「キャロウェイのドライバーを使ってみたい 過去に発売されたモデルのなかでランキング上位のモデルは?」
「キャロウェイの歴代ドライバーのなかで、名器といわれるような、飛距離の性能の評価が高かったモデルは?」
キャロウェイって、ちょっと特別なメーカーですよね。
クラブやボールやシューズなどの必須アイテムから、ウェアやキャディバッグなどのファッション系まですべてをそろえることもできるので、他のメーカー・ブランドと比較すると、ファンの方が本当に多い。
もちろん、その理由の筆頭は、クラブの性能のすごさ。
ドライバーからアイアンまで、常にトップクラスの高評価を得ていて、飛ぶドライバーからスタイリッシュなアイアンまで、性能面でも存在感でも長年のキャロウェイファンの期待を裏切ることがありません。
ただ、近年キャロウェイから発売されているモデルは、毎年の新作が高評価なので、今回のテーマにそったご紹介が難しい…、どの代もヒット作なのです。
ですので、今回は、各モデルに搭載された機能や、進化していったストロングポイントをご紹介していきたいと思います。
※本ページにはプロモーションが含まれています
2016年以前のキャロウェイのドライバー
2000年代から2010年前後の時期、キャロウェイのドライバーはやや苦戦気味でした。
決して評価が低かったわけではありません。
ブランドネーミングとしては、アベレージタイプからツアーモデルまで幅広いゴルファーをターゲットとした『LEGACY(レガシー)』と、アスリートテイストが色濃い『RAZR(レイザー)』がメインブランドとして前線にいました。
ただ、ダンロップから発売されているアベレージ系の『ゼクシオ』、アスリート系の『スリクソン』のように、わかりやすくすみ分けされていなかったことなどもあり、メーカーとして高い人気はありながら、市場のトップを走っている、という感じではなく、やや低迷気味の感が否めなかったと思います。
さらに、2011年になると、最大のライバルであるテーラーメイドが「白いヘッド」を世に送り出したので、さらにキャロウェイとしては苦しい展開になります。
『R11』というアスリートタイプ、『BURNER』というぶっ飛び系、そして、2012年には日本市場を限定として現在まで続く人気のアベレージブランド『GLOIRE(グローレ)』が発売され、すべてが高評価で大ヒット。
追い打ちの決定打として、2012年にぶっ飛び系フェアウェイウッド『Rocketballz(ロケットボールズ)』(以下RBZ)を発売し、フェアウェイウッドの市場を様変わりさせるほどの大ヒットを生み出し、やや大げさな表現になるかもしれませんが、キャロウェイはさらなる苦境に立たされます。
2013年、RBZに対抗するカタチで、『X HOT』を発売。
『ぶっ飛び系フェアウェイウッド』という新たな市場ができていたので、このモデルの登場はキャロウェイファンを喜ばせてくれます。
翌年、2014年には2代目となる『X2HOT』を発売。『X2HOT PRO』というアスリートタイプも同シリーズでラインナップされたため、初心者や中級者だけでなく、上級者もターゲットとしてつかまえることができ、再びキャロウェイ人気が高まりを見せていきます。
ただ、『GLOIRE F』というヒットモデルを出して高い人気を継続しているテーラーメイドと比較すると、同時期に発売していた『BIG BERTHA(ビッグバーサ)』ブランドも爆発的なヒットとは言い難く、日本のみならず、世界の市場においても、テーラーメイドが数歩リードしている状況が続きました。
2016年には、世界市場でのもうひとつのライバルメーカーであるPINGが『G』シリーズを発売。
フィッティングメーカーとしてはすでにナンバーワンでしたが、ドライバー市場ではテーラーメイドやキャロウェイが圧倒的なリードをしていた関係性のところに、少しずつ存在感を示し始めます。
おしゃれでスタイリッシュなメーカーではあるけれど、クラブの性能においては、2番手3番手に甘んじてしまうのか。
そんな状況のなか、「起死回生」、「一発逆転」、さまざまな形容詞でも足りないほどの圧倒的なインパクトを放つモデルが2017年に発売されます。
