「人気メーカーのテーラーメイドのアイアンを使ってみたい。でも選び方がわからない、過去のおすすめモデルは?」
「せっかく中古を買うなら、歴代モデルでランキング上位の「名器」といわれたアイアンセットを選びたい」
今回は、上記のようなお悩みをお持ちのゴルファーの皆さまに、テーラーメイドの歴代アイアンについてご説明していきたいと思います。
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2000年代のテーラーメイドのアイアン
ドライバーのカテゴリーにおいては、間違いなく世界のトップクラスに君臨し続けているテーラーメイド。
メタルウッドの時代からチタンへと移り変わり、ヘッドの体積も大型化していき、さまざまな機能をバージョンアップさせて、つねにゴルファーの期待を上回るパフォーマンスを提供してきてくれたテーラーメイド。
ですが、アイアンのカテゴリーでは、ちょっと様相が違いました。
決して低迷していたというわけではありませんが、海外メーカーでいえばタイトリストのほうがファンが多く、日本国内では「軟鉄鍛造」という特有の好みに応じて開発を進めていたミズノやダンロップなどのほうが一歩先に進んでいて、ウッド系のカテゴリーと比較してしまうと、やや後塵を拝していた感は否めませんでした。
2000年代、ドライバーのカテゴリーでは『R7』や『R9』、そして『BURNER(バーナー)』というスペシャルヒットを次々に飛ばしていましたが、アイアンで同ブランドのモデルを発売しても同様のヒットにはつながらず。
2008年に発売された『TOUR PREFERRED(ツアープリファード)』は、ロフト設定もノーマルで、装着シャフトのラインナップもスチールシャフトのみ。テイストは完全にアスリートタイプでしたが、マーケットにおける存在感は、今とは比較しようもないほど。
2020年以降の隆盛ぶりを考えると信じられないかもしれませんが、2010年より前は「テーラーメイドといえばドライバー」という概念のほうが圧倒的に強く、アイアンセットのカテゴリーでは「名器といえるようなおすすめモデルはない」といっても過言ではないような状況でした。
2010年代のテーラーメイドのアイアン
2010年代に入ると、マーケット状況に少し変化がみられます。
要因は、『ロケットボールズ』と『GLOIRE(グローレ)』という2つのブランド。
かつての『BURNER』がヒットした理由は、ドライバーに「ハンマーバランス」という概念を誕生させたからです。
スイングウェイト、いわゆる「バランス」は、ドライバーにかんしていえば「D1」や「D2」くらいがスタンダードだった時代。
そこに、ヘッドの重さをきかせた「D5」くらいのバランスのドライバーを登場させたのです。
重さを利用してスイングすることで、相性が合うゴルファーは飛距離が伸びる。
操作性よりも飛距離が優先された感はありましたが、ゴルファー人口全体でいえば、明らかにニーズは高く、「BURNER」のブランドは少しテイストを変えながら、いくつかのモデルを発売し続けたほどの人気を確保していました。
そして、その流れを汲んだ新しいブランドが2012年に登場します。
『RocketBallz(ロケットボールズ)』。略して『RBZ』
このブランドが空前の大ヒットを記録した理由は、フェアウェイウッドの存在。
フェアウェイウッド(FW)も飛ばしたいアイテムではありましたが、その性能はドライバーのほうが当たり前のように注目されていたので、FWのカテゴリーで飛距離に着目したモデルを発売したことは、ゴルファーの好奇心をくすぐるのに充分でした。
FWのカテゴリーで、「ぶっ飛び系」というキーワードが瞬く間に確立。
フェース後方に「スピードポケット」とよばれる凹み、スペースを造ったことで、反発力と低スピン化を生み出し、「飛ぶフェアウェイウッド」という新ジャンルがあっという間に市民権を得ます。
テーラーメイドの凄いところは、このテクノロジーをアイアンにも搭載したこと。
間髪おかずに発売された『RocketBladez(ロケットブレイズ)』アイアンには、FW同様のスピードポケットが搭載。
フェアウェイウッドほどではありませんが、アイアンのカテゴリーでも「飛距離アップ」のテクノロジーをアピールすることに成功します。
そして同時期に誕生した日本市場限定のブランド『GLOIRE(グローレ)』は、当時アベレージタイプのカテゴリーでは独壇場となっていたダンロップの『XXIO(ゼクシオ)』に対抗して登場してきたこともあり、アイアンのジャンルでも飛距離アップのアピールは不可欠。
「グローレアイアン」に当たり前のように搭載された、アイアンヘッドの「スピードポケット」は、10年以上経過した今でも、飛距離を追求するモデルに搭載されているほど。
アイアンのカテゴリーでも「革新的テクノロジー」によって印象を強くすることに成功したテーラーメイドは、2010年代後半、満を持して現在の隆盛につながるシリーズを発売します。
2017年、『P700シリーズ』が登場するのです。
P700シリーズがトップブランドとして定着
