ドライバーやアイアン、ボールにいたるまで、アスリートタイプとしてはトップクラスの大人気ブランドとなった『SRIXON(スリクソン)』。
そのなかでも、世界的なアイアンの名手である松山英樹プロがアマチュア時代から使用していたというアイアンは、とくに評価が高い。
しかも、ツアープロや上級者が使う機能のモデルだけでなく、ミスヒットを助けてくれる寛容性や、ストロングロフト設定で飛距離面もサポートしてくれるやさしいモデルがあるのも、SRIXONブランドの特徴です。
そんな幅広いゴルファーから人気が高いSRIXONの歴代モデルの中から、名器といわれる高性能で高評価だった中古モデルをご紹介します。
※本ページにはプロモーションが含まれています
いまでは世界でも評価の高いブランドですがデビュー当時は苦戦していました
SRIXON(スリクソン)。
今や、ゴルフをしていて知らない人はいないほどの、超一流の存在になったブランドです。
ブランド自体が誕生したのは1996年、SRIXONの名を冠したクラブが発売されたのは2002年。
初代のクラブの発売からみても、まだ20年ちょっとの歴史です。
今でこそ、松山英樹プロのマスターズ優勝やブルックス・ケプカなどのメジャーチャンピオンが使用するほどの世界的なアスリートブランドとなりましたが、ブランドがデビューした2000年代は、他のメーカーの人気ブランドを追いかける立場にいました。
とくに、アスリートタイプ、上級者志向のアイアンモデルでは2歩も3歩も手前。
ミズノでは『MPシリーズ』、ブリヂストンからは『TOURSTAGE(ツアーステージ)』がマッスルバックやハーフキャビティなど複数のヒットモデルを毎年のように発売していましたし、海外メーカーからもタイトリストの名器といわれる『AP2』シリーズが誕生した時期です。
SRIXONもまったく歯がたたないという状況だったわけではないですし、根強いファンはいましたが、マーケット全体を見渡したとき、けっして超一流とはいえない立ち位置となっていました。
ただ、そんな苦戦を強いられていた2000年代の後半、ひとつの大きな動きがあります。
2008年にダンロップ社が、世界のメジャーなブランド『クリーブランド』を手元におきます。
海外のプロが多数契約していることもあり、これまでとは違う情報をとりいれることもできるというステップアップが期待されました。
そして、2010年にはいり、SRIXONブランドがようやく現在までの流れとなる一歩目を踏み出します。
2012年、初代となる『Zシリーズ』が発売されるのです。
大人気のきっかけとなった2012年発売の初代『Zシリーズ』
2000年代のSRIXONのアイアンは、『SRIXON Z-TX』など同時期に1種類のみの展開が多く、使い手の幅がせまく、使用するゴルファーのタイプが限られていたのも、後塵を拝していた要因のひとつとなっていました。
たいして、2012年発売の『Zシリーズ』の初代モデルは3タイプをラインナップ。
軟鉄鍛造の小ぶりなヘッドサイズ、バリバリのマッスルバック『Z925』。
スタンダードな位置づけとして、『Z-TX』の後継ともいえる軟鉄鍛造のハーフキャビティ『Z725』。
そして、高弾道設計でストロングロフト、軟鉄鍛造複合ポケットキャビティの『Z525』。
この9と7と5のタイプ分けは、そのままの分け方として、この後2代続きます。
2年後に『Z945』『Z745』『Z545』、さらに2年後に真ん中の4を6にして、同じく3タイプを発売。
ただ、その次は『Z785』と『Z585』の2種類のみ。1年ずらして2019年には9のシリーズの後継といえる『Z-FORGED』が発売されます。
そうです、松山英樹プロがマスターズで優勝したときに使用していたモデルです。
その後、2020年、少しネーミングをかえて、7と5の後継として『ZX7』と『ZX5』が発売。
2021年には、『ZX5』よりも少しヘッドが大きめ、やさしいイメージの位置付けとして『ZX4』が発売されて、Zという冠がついたアイアンは計4タイプになります。
2022年にはZXの2代目がMKⅡというカタチで3タイプを発売。
2023年にはZ-FORGEDの2代目が発売されて、現在に至っています。
「カッコよさ」と「やさしい性能」が共存したおすすめモデル『Z545』
2012年にZシリーズの初代3タイプが発売されました。
そのなかで、ストロングロフトの設定で、いちばんやさしいイメージの位置づけとなった『Z525』がありましたが、これがかなり大きめのヘッドサイズ。
ソールも広めで、ヘッドの下半分が相当なボリュームになっているポケットキャビティ構造。
パッと見のビジュアル面からも高弾道設計&やさしさが伝わってはきましたが、「これはSRIXONブランドなのか?」と疑問符を感じてしまうような、アスリートタイプらしからぬテイストになっていました。
まだまだ歴史が浅いとはいえ、SRIXON独特のフェースデザインとテイストには徐々にファンが増えてきていました。
ただ、3タイプをラインナップさせて、ターゲットを拡げる意識から、『Z525』からはSRIXONらしさが感じられない。
できれば、性能面でもビジュアル面でも、「SRIXONらしいカッコよさ」を備えたモデルが欲しい。
そんなニーズに、メーカーがすぐさま応えてくれます。
わずか2年後の2014年、『Z945』『Z745』『Z545』が発売されます。
このシリーズでも、同じく3タイプがありましたが、そのなかで『Z545』は、見事にバージョンアップされました。