『GBB EPIC』シリーズの登場です。
2017年『GBB EPIC』シリーズとして 2本の柱『ジェイルブレイクテクノロジー』が登場
発売前、キャロウェイの公式サイトでは、いわゆる「ティザー広告」が出されます。
もうすぐ「驚きの新機能を搭載したNEWモデル」が発売される、という広告です。
プロモーション上手なキャロウェイの宣伝は実に効果的。
これで期待を裏切らない性能をもっていれば、相当な販売量になるだろうと、当時販売店現場にいた筆者も楽しみにしていた記憶があります。
そして、発売後、期待を裏切らないどころか、予想を上回る性能をもって、世のゴルファー達を驚かせてくれます。
ヘッド内部に2本の柱を搭載して、ボール初速をアップさせるという新しい発想の新しい機能。
約1か月の事前宣伝期間を経ての発売開始だったこともあり、直後から驚異的な販売となりました。
『GBB EPIC』のGBBは『GREAT BIG BERTHA』の略。
かつてのキャロウェイの名器のブランド名を冠としたネーミングにしたわけですが、あまりにもインパクトが強かったせいで、GBBという名称が呼ばれることはなく、、あっという間に『EPIC』というブランドネーミングが定着しました。
スタンダードな位置づけとしての『GBB EPIC STAR』、カチャカチャが搭載された完全なアスリートタイプの『GBB EPIC SUBZERO』、そしてテイストは『STAR』と似ていながらも、フィーリングに違いがある『GBB EPIC FORGED』の3タイプがラインナップ。
同年、ライバルであるテーラーメイドは『M1』と『M2』の2代目シリーズを発売しています。
こちらも決して低評価だったわけではありません。
ただ、「2本の柱」という驚きの新機能と、期待を上回る飛距離性能は、やや劣勢にいたキャロウェイの存在感を一気に変えて、1番手争いの最前線に押し上げました。
2018年 アベレージテイストの『ROGUE(ローグ)』が発売
キャロウェイ人気を一気に高めた『EPIC』でしたが、ファンにとってはちょっとだけ不満がありました。
一番アベレージタイプ寄りだったのが『EPIC STAR』でしたが、「やさしさ」という観点ではやや物足りなさがあり、純正シャフトでRフレックスを選んでも、やや重めでつかまりがよいわけでもなく、「振りやすくてやさしいタイプ」とは言い切れない性能となっていました。
対して、テーラーメイドは日本市場限定とはいえ高評価のアベレージタイプ『GLOIRE』ブランドを展開しています。
できれば、2本の柱を搭載させた、やさしくて振りやすいアベレージタイプが欲しい、というキャロウェイファンのゴルファーの期待があるなか、翌年2018年にはあっさりとその期待に応えます。
新しいブランドとして『ROGUE(ローグ)』シリーズを発売。
アベレージタイプから順に、『ROGUE STAR』『ROGUE』『ROGUE SUBZERO』がラインナップ。後者の2つは少しアスリート寄りの性能となっていて、カチャカチャも搭載。
追加のカタチで、発売から数か月おいて、一番軽量タイプのシャフトを装着した『ROGUE STAR SPEEDSTAR』も発売。
4タイプとも、前年発売の『EPIC』シリーズとは明らかに違うテイスト。
「オートマチックな高弾道」と「つかまりの良さ」がイメージしやすいシャローフェース。
純正シャフトにも軽量タイプがラインナップされていたので、アベレージゴルファーにとっては選択肢が増えてくれたのが嬉しいところ。
ドライバーだけではなく、フェアウェイウッドにも2本の柱が搭載されたので、シリーズ全体の人気も一気に高まっていきました。
2019年 AIフェースの『EPICFLASH』シリーズが発売
初代『EPIC』、やさしさを備えた『ROGUE』。次はどんなモデルが出てくるのか。
いつの時代もそうですが、「もうクラブの性能の進化は限界を迎えたのでは…」というゴルファーたちの勝手な推測があるなか、最新テクノロジーの旗手としてのキャロウェイゴルフは、また期待を裏切らない機能を搭載した新作を発売します。
