ミズノの『MPシリーズ』アイアンの歴代モデル さまざまなタイプのおすすめ中古モデル「名器」をご紹介

アイアン
202212192

ゴルフの人気メーカーは国内・海外にたくさんあります。

国産では「ゼクシオ」や「スリクソン」を擁する『ダンロップ』、スピン系ボールに人気モデル「TOUR B」をラインナップしている『ブリヂストン』などが有名どころとなりますが、そのなかに日本ゴルフメーカーの老舗ともいえる『ミズノ』があります。

総合ゴルフメーカーではありますが、長い歴史のなかで存在感をしめしているのは、なんといってもアイアン。

特に軟鉄鍛造のフォージドアイアン、独自の製法から造りだされる打感の良さは、世界中のトーナメントプロからトップクラスの高い評価を得ています。

今回は、1990年代に誕生して、2016年まで継続していたアスリートタイプ『MP』シリーズから、さまざまなタイプのおすすめ中古モデル「名器」をご紹介します。

プロフィール

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日本が世界に誇るアイアンの超一流ブランド『MP』

ミズノはゴルフの国産メーカーの中でも、トップクラスの長い歴史をもっています。

ゴルフクラブの販売を1930年代から始めているくらいですから、老舗中の老舗といえるでしょう。

ドライバーのヘッド素材がパーシモンだったときから市場での人気は高かったようですが、カテゴリー別では、アイアンの評価が突出していました。

それは国内にとどまらず世界のトップクラスのツアープロが使用するほど。

1980年代でいえば、世界のメジャー大会で圧倒的な強さを誇っていたニック・ファルドがMPシリーズの前身ともいえる『MS』シリーズを使用していましたし、皆さまご存じの現代のスーパースター、タイガー・ウッズがアマチュアの頃から使用していたことも広く知られています。

海外で活躍する日本人プレーヤーはいましたが、それが理由でそれほど広まっていたとは思えません。

今現在ほどの情報量がない時代に海外の超一流選手が使用するということは、それくらいプロダクトのクオリティが高かった証拠でしょう。

1990年代半ばからは、ブランドネーミングを『MP』にかえて、世界のトッププロが続々と使い始めたことをきっかけとして、2000年代には日本国内でも満を持して登場します。

2001年に最初のモデル『MP-33』が発売されます。

USPGAツアーですでに高い評価を得ていた『MP-14』や『MP-29』のイイトコどりのモデルは、バリバリのマッスルバック。

造りはもちろん軟鉄鍛造で、販売されていた番手(本数)は3番からPWまで。5番が28度、PWが48度というロフト設定ですから、番手といいロフトといい、時代背景がよくわかりますよね。

2002年にはMPシリーズ初のハーフキャビティ『MP-30』が発売。

以降、マッスルバックとハーフキャビティがややテイストを変えながら、しかしMPらしさは継続、ロフト設定もノーマルロフトのまま、2010年まで毎年NEWモデルが発売されていきます。

マッスルバックだけでなく複合構造などのストロングロフト設定のモデルもあります

2010年代に入ると、プロダクトのタイプ、ラインナップに変化があらわれます。

2011年に発売された『MP-59』はキャビティ部にチタンを圧入した『デュアルマッスルチタン構造』という複合ヘッド。

フルキャビティ同等のスイートエリアを実現できるという構造は、2009年の発売された『MP-58』ですでに採用されていましたが、この『MP-59』が画期的だったのは、ついにMPシリーズでストロングロフト設定が採用されたこと。

5番で25度、PWで46度ですから控えめなストロングロフトではありますが、バリバリのアスリートタイプとしてトップクラスの存在感を誇っていたMPブランドとしては、大いなる変革といえるでしょう

そして、2013年には「アンダーカットキャビティ」というミズノ独自のテクノロジーネーミングが搭載された『MP-54』が発売。

ネーミングとしては独自性がありますが、一般的に表現すれば、ほぼポケットキャビティです。MPシリーズとしては意外ともいえる構造のうえに、こちらもストロングロフトの設定。

