが可能です。
そのために、メカニズムとして考えるべく、起こり得るシチュエーションをベースとしてご説明します。シチュエーションのパターンとしては3つ。
①大きいグリーンの端にのせてロングパットを打つときにファーストパットを寄せきれなかったとき
②転がりのいい速いグリーンで強烈な下りのラインから打つとき弱すぎて上に残すか強すぎて大きくオーバーしてしまうとき
③ワンピン以内の距離を強めのタッチで入れにいって1メートル近くオーバーして返しを外したとき
他にもパターンはあるかもしれませんが、今回は上記の3つのパターンに基づいて解説していきたいと思います。
シチュエーション① ロングパットからの3パット
ラウンドするゴルフ場にて、ワングリーンのホールが多く、必然的にグリーン面積が大きい場合。
グリーンにのせたのはいいけど、ピンポジションが端っこで、乗ったのも端っこ。
楽に10メートル以上はあるロングパットを打たなければならないケース、結構ありますよね。
そして、「3パットをするシチュエーションとは?」というアンケートをとるとすれば、一番返答が多いのがこのシチュエーションになるかと思います。
このシチュエーションに挑むときに、大事なポイントは2つ。
ライン読みと距離感です。
ロングパットを打つときのポイント『ライン読み』
まずはライン読み。
ボールからカップまでがずっと上りのストレートラインなのか
傾斜が複雑にからみあった上って下ってというラインなのか
途中まではストレートにみえて最後に大きくスライスしてしまうのか
このときの作業として、一番おすすめできないのが、ボールの後ろに立って、なんとなくカップまでのラインを遠目に読む、というプロセス。
断言しますが、この作業だけでは、絶対に読み切れません。
もし、なんとなく寄ってくれたとすれば、余程運がよいかと思います。
距離の長い短いにかかわらず、ラインを読むために必要なのは、四方から傾斜を確認することです。
ボールとカップを結んだラインだけでなく、カップを中心にして周囲をまわりながら、360度のすべての方向から全体的な傾斜をながめる。
この作業は、ロングパットだけでなく、ワンピンくらいの距離でも必須の作業と思ってください。
時間はかかってしまいますが、そこまでの作業や歩くスピードを速くするなどの工夫をして、1周する時間を確保するように心がけてください。
実際、ロングパットの場合は、カップの近くにきて、もしくはカップの向こう側からみてみると、ボールの地点からはみえなった意外な傾斜を発見することが多々あります。
これを発見できるかできないかで、ファーストパットを寄せられる確率に相当な違いが生じます。
ロングパットを打つときのポイント『距離感』
次に、距離感。
これは、朝の練習グリーンの取り組みから始まります。
他のプレーヤーの邪魔にならないスペースをみつけて、できるだけフラットなラインで長い距離をくり返し打つ。目標を設定する際には、目測のなんとなくの判断ではなく、レーザー式距離計測器などをつかって、8メートルや10メートルといった具体的な距離を打つ方がより確実になります。
ここで、どれくらい距離感を育てることができるか。
極端にオーバーしたり、ショートしたり、距離を合わせていく作業をしておくことが、現場でロングパットと出会ったときに、どれくらい高い質のカバーをすることにつながるか。
まったく取り組まない場合と比較すれば、確率の違いはお分かりいただけると思います。
カップの周囲まできて全体的なライン読む作業、朝の練習で距離感を育てる作業。
この2つの作業は、完全に3パットをなくすことにはならないかもしれませんが、かなりの確率で減らすことにつながるかと思います。
シチュエーション② 速いグリーンでの下りのラインからの3パット
グリーンの形状で一番多いのが、いわゆる「受けグリーン」というタイプ。
手前が低くて、奥が高い。
手前から攻めれば上りのやさしいラインのパットが残るが、奥にのせると下りのパットに挑まなければならなくなる形状です。
この場合、当日のラウンドで相対するグリーンの速さもかかわってきます。
8フィート台、9フィート台前半であれば、そんなには速くありません。
余程の急な傾斜の下りのラインでなければ心配ごとにはならないかと思います。
ただ、9フィート台後半から10フィートを超える速さのグリーンでは事態が一変します。
ストレートにみえるラインでも、下りのラインはソフトなタッチで打つことになるので、もしかしたら見た目よりも曲がる可能性があるときもある。
目にみえて大きく曲がるラインのときは、きわめて厄介です。
どれくらいふくらませるのか、どれくらいのタッチで打てばよいのか。
少しでもラインとタッチを間違えれば、まったくカップに寄らない可能性さえありますし、タッチが弱すぎて上に残そうものなら、もう大変です。3パットどころか4パットの可能性さえ出てきてしまいます。
このシチュエーションに挑むときに大事なポイントは2つ。
カップの直近周囲の確認と、カップ付近を通過していくときのラインチェックです。
下りのラインから打つときのポイント『カップのフチ』のチェック