AIがつくった『フラッシュフェース』を搭載した『EPICFLASH』シリーズ。
なんと、飛距離をアップさせる、という課題をもとに、「AIが導き出した構造のフェースを搭載させた」という新機能。
フェース裏面の形状をみると、一目で納得。
幾何学的で、なんともいえない形状は、たしかに人間がつくりあげたものとは思えないものでした。
飛距離の性能、スライスを軽減させるつかまりの良さ、ミスヒットしたときの寛容性、すべてが前作を上回る高評価。
ただ、ROGUEシリーズほどのつかまりの良さはないものの、初代EPICよりはかなりやさしめのスペックとなっていたため、シリーズ全体としては、新たなタイプが加わります。
アベレージタイプから順に『EPICFLASH STAR』『EPICFLASH』『EPICFLASH SUBZERO』が標準のラインナップ。
そこに「ダブルダイヤモンド◆◆」「トリプルダイヤモンド◆◆◆」という、アスリートテイストがより一層濃い、ハードヒッター向けの低スピンタイプが増えました。
後者は、『トリプルダイヤ』という略称で、この後のキャロウェイのドライバーには、タイプのひとつとして定着することになります。
2020年 オレンジ色の『MAVRIK(マーベリック)』シリーズが発売
EPIC➡ROGUE➡EPIC、という順番できていたので、次もROGUEかと思いきや、まったく新しいブランド『MAVRIK』が登場。
カラーリングも、ここまでのグリーン系ではなく、まったく違うイメージのカラーとなるオレンジを採用。
変わったのはカラーリングや構えたときのイメージだけではありません。
『フラッシュフェース』がさらに進化して搭載されます。
実は、EPICFLASHシリーズまで、巷のゴルファーたちの間で囁かれていたモデルへのひとつの評価ポイントがありました。
「たしかに2本の柱は飛んでくれる、ただ2本の柱を外すと一気に飛距離が落ちてしまう」というものでした。
もちろんキャロウェイはメーカーとしては認めません。
ただ、MAVRIKが発売されてから、前作までの評価の話はすぐになくなりました。
結論、MAVRIKの性能が格段に進化、スイートエリアが思い切り広がっていたのです。
極端な表現をすると、「どこに当たっても飛んでくれる」という評判。
筆者は店頭にいて、試打をした方や、実際に購入した方達から生の声を聞いていましたが、そのときの表現は、「芯を外しても飛んでいく、信じられない」「どういう造りになっているの?」という驚きの声だらけ。
前作までのマイナスなポイントは一切聞くことがなくなり、オレンジ色のキャロウェイは、継続して大ヒットとなります。
そして、ラインナップのネーミングにも変化があります。
軽量級から順番に『MAVRIK MAXFAST』『MAVRIK MAX』『MAVRIK』『MAVRIK SUBZERO』『MAVRIK SUBZERO◆◆◆』。
この後に続いていく超軽量級のネーミング『MAXFAST』が登場したのも、このモデルからになります。
スタンダードで真ん中のタイプとなる『MAVRIK』は、カチャカチャも搭載。
「どこに当たっても飛んでいく」という驚異的な評判は、前作の販売もうわまわり、2本の柱『ジェイルブレイクテクノロジー』は圧倒的な機能のひとつとして、完全に定着しました。
2021年 ふたたび『EPIC』シリーズが登場
もう一度、EPICブランドが登場します。
今度は、2本の柱が、『ジェイルブレイクAIスピードフレームテクノロジー』というネーミングになりました。
具体的には、「2本の丸い柱」から「2本のフレーム」になります。
MAVRIKで格段にスイートエリアがひろがって、芯を多少外しても飛距離がロスされない驚きの性能になってからも、テクノロジーの進化にともない着実にさまざまな機能はアップしていきます。
ただ、今から2年前のこのモデルから、飛距離や寛容性の性能だけでなく、個々のタイプに明確な特色が持たされて、ひとつのシリーズのなかで、しっかりとしたカテゴリーができたかのような展開ラインナップになっていきます。