同時期発売のモデルに、バリバリのマッスルバック『MP-4』がありましたから、MPブランドそのものが完全に路線を変更したわけではありませんが、2014年には『深重心+高弾道』というストロングポイントを有して、やさしさがアピールされた『MP-H5』が発売されましたから、ブランド戦略の変化は明らか。

軟鉄鍛造、コンパクトなヘッド形状、コントロール性能重視、というアスリートタイプだけでなく、複合構造、ストロングロフトといった幅広いゴルファーが使える要素が加わり、MPブランドは大きく変革していきました。

世界最高級の打感を可能にする『グレインフローフォージド製法』

2016年にキャビティバック構造の『MP-66』が発売されて、MPブランドは終了し、その後は『ミズノプロ』ブランドへと移行していきます。

MPシリーズは15年間で合計25モデルを発売しましたが、そのうちの8モデルがマッスルバックでしたから、ブランドのテイストがアスリートタイプだったことは間違いないでしょう。

その証拠に、複合構造やキャビティ構造が採用されたモデルが多数でてきた経緯のなかにあっても、軟鉄素材を採用した「打感の良さ」と、構えたときにコントロール性をイメージしやすいスタイリッシュなヘッドシェイプだけは崩しませんでした。

特に、極上ともいえる打感の良さは、ミズノが誇るアイアンヘッドの製法『グレインフローフォージド』が可能にしています。

1本の軟鉄の丸棒から、気が遠くなるようなたくさんの工程を経て造り出されるアイアンのヘッドは、鍛流線を途切れさせないように金属組織の流れが守られるので、打感と打音が唯一無二の極上のものとして仕上がります。

他のメーカーのさまざまなモデルでも、フィーリングの良さがアピールされているものはあります。

ただ、「最高級の打感の良さを味わってみたい」というゴルファーには、まずはミズノアイアンをおすすめします。ゴルフ人生において一度は使ってみてほしいフィーリングです。

過去の歴代モデルの中からおすすめモデルをご紹介

先にお伝えしたとおり、計25モデルが発売されたMPシリーズですが、そのなかでも際立ったストロングポイントをもち、評価が高かったモデルをご紹介したいと思います。

年式が古すぎると、性能以前に中古市場の在庫がありませんので、その点もふまえたご紹介となっています。

MP-64

MP-64

2012年、今から10年以上前に発売されたモデルなので、中古市場の在庫は決して多くありませんが、MPシリーズのなかでは外せないモデルになります。

ルーク・ドナルドが監修したモデル。

欧米のツアーで賞金王になり、世界ランクナンバーワンにいたこともある選手でもあり、なによりもアイアンの名手として知られた選手です。

その超一流のショットメーカーが監修したモデルですから、クオリティの高さは推して知るべしでしょう。

「ニューダイアモンドマッスルアイアン」というネーミングがついたモデルですが、形状としては浅めのキャビティバック構造。

ソールに丸みをもたせ、抜けのよさを重視したヘッドデザインは、この後のモデルたちにも引き継がれていくほど高評価となりました。

5番で27度、PWで46度ですから、ロフト設定はさすがのノーマルなアスリートタイプ。

構えた印象もコンパクトなヘッドシェイプですし、位置づけとしては明らかに上級者むけのタイプといえるでしょう。

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MP-59

MP-59

2011年に発売したモデルです。

先にお伝えした『デュアルマッスルチタン構造』という複合構造。

キャビティ部にチタンを圧入した構造は、コンパクトでシャープなヘッドサイズでありながら、打感の良さとミスヒットを助けてくれる寛容性の両方を持ち合わせたモデルとして、高い評価を得ていました。

さらには、シリーズ初のストロングロフト採用、という特徴は、年式が古いこともあり、こちらも決して中古市場在庫は多くありませんが、おすすめから外すことができませんでした。