まずはカップのフチをみてみましょう。
傾斜の途中に切られているカップのフチ、どこが一番高いのか、じっくりみてみるとわかってくると思います。
そして、一番高いところが、球がコロコロと転がって、カップに入っていく場所と思ってください。
スライスにせよ、フックにせよ、横目から打つ下りのラインの場合、ある程度の距離を転がした後は、カップに向かって真っすぐ転がっていくラインになります。そのストレートのラインの終着点がカップの一番高い場所になるのです。
ここまで読めれば、そのストレートラインに乗せるには、どこまでをどんなタッチで打てばよいか、というポイントになります。
完全解決、とまではいきませんが、カップにまったく寄らないという最悪のケースを避けることはできると思いますし、あわよくば1パットで入る可能性さえでてきます。
下りのラインを打つときのポイント『カップ付近通過のライン』チェック
次に、カップ付近を通過していくときのラインチェックです。
なんとか入ればよいですが、カップ付近を通過してしまい、数十センチレベルで止まってくれずに、1メートルや2メートルの上りのラインが残ってしまったとしましょう。
このときに、ボールがカップ付近を通過して下り傾斜を転がっていくときに、その転がりをみてください。
カップ付近を通過していくのです。その転がっていくラインは、これから打つ2パット目のラインそのものです。ちょっとフックしながらなのか、ほぼストレートなのか。
1メートルにせよ、それ以上の距離であっても、100%見せてもらえたラインです。これ以上の確実な情報はありません。
下りのパットが入らず気分としては落ちてしまう瞬間かもしれませんが、2パット確率を引き上げる大事な瞬間です。見逃さずにじっくりと見ていてください。
シチュエーション③ 短い距離を強気で攻めたときの3パット
さて、3つ目のシチュエーションは、ワンピン以内の距離を強めのタッチで入れにいって1メートル近くオーバーして返しを外したとき、です。
このパターンは、さらに内訳があります。
ほぼストレートに近いラインなのか、それとも少し曲がりそうなラインなのか。
前者であれば、あまり問題はありません。
そもそも強めに打つ時点でパッティングに自信があるかたでしょう。ちょっと引っ掛けてしまったり押し出してしまったり、というミスは、ある意味で仕方がありません。
もしラウンド中に数回出会ってしまったときは、ちょっと修正の意味で、念入りにパッティング練習をすることで解決できるかと思います。
ただ、後者のケースでは少し事情が異なります。
ワンピン以内、1メートルくらいの距離では、少し強めに打ったほうが「ラインを消せる」という打ち方になり、たしかにラインに悩む必要がなくなります。
ただし、リターンとリスクを考えると、これはあまりオススメできません。
少し曲がりそうなライン、ということは、外してしまったときの返しのラインも同じく曲がりそうなラインということになります。
ラインを消して1パットで、というハイリターンの可能性もたしかにありますが、入らなかったときは、高い確率で3パットになるハイリスクともなってしまうのです。
しかも、先にお伝えしたロングパットや下りの悩ましいラインではありません。
堅実にうてば、最悪でも2パットで完了できるシチュエーションなのです。
もし、このシチュエーションでの3パットが多い、という方でしたら、話は簡単です。
もともと難しい横目からのラインなのです。無理をせず、距離合わせのパッティングをしてください。
慣れれば1パットで入る可能性も高いですし、決して弱気ではないと思いますよ。
まとめ
今回は、3パット減らすために、というテーマで、3つのシチュエーションをベースとして、原因と改善方法をお伝えしました。
冒頭でもお伝えしましたが、3つとも、100%解決できる方法ではありません。
どのシチュエーションにおける改善方法も「これをやれば完全に3パットがなくなってくれる魔法」ではないのです。
これは、パッティングに限らず、全てのショットやスコアメイクに共通していえることですが、さまざまな工夫や細かい取り組みの積み重ねによって、スコアメイクの前進があります。
ひとつ何かを変えたことで劇的にスコアが変わった、という魔法のようなテクニックはほとんどないのです。
ただ、積み重ねていった先には、確実に変化は起きてくれます。
というよりも、今回お伝えした改善するための作業達は、身につくと無意識に実行するようになります。
カップの周辺からラインを読む作業や、下りのラインを転がっていく球の転がりをチェックすることなど、オートマチックなルーティンになり、やがて、成果として3パットの軽減になっていきます。
そして、気がついたときにはしっかりと前進するカタチでラウンド全体のスコアに結び付いています。
朝の練習から、ラウンドが終わった後のさまざまな復習まで、その数を数えてしまうと無数にある工夫や取り組みの積み重ねかもしれませんが、決して無駄にはならないと思いますよ。
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