アスリートタイプの低スピンタイプ『EPIC MAX LS』、LSはロースピンの略で、この後のシリーズでも使われるネーミングになります。
そして、スタンダードな位置づけの『EPIC SPEED』と、ややつかまりの良い『EPIC MAX』。
ガラッと変わって、超軽量級の『EPIC MAXFAST』。
ひとつひとつの性能のすごさはもちろんですが、個々のゴルファーが自分に合ったタイプをチョイスできるように、ラインナップをわかりやすくしていったのが、この代の特徴でもあります。
2022年 『ROGUE ST』シリーズが登場
ROGUEブランドが再び登場。『ROGUE ST』の「ST」は「スピードチューン」の略。
その名のとおり、今作は「スピードの最適化」が最大の特徴となっています。
前年のEPICシリーズと同じく4タイプのラインナップではありますが、それぞれの特徴に合わせて「打ち出し角とスピン量をも最適に」というとんでもない機能の進化をさせたモデルです。
そして、直進性の向上とミスヒットを助ける慣性モーメントもアップ。
スライド式のウェイト調整機能ではなく、シリーズ全作がヘッド後部への固定式のタングステンカートリッジになっています。
これにより、キャロウェイドライバー史上、最も最外周にウェイトをもってくることができ、重心を深くすることに成功。ともない慣性モーメントも最大に、というコンセプト。
つまり4タイプのモデルが、個々のゴルファーにあわせるべく、それぞれにすでに調整された機能を有していて、なおかつ高い完成度で飛距離と寛容性の性能をも持っているというシリーズです。
2023年 新ブランド『PARADYM』が登場
最新モデルとして、新ブランド『PARADYM(パラダイム)』が誕生しました。
今度の新テクノロジーは「360°カーボンシャーシ」。
フェースと後方部分をつなぐボディに業界初となる「カーボンシャーシ」を搭載、というこれまた驚きの新機能。
従来のチタンボディにくらべて44%も軽量になっているので、その分のフリーウェイトが生まれて、後方部分のウェイトが増量されて慣性モーメントがさらにアップ。
また、モデルネーミングが変わったことの理由には、2本の柱に変化があったことも挙げられるかもしれません。
2本のフレームになったジェイルブレイクテクノロジーは、さらなる軽量化をはかるべく、Y字型の1本のフレームとなりました。その分25%もの軽量化に成功ということですから、さまざまな機能において、さらなる進化をとげたモデルとなっています。
まとめ
「飛距離を伸ばすこと」「フェアウェイをとらえること」という、ドライバーに必要な2つの要素を満たしながら、近年のキャロウェイのプロダクトは、もうひとつ上のステップに行こうとしています。
個々のゴルファーに合わせたモデルをつくること。
低スピンのヘッド、つかまりのよいヘッド、全体が軽量タイプのモデル。
そこにシャフトのタイプや重量とフレックスを組み合わせれば、掛け合わせると相当なパターンのクラブが出来上がることになります。
ゴルファーがクラブに合わせるのではなく、自分に合ったタイプのクラブを探すことができる。
アイアンやパターでは先んじているメーカーがありましたが、ドライバーの分野でもそれが可能になってきています。
キャロウェイ以外の主要なメーカーもそのステップにきていますが、2022年発売の『ROGUE ST』シリーズをみると、キャロウェイがややリードしている印象を強く感じます。
キャロウェイのドライバーを使ってみたい、というゴルファーのかた。
これから中古市場のモデルをお探しになると思います。
価格はもちろん大事ですし、年式もそれによって決まってきます。
ただ、冒頭にお伝えしたように、近年はどのモデルも高評価ですから、大事なのはヘッドのタイプの選び方です。
低スピンタイプ、つかまりの良いタイプ、さまざまなタイプがあります。
あなたのスイングや球筋、プレースタイルに合ったクラブを探してみてください。
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