最安値:21,000円前後
やさしさの性能をもたらすポケットキャビティ構造はそのままでしたが、全体的なフォルムとテイストを、ものの見事にアスリート好みに仕上げてくれました。
ただ、コンパクトすぎるヘッドサイズや、シャープすぎるフォルムでは、構えた時点でむずかしさを感じてしまうもの。
その辺をバランスよく整えてくれています。
フェースデザインをやや面長に、ソールもすこし幅広に。
つかまり性能と高弾道と寛容性を絶妙のバランスで共存。
アスリートタイプとしてのビジュアルとのコラボ感も最高。
10年近く経過した今でも、色褪せない性能を感じる名器クラスとして、まだまだ高評価を得ています。
松山英樹プロがマスターズで優勝したときの相棒『Z-FORGED』マッスルバックの名器です
2012年の『Zシリーズ』初代の発売から、『Z925』というマッスルバックのモデルがありました。
といっても、完全にフラットなマッスルバックではなく、バックフェースの下半分がやや変わった形状。
軟鉄鍛造のフォージドアイアンで市場をリードしていた国産メーカーのミズノや、海外メーカーのタイトリストにはバリバリのマッスルバックがありましたので、その意味ではちょっとしたカテゴライズを演出していたかもしれません。
後継となる『Z945』も『Z965』も下半分がすこし分厚く、アスリートタイプのマッスルバックではあるけれども、「寛容性もわすれていないよ」と表現されているようなテイストとして継続していました。
そして、2018年。
Zシリーズの4代目となる『Z585』と『Z785』が発売されましたが、ここで『985』は発売されず。
翌年2019年に『Z-FORGED』というネーミングにかわって、後継モデルが登場します。
最安値:54,000円前後
形状だけでなく、ロフトの構成も、5番で26度、PWで46度という設定で、しっかりとアスリートタイプ。
小ぶりなヘッドサイズで、ネック形状もほぼストレート。
ただ、ソールデザインに特徴があり、『TOUR.VT.SOLE』という独特なバウンス設計。
ヘッドを鋭角にいれても弾かれ過ぎず、しっかりとインパクトでとらえたうえに抜けがいい、というストロングポイント。
前身となるシリーズから松山英樹プロが使用していたので、世界的なアイアンの名手から情報がフィードバックされていたのでは、という推測がされるような機能を備えていました。
そして、この『名器』たる実績が2021年につくられます。
松山英樹プロのマスターズ優勝。
筆者自身、とくに3日目と最終日は録画で何度も観てしまっていますが、3日目の15番ロングでのセカンドショット、ピンをダイレクトに狙った美しいフェードは本当に見事のひとことでした。
モデルの特徴をあらわしているかのように、中古市場の在庫はほとんどがMODUSシリーズとダイナミックゴールド。
名器ではありますが、アスリートゴルファーにおすすめするモデルになっていると思います。
「アスリート好みのビジュアル」×「飛距離性能と高い寛容性」=『ZX5』
2012年にZシリーズの初代が発売されて、先にお伝えした『Z545』のヒットだけでなく、ハーフキャビティの『Z725』もしっかりとSRIXONファンを増やします。
その後、2018年までシリーズは続きますが、やや勢いが落ちます。
大幅にテイストを変えずに継続されていたので、ファンは離れなかったのですが、それ以外のアスリートゴルファー層をつかまえるほどではなく、カラーバリエーションを増やしたり、リミテッドエディションを出したり、苦戦までいかないまでも、トップブランドとはいえないような時期が続いていました。
「このままだとSRIXONファンも離れてしまうのでは」という懸念さえ感じて始めていたときに、名器ともいえるモデルが登場します。
2020年、『ZX7』と『ZX5』が発売。
2012年から継続していたネーミングも変わりましたが、なによりも市場のインパクトがつよかったのは、『ZX5』です。
最安値:68,000円前後
ハーフキャビティ構造の『ZX7』と、ポケットキャビティ構造の『ZX5』というカテゴライズでしたが、見事だったのは、そのビジュアル。
バックフェースを見ただけでは、見分けがつかないくらいの仕上がり。
実際、『Z-FORGED』『ZX7』『ZX5』と一列にならべても、遠目では区別がつかないくらいにフォルムを整えてくれたので、構えたときの印象を大事に思うアスリートゴルファーにとっては傑作ともいえる出来。
5と7は同時期に発売されましたが、販売数は比較にならず。
それまでのSRIXONシリーズと比較しても圧倒的な高評価で、『ZX5』は他のメーカーを含めたアスリートタイプの市場で大ヒットモデルとなりました。
まとめ
2021年には、さらに低重心で大きなヘッドサイズの『ZX4』が発売されました。
近年の名器といえる『ZX5』を中心として、4タイプが展開。
2022年には、ZXシリーズの2代目として『ZX7MkⅡ』『ZX5MkⅡ』『ZX4MkⅡ』が発売。
そして、2023年には『Z-FORGEDⅡ』が発売されて現在にいたっていますが、『ZX5MkⅡ』と『Z-FORGEDⅡ』の勢いは、前作と比較しても落ちていません。
2000年代に苦戦していた時期を考えると、信じられないくらいに、完全にトップブランドの地位を確立した感がありますし、しばらくは君臨する雰囲気を強く感じます。
アイアンだけでなく、ドライバーやボールでも高性能で高評価のモデルの登場、期待したいですね。
コメント