先ほどご紹介した、翌年発売の『MP-64』はルーク・ドナルドが監修したモデルですが、このモデルのほうが前に発売したこともあり、使用実績があるモデルです。

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MP-54

2013年に発売したモデルです。少しだけ新しいこともあり、先の2モデルよりも少しだけ在庫が多いですが、理由はそこだけではありません。

特徴は、『ストロングロフト』『ポケットキャビティ』

「軟鉄鍛造アイアンの最高峰を使ってみたい」「極上といわれる打感の良さを味わってみたい」というゴルファーたちのニーズが確かにありました。

ただ、MPシリーズはマッスルバックやハーフキャビティの形状がほとんど。

明らかにアスリートゴルファーに限定されたイメージがありましたから、敷居の高さは誰もが感じているところでもあり、手に入れることには勇気が必要でした。

そんな中、ポケットキャビティのやさしさとストロングロフト設定による飛距離面のサポート力をもったモデルが現れたのです。

まさに「待ってました!」という感じでしょう。

同年代に発売されていた他のメーカーのアスリートタイプと比較しても、在庫量には極端な違いはありませんし、このタイプのニーズがいかに高かったのかがわかります。

世界最高峰ともいわれるフィーリングを味わってみたい、でもできればやさしいモデルを使いたいという方には、おすすめの逸品です。

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MP-5

2015年に発売されたモデルです。

MPシリーズとしては、最後のマッスルバック形状のモデルとなります。

ロフト設定は、5番で27度、PWで46度ですから、バリバリのアスリートタイプといえるでしょう。

ただ、当時のメーカーのアピールポイントとして「打感の良さと打ちやすさを両立したニューマッスルバックアイアン」という表現が使われています。

打感の良さはもちろんでしょうが、「MPシリーズ」「マッスルバック」というキーワードの横に「打ちやすさ」というポイントは加わったことは、『MP-54』などのようなポケットキャビティタイプだけでなく、マッスルバックでさえも幅広いゴルファーに使ってもらいたい、というメーカー側のインフォメーション、ニュアンスが伝わってきます。

そのイメージは、バックフェースのビジュアルでもわかりやすくしてくれています。

シンプルにフラットなマッスルバックではなく、明らかに何かの工夫が施されているであろう特徴のある形状。

重心深度、トゥ・ヒール慣性モーメント、アップダウン慣性モーメント、スイートエリア値など、それまでのマッスルバックタイプと比較してすべての数値が上回っています。

コンパクトでシャープなヘッドシェイプは、アスリートタイプらしいコントロール性能と構えやすさを持っていますが、それでいて慣性モーメントがアップされて寛容性も上がっているという特徴。

すでに発売から数年が経過しているモデルではありますが、この年式のマッスルバックとしてはイチ推しに入るモデルだと思います。

まとめ

ミズノの『MP』シリーズ。

前述したとおり、マッスルバックやハーフキャビティのような形状が多いことと、軟鉄鍛造のフィーリングとコントロール性重視のヘッドシェイプがシリーズの最たるストロングポイントでもあり、上級者しか使えないというイメージがありました。

ただ、おすすめとしてご紹介した『MP-59』や『MP-54』、そのほかにも2012年に発売された『MP-H4』というモデルもあり、「ひたすら難しい」「アスリートゴルファーに限定された」というシリーズでは決してありません。

中古市場を見渡しても、重量級シャフトの「ダイナミックゴールド」だけでなく、軽量スチールとして幅広いゴルファーが使える「NSプロ950GH」が装着されている品もたくさんあるくらいです。

アイアンを選ぶときのポイントはたくさんありますが、打感や打音などのフィーリング面は優先順位の上位に入ると思います。

長いゴルフ人生、一度「最上級の打感とは」を知る意味で、そして年式のおかげもありコストパフォーマンスも抜群のミズノの『MP』シリーズ、一度試してみてはいかがでしょうか。

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