「飛んでくれるのはいいけど、ヘッドが大き過ぎて…」
店頭で60代70代の年代の方に、「飛び系アイアン」をオススメしたときに、このようなご返答を頂くことが多々ありました。
アイアンに「やさしさ溢れる性能」と「見た目の安心感」を追求すると、どうしても「ボテッと」したヘッドになってしまう。事実、人気メーカーが発売していたアベレージタイプに類いされるアイアンのほとんどが、ラージサイズといっていいヘッドフォルムをしていました。
ですが、ゴルフクラブのメーカーも頑張っています。さまざまなゴルファーの期待に応えるべく、凄まじいスピードで「多様化」を進めてくれています。
今回ご紹介するのは「飛び系」なのにマッスルバックみたいなヘッドをしたアイアン、PINGの『i525』。
2022年に発売、この記事配信時点からいえば2年前に発売したばかり、そのため中古のマーケットでもまだまだ高値がついています【2024年11月時点(最安値47,000円前後、最高値160,000円前後)】。ですが、年式が新しいだけに、装着シャフトの種類も豊富、とくに嬉しいのがトレンドとなりつつある「超軽量スチール」があること。
記事の終盤には、中古マーケットのインフォメーションもご案内していますので、興味をもった方はぜひ検索してみてくださいね。
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飛んでくれるのはいいけどヘッドが大き過ぎる…
2010年代に出現した「飛び系」というカテゴリー。ロフトが2番手分たっていて、その分飛距離を出してくれるというありがたいタイプ。
これまで5番で打っていたところを7番で打つことができる、という考え方になりがちですが、それだけならば、ここまで圧倒的な存在になることはなかったでしょう。
飛んでくれるだけではない突出したストロングポイント。
とにかく「やさしい」、そして「高弾道」。
大きなヘッドサイズと、「これでもか」というくらいに深いフルキャビティ構造と低重心。
多少芯を外したくらいではビクともしない、距離のロスが少なくしてくれる高い寛容性と、球を勝手に上げてくれる低重心という機能は、グリーンをとらえるために必要なあらゆる要素を満たしてくれていました。
機能と安心感を追求するとボテッとしたヘッドに
大きなヘッドサイズのアイアンは、性能面だけでなく、心理的なプラスの効果もあります。
ヘッドが大きいと「少しくらいミスをしても大丈夫さ」という安心感が生まれます。比例してリラックスにもつながり、ナイスショットの確率も上がっていく。
相乗効果とはこのことでしょう、スイングの安定感は増しますし、パーオン率はグッとあがっていくことにつながっていきます。
ですが、アイアンというアイテムに「構えやすさ」や「操作性」を求めるゴルファーにとっては、完全に真逆な効果が生じてしまいます。
シンプルに「大き過ぎる」「構えにくい」というマイナスなイメージ。
とくに長年ゴルフをされている方で、かつてはコンパクトなヘッドサイズのアイアンを使っていた方はなおさらでしょう。
「飛んでくれる」「ミスを助けてくれる」という機能は求めたいけど、「ボテッとした」ヘッドフォルムはどうしても馴染めない。
こういったご意見、決して少数派ではありません。筆者自身、たくさんの諸先輩方からお聞きしているニーズのひとつでもあります。
凄まじいスピードで浸透しているクラブの多様化
ドライバーからウェッジ、パターに至るまで、ゴルフクラブという道具のすべてにおいて、求められる機能は凄まじいスピードで進化しています。
それは「多様化」という意味合いにおいても同じく。
以前は「やさしい」と「むずかしい」という2つのカテゴライズだけだったのが、今では実に多種多様な選択肢が用意されています。
そもそも「飛び系」というカテゴリーも、20年前には想像もつきませんでしたよね。
ロフトをたてれば飛んでいく、当たり前の理屈ですが、それでは球が上がらない。つまりグリーンに止めることができない。
打ち方で上げるか、手前から転がすか、という選択肢しかなかったのが、クラブの機能がそれを可能にしてくれる。
そして、その機能を求めるゴルファーにとっては、ラウンドのマネジメントの質が変わっていく。
クラブの多様化は、ゴルフというスポーツの全容をガラッと変えてくれていますし、もともと老若男女が楽しめる要素が多かったスポーツが、さらに進化してくれた感があります。
