パー5のロングホール。ティーショットでナイスドライブを放ち、セカンド地点でフェアウェイど真ん中。ここからグリーンセンターまでは約250ヤード、ドライバー飛距離が250ヤードなので、3Wで打つとしても、2オンは少し厳しい。
さて、こんなとき、あなたならどんなショットプランで挑みますか?
ドライバーで250ヤードの飛距離ですから、3Wならば230から220ヤードくらいでしょうか。2つでは届かないまでも、グリーンの近くまでは運べる、あわよくば花道から転がって乗ってくれる可能性もゼロではない。
というプラン①を選択するか。
2つで届く距離ならばイーグルの可能性もあるしチャレンジするが、届かないならば無理をせずに、得意な距離が残る計算で打つ。
というプラン②を選択するか。
本記事はレッスンの類ではありませんが、筆者の経験と先輩方から教えてもらってきた教訓の中から、あなたのスコアアップに役立つ(かもしれない)情報をお伝えします。
今回のテーマは、「コースマネジメントとリスクとリターン」。
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攻め方は2パターン 狙うか刻むかは「コースレイアウト」と「得手不得手」次第
このときに、マネジメントを考えるうえでおさえておきたいポイントは、最低でも2つ。
ポイント①は「グリーン周辺のレイアウト」、②は「ショートレンジの得手不得手」、この2つです。
ポイント①のグリーン周辺のレイアウト、スタンダードなロングホールであれば、グリーンの左右の手前にガードバンカーが待ち構えていることがほとんどでしょう。
ロングヒッターを対象に、易々と2オンをさせないようなコース設計が多いのです。
そして、レベルアップした設計だと、ガードバンカーよりも、さらに手前にも他のバンカーを配置しているケースがあります。
これに入れてしまうとピンまで長い距離のバンカーショットをしなければならない、というシチュエーションですね。
このようなガードバンカーなどのレイアウトがどういう設計になっているか、というポイント。
そして、ポイント②、ショートレンジの得手不得手。
220ヤードのショットをした場合、ピンまでは30ヤード前後の距離が残ります。
アプローチショットのジャンルの中では少し長めの距離ですよね。
この距離を、あなたが得意としているかどうか。
得意ならば、3Wで打ったショットがナイスな結果となれば、アプローチを寄せてバーディーがとれる確率がグッと高まります。チャレンジする意義がありますよね。
さて、この2つのポイントをふまえて、プランの①と②のどちらをチョイスするか。
おすすめはするのは「リスクを避けたコースマネジメント」
結論、プラン②をおすすめします。
これは、筆者の経験からくる意味もありますが、筆者自身がチャレンジして失敗したときに、リスクの意味を丁寧に先輩方から教えてもらったことが、現在に活きています。
どちらのプランを選択するにせよ「上手くいったときといかなかったとき、どんなスコアになる可能性をもっているか」という考え方です。
まずはプラン①で考えてみましょう。
上手くいったとき、3Wでのナイスショットですから気分は最高、ティーショットに続いてですから達成感もあります。
ここからはショートゲームの得手不得手次第ですが、得手なかたであれば、高い確率でバーディーがとれるでしょう。チップインイーグルの可能性もあります。
逆に上手くいかなかったとき、グリーンそばのガードバンカーからの3打目か、ちょっとミスの幅が大きいと、さらに手前の長いバンカーショットが残ってしまう可能性があります。
ガードバンカーであればまだよいでしょう。
余程の苦手でなければ、2パット圏内には寄せることができてパーがとれますし、ピンポジション次第ではバーディーもあります。
ただ、遠い距離の手前のバンカーに入った場合。
30ヤードから40ヤードくらいのバンカーショット、そして、グリーンまでの間にはガードバンカーがあるのです。
これは筆者の認識ですが、このシチュエーション、ゴルフのすべてのショットのなかで一番難しいのでは。
長い距離のエクスプロージョンは、まったく不可能ではありませんが、かなり難しいレベルになります。
少しでも手前に入ってしまえば、全然飛ばずに次もバンカー。
慣れないパワフルなエクスプロージョンだけに、少しでも薄く入ってトップしてしまうと、今度はグリーンオーバーの大トラブルにつながってしまいます。
つまり、上手くいったときの最良のスコアはイーグルですが、上手くいかなかったときの最悪の場合はボギーどころかダブルやトリプルになってしまう可能性もあり、しかもそうなってしまう確率がとても高い、ということです。
次にプラン②です。
グリーンに届かない番手、ユーティリティでもアイアンでもよいでしょう。
比較的得意な番手をチョイスするのが望ましいかと思います。
そうなると、2打目は難易度が極めて低いショットです。
グリーンよりもフェアウェイのほうが幅も広いですし、何よりもノンプレッシャーで打てるのが大きい。
次のショットも難しくはありません。この3打目を得意距離から打てるように計算して2打目を打つようにすれば、なおさらです。
高い確率でグリーンに乗せることができて、バーディーの可能性もありますし、パーをとれる確率もグッとあがります。
そして、ここからが大事なのですが、プラン②の場合だと、ダブルボギーやトリプルボギーになる可能性がほとんどゼロに近いのです。
もちろん、3打目に意図せずにシャンクで出たり、ディボット跡などで大ダフリしたりすれば別です。
ただ、それはあくまで想定外、2打目も3打目もミスの可能性がかなり低くなるので、リスクが断然小さくなってくれるのです。
ハイリスクは、コースマネジメントの観点では避けるべき
プラン①を選んだ時、リターンの最大値はわずかな確率ですがイーグル、そして、バーディーの確率も高い。
ただ、リスクという観点でみたとき、OBを打っているわけでも1ペナでもないのに、ダボやトリがきてしまう可能性が大。
しかも、ティーショットがフェアウェイど真ん中だっただけに、大たたきは精神的なショックも大きく、その後のホールにも影響してしまう。
プラン②を選んだ時、リターンの最大値はバーディーです。そして、ノンプレッシャーで打てるので、メンタルのスタミナ消耗も少なく、ナイスパーの可能性も高い。
そしてリスク、極端なミスが出なければ、ボギーの可能性さえ低く、ダボの可能性はほとんどゼロに近い。
双方のリターンとリスクを比較したとき、リターンは1打や2打の差ですが、リスクには2打や3打の違いがあります。いや、その後のホールにまで影響してしまうと考えると、もっとかもしれません。
「そのショットのミス=大たたき」というリスクは、18ホールのトータルでのスコアを考えたとき、そして、メンタルのスタミナの消耗という両面から、避けるべきだと思います。
プラン②でも、リターンが全くないわけではないのです。
逆に、このジャンルのショットの精度をあげて、こういったケースでもバーディー奪取をできるようにしていけば、確実で安定したスコアアップにつながっていくかと思います。
まとめ
冒頭の文章のなかで「あわよくば」というキーワードがありました。
この言葉、魅力的なんですよね。
筆者自身もそうですが、イーグルは滅多にとれない。
あわよくば、と思うと、ついリスクを忘れてチャレンジしてみたくなってしまいます。
ナイスショットを追求して、爽快なドライバーショットを打って、高揚感しかないゴルフかと思いきや、ときにリスクとリターンを基にしたマネジメントを考えなければならない冷静さを求められる。本当に面白いスポーツだと思います。
あなたはいかがですか?
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