先にお伝えした『RBZ』の流れは、ウッド系で『M2』などの新しいブランドネーミングが登場するたびに同ブランドで展開されます。ただ、ウッド系はトーナメントプロが使用するテイストであるのに対し、アイアンはややアベレージタイプの色が濃い。
その意味では、同じく継続していた『GLOIRE』ブランドに近いジャンルとして認識されていました。
そうなると、トーナメントプロや上級者、アイアンにコントロール性などのパフォーマンスを求めるゴルファーにとっては、どうしてもラインナップに不足があります。
それを満たすために登場したのが『P700シリーズ』です。
同時期のウッド系は、『M3』『M4』の時代。
『P700』シリーズのアイアンとしては、4タイプをラインナップしていました。
なにしろニーズはアスリート系です、3タイプはマッスルバックとハーフキャビティ、ロフト設定もノーマルでしたが、ひとつだけストロングロフトの中空構造のモデルがありました。
それが『P790』アイアン。
本格派の顔立ちをしているのに、ストロングロフト。そして先にご紹介した「スピードポケット」も搭載。
つまり、この数年のトレンドとなっている「アスリートテイストのやさしいアイアン」の典型的ともいえるモデルを発売したのです。
他のメーカーの現行モデルでいえば、ダンロップの『SRIXON ZX5MkⅡ』、タイトリストの『T150』、キャロウェイの『X-FORGED STAR』というところでしょうか。
構えたときには、スタイリッシュでシャープなフォルム、操作性のイメージも持たせてくれる。
それでいて、性能としては多少のミスヒットも許容してくれるサポート力を持ち合わせていて、飛距離の面でも助けてくれるストロングロフト設定。
このテイストが、幅広い層のゴルファーから圧倒的な支持を得ている現在のアイアン市場。
2017年の発売ですから、いまから7年前、テーラーメイドがアイアンのマーケットにおいて主導権を握るきっかけともなったモデルといえるでしょう。
タイガー・ウッズがテーラーメイドとクラブ契約
2017年には、もうひとつ、テーラーメイドの販売状況を一変させる出来事がおきます。
タイガー・ウッズがテーラーメイドとクラブ契約。
2000年代の全盛期ほどではないにせよ、まだまだスーパースターの存在感はたっぷり。
そして、なによりも「アイアンの名手」としても名高いプロとの契約は、宣伝などのジャンルによる知名度アップ以上に、メーカーに恩恵をもたらします。
道具にも人一倍のこだわりがあるタイガー・ウッズ。それは一風変わった好みではなく、アイアンにコントロール性を求めるプロ中のプロの要求でもあり、メーカーのクラブ開発陣は全力でそれに応えます。
2019年、マスターズを制したときには、ほぼパーソナルモデルといっていい『P・7 TW』を使用。マッスルバックのシャープなフォルムは、いかにもアイアンの名手が好みそうなテイストになっていて、久々のメジャー制覇は、メーカーの開発陣が見事に期待に応えた結果であるともいえるでしょう。
その成果は、マッスルバックなどの、バリバリのアスリートタイプにだけ反映したわけではありません。
この年代以降、『P790』というモデルを中心に、『P700シリーズ』はさらに充実していきます。
2020年以降のテーラーメイドのアイアン
2020年、この年のグローバルモデルとしては『SIM』ブランドが登場しています。
アイアンでも同ブランドは展開され、さらにはグローレブランドでも『SIM GLOIRE(シムグローレ)』が発売。
これ以上ないほどに豊富なラインナップとなってきたテーラーメイドのアイアンは、新たな『P700シリーズ』を登場させます。
しっかりとカテゴライズされたモデルを4タイプ。
中空構造でストロングロフト、やや大きめサイズの『P790』。
同じく中空構造でストロングロフト、ただ『P790』よりもトップブレードが薄くコンパクトなヘッドサイズでグースも少ない『P770』。
この2つには、スタンダードな機能として定着した「スピードポケット」も搭載されています。
あとの2つはノーマルロフト設定、コテコテのアスリートタイプ。
ハーフキャビティ形状、低重心のイメージはまったく感じられないコンパクトなヘッドサイズの『P・7MC』。
そして完全なマッスルバックの『P・7MB』、先の2つが軟鉄鋳造でタングステンウェイトが搭載された中空構造であるのに対し、あとの2つは混じり気ナシの軟鉄鍛造ですから、とてもわかりやすくカテゴライズされた4タイプであるともいえるでしょう。
アベレージタイプとアスリートタイプ。
前者は『SIM GLOIRE』から『STEALTH GLOIRE』へ、そして『SIM』から『STEALTH』へ。
後者は、2023年に新たな『P700シリーズ』を発売。
多種多様なゴルファーがいて、無数のニーズがあったとしても、その全てに応えられるかのような豊富なラインナップになったテーラーメイドのアイアンモデルは、多様性があるだけでなく、個々のパフォーマンスにおいて高い評価も得ています。
テーラーメイドのファンに方にとっては一言、「選びがいがある」という嬉しい状況かと思います。