飛び系なのにマッスルバックみたいなヘッド
2018年に登場した「飛び系ブレード」という新ジャンル。
『ⅰ500』というモデルは、言われなければ誰も気づかないくらいのマッスルバックの形状。
フラットなバックフェースとシャープなヘッドフォルムは、驚きの中空構造で、しかも飛び系のロフト設定。
ボール初速を上げてくれるフェース素材に、中空構造ならではの高い寛容性は、その斬新さとともに、話題性は充分。
新作として販売されていた当時、価格が高額の部類に入っていたにも関わらず、人気が凄すぎて生産が間に合わなかったほど。
ジャンルが新しいだけに、このモデルに魅力を感じたゴルファーからは、「もっとイイものを」という期待と、「無くならないで」という希望の両方がありましたが、期待と希望は、少し開発期間を費やし、4年後の2022年に叶います。
『i525』が発売。見事に進化した「飛び系」。「ちょいブレード」というキャッチフレーズに変わりはしましたが、シャープなヘッドフォルムはそのままに、「飛び系らしさ」が溢れる性能は確実なパワーアップを果たしていました。
『ⅰ500』が6年前、『ⅰ525』が2年前の発売なので、すでに新ジャンルは浸透した感がありますが、考えてみればスゴイことなんですよね。
見た目はマッスルバックに近い、構えたイメージは、そのままトーナメントプロが使っていても不思議ではないくらい。
なのに、ロフト設定は飛び系で、多少のミスにも動じないやさしさ溢れる性能。
このジャンル、完全に市民権を得た証拠に、2024年には3代目の位置づけともいえる『ⅰ530』が発売されています。
さすがに中古品の在庫はまだまだ少数ですが、確かな進化を感じさせてくれるモデルとなっています。
カーボンを超える魅力「超軽量スチール」という選択肢
スチールシャフトの主流は、「ダイナミックゴールド」(以下DG)、「N.S.PRO950GH」(以下950)、「N.S.PRO MODUS3 TOUR105」(以下MODUS)の3タイプ。
ここに「N.S.PRO950GHneo」(以下950ネオ)が加わり、日本市場では長らく継続していたスチールシャフトの主要モデルたちにも、アイアンに飛び系が登場してきたように、多様化が進んでいます。
「超軽量」タイプの出現。
DGには「DG105」や「DG85」のようなタイプまで登場し、950ネオには、さらに軽い「N.S.PRO850GHneo」まで登場。
カーボンシャフトとの決定的な違いは「重さ」と「フィーリング」。
長年スチールシャフトのフィーリングに馴染んできたゴルファーにとって、軽くて振りやすいカーボンよりも、ある程度の重さを感じる超軽量スチールのほうが、すんなり移行しやすい。
カテゴリーは飛び系、そして2年前の発売、ということもあり、中古のマーケットには「超軽量」スチール装着の品が多数あります!
とくに『850ネオ』、選択肢が豊富ですよ、番手構成もさまざまです。
2年前発売なので中古品もまだまだ高値 でも豊富な在庫量
冒頭にお伝えしたように、決してコストパフォーマンスがいいとはいえません。
最安値で5万円未満の品もありますが、本当にごくわずか。6万円未満の品もまだまだ少数派なくらいです。
中古でアイアンセットを購入するとしては、かなり高額の部類に入ってしまうでしょう。
唯一のプラスなポイント、在庫量が豊富なこと!
装着シャフトも番手構成も、じつにさまざま。実際に購入するときには選択肢が多すぎるくらいかもしれません。
コチラでは、主要な装着シャフト別の在庫【ゴルフドゥ公式サイト】をご案内しますので、よろしければ検索してみてくださいね。
まとめ
ドライバーとアイアンセットを比較すると、買い替えの頻度は明らかにドライバーのほうが上でしょう。
価格のこともありますが、アイアンのほうが慣れるまで時間がかかるということも理由になります。
グリーンに乗せるのが目的ですからね、距離と方向の双方が嚙み合わないとスコアにつながりません、大事な大事なアイテムです。
「飛び系」「スタイリッシュ」「豊富な選択肢」、3つのキーワードにあてはまるモデルとしては最上級のモデルかと思いますよ。
ぜひ色々と検索してみてくださいね。
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