各年代における各カテゴリーのおすすめモデルをご紹介
年代別にみていくと、自然にコストパフォーマンスに違いが出てきます。
2010年発売のモデルと2020年発売では、自ずと価格に差がありますからね。
ここからは、カテゴリーを4つのタイプにわけて、年代ごとのおすすめモデルをご紹介していきたいと思います。
アベレージタイプとセミアベレージタイプ。2015年から2020年の期間での例としては、『M GLOIRE』と『M2 2017モデル』。
そしてセミアスリートタイプとリアルアスリートと勝手にネーミングさせてもらいますが、同じ期間でいえば『P790 2019モデル』と『P・7 MC』。
この4種類のカテゴリーのなかで、過去に高評価を得ていて、かつ、中古市場に選べるくらいの在庫があるモデルを対象としてピックアップしてご紹介していきます。
アベレージタイプ 『SIM GLOIRE』
2020年に発売されたモデルです。
この前のモデルには『M GLOIRE』、次のモデルとしては『STEALTH GLOIRE』があります。
このカテゴリーのモデルは、どの代も高評価をえていて、中古市場の在庫も少なくありません。
ロフト設定やシャフトラインナップをみるとわかるとおり、完全な「飛び系」で、コンセプトは「軽量」「振りやすい」「高弾道」というアベレージタイプのお手本のようなモデルでもあります。
セミアベレージタイプ 『M6』
2019年に発売されたモデルです。
ドライバーの『M6』は、「スピードインジェクション」というルール内で高い反発係数を設定できたテーラーメイド独自のテクノロジーが搭載されたモデルで、2010年代の代表的なヒットモデルにもなっています。
ややアスリートテイストの『M5』と、少しつかまりのイイ『M6』、ドライバーもアイアンもコンセプトがわかりやすくカテゴライズされていたので、販売量は圧倒的な差をつけて『M6』のほうが上回っていました。
ロフト設定としては「飛び系」の部類に入るのですが、中古市場をみるとスチールシャフト装着の品とカーボンシャフト装着の品が半々。
どちらかといえば、ヘッドスピードが40m/s以上のゴルファーから支持されていた感があります。
年式のこともあり、コストパフォーマンスもイイ感じです。
セミアスリートタイプ 『P790』2019モデル
2019年に発売されたモデルです。
前述したとおり、『P700シリーズ』の地位を確立させたモデルといってもいいでしょう。
やや飛距離重視のストロングロフトの設定。
中空構造と「スピードポケット」で、ミスヒットへのサポート力も抜群。
とはいいながら、心地よいサウンドとフィーリングはアスリート好みの大事なポイント、独自のテクノロジーとして「SPEEDFOAM充填剤」を採用。
なにもかもが、いま現在のトレンドに沿ったプロダクトになっているといえます。
ヘッドシェイプも中空とは思えないほどのシャープさで、グーズも少なめ。
そして装着シャフトもスチールがメイン。「ダイナミックゴールド120VSS」と「N.S.PRO MODUS105」が主力級ですから、使い手はブンブン振る人。
ある程度の重めのしっかりしたスペックを希望し、でもヘッドにはやさしさと飛距離性能も求めたいゴルファーに最適解とも言えてしまうようなモデルかと思います。
リアルアスリートタイプ 『P・7 MC』
2020年に発売されたモデルです。
ですから中古市場でも、まだまだ高値。ただ、テーラーメイドが本格的に世のアスリートゴルファーにむけて発売したハーフキャビティのアイアンです。決してやさしさは感じられないタイプなのに中古市場の在庫が少なくないことが、推奨の理由です。
アイアンに、少しでも寛容性や飛距離のサポート力をもとめる方にはオススメできません。
軟鉄鍛造のサウンドとフィーリング、そしてノーマルロフトによる弾道のコントロールと、ドローフェードの球さばき。
このパフォーマンスを求めるゴルファーに推奨するモデルです。
もちろん装着シャフトはスチールのみ。
まとめ
ドライバーに数々の革新的なテクノロジーを搭載させ、その恩恵でパフォーマンスアップした魅力的なモデルを造り出してきたテーラーメイドです。
通常はテクノロジーをバージョンアップさせるのがむずかしいアイアンというアイテムに、「スピードポケット」という見た目にもイメージとしてもわかりやすい独自のテクノロジーを登場させたのは、アイアンのマーケットにおいて見逃せない実績といえます。
タイトリストやスリクソン、そしてミズノなど、それぞれにオリジナルのストロングポイントをアピールして、存在感を継続させています。
その中でのテーラーメイドは、独自のテクノロジーの開発や、タイガー・ウッズとのクラブ契約を経て、もはやアイアン市場における脇役ではなく、主役争いのど真ん中にいるといってもいいでしょう。
ゴルフ歴のなかで、とにかく一度は使ってみてもらいたい。自信をもって、そんなオススメをできるモデルたちがたくさんあります。是非いろいろと検索してみてくださいね。
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