「グリップを交換するとき、柔らかいタイプがよいか、硬いタイプがよいか。どんな違いがあるの?」
ゴルフプライド、イオミック、エリート、スーサスなど、グリップの人気メーカーはたくさんありますし、各メーカーがたくさんのタイプ、たくさんのモデルを展開しています。
その中にも、ラバー(ゴム)製があれば、エラストマー(樹脂)製もあって、硬めのタイプ、柔らかめのタイプがあります。
「そろそろグリップを交換しようかな」とお考えのかたで、特に使用するモデルが決まっていないかたにとっては、選ぶのに困ってしまうくらいの品数と種類がありますよね。
今回は、グリップの中でも、「硬さ」にフォーカスして、選び方の簡単な目安をお伝えしたいと思います。
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■グリップのタイプ『ラバー』と『エラストマー』の違い
正確に表現すると、ゴムも樹脂の部類に入るそうなのですが、わかりやすくするために、この分類でご容赦ください。
『ラバー』と『エラストマー』、グリップの素材としては2強になります。
ただ、筆者がエラストマーのグリップを使用しているので、この表現には多少ひいき目が入ってしまっています。
まだまだ、「ゴルフのグリップ」といえば、「ラバー」が主力になるでしょう。
特に、世界をマーケットを舞台とするならば、『GOLF PRIDE(ゴルフプライド)』というメーカーが最強です。
大げさな表現が許されるとすれば、一強といってもよいほどかと思います。
プロダクトとしては、独特なフィット感がストロングポイントとなっているノンコードラバー素材の『ベルベットラバー』や、グリップエンド側がコード入りでシャフト側がソフトなフィーリングになっている『MCC』などがメジャーな存在となっていて、トーナメントプロの使用率も圧倒的です。
店頭で販売されているクラブをご覧いただくとわかりますが、新品に装着されているグリップも、ほとんどが『ゴルフプライド』になっています。
ラバータイプが長年愛されている理由は、親しみ馴れたフィーリングとグリップ力でしょう。
ドライバーやアイアンなどは進化した性能を存分に味わうべく、惜しみなく新作にチェンジしていくプロや上級者がほとんどですが、フィーリングを重視するグリップは装着するモデルを変えない方が多いのです。
グリップというアイテムが全く進化していないわけではありません。どの人気メーカーもしっかりとNEWモデルを世に送り出しています。
ただ、既製の人気モデルとて性能はしっかりしています。
まして、長年使ってきた実績に基づいた信頼がありますから、自分とクラブをつなぐというフィーリングがすべてを決めるアイテムである以上、何年も同じモデルを使い続けるという継続した人気の高さは納得できるところです。
グリップを交換するときの選び方 硬めがいい?柔らかめがいい?
さて、グリップを選ぶときの硬さについてご説明します。
クラブ総重量やシャフトの振動数などのような明確な数値はありませんが、どちらのタイプもニーズにあわせて選びやすくなるように、メーカー側もモデルの特徴やストロングポイントをアピールしていて、それぞれに豊富なラインナップがあります。
個々のゴルファーにあわせてチョイスすることができるようドライバーやアイアンに多様なコンセプトのモデルがあるように、グリップにも硬いタイプから柔らかいタイプ、それぞれにオリジナリティがあり、たくさんのモデルが存在します。
では、どんな選び方をすればよいか。
「ついつい力んでしまう」という方には 『柔らかいタイプ』をおすすめします。
右打ちのかたで
「グリップの右手の親指と人差し指、左手の親指のところがすぐに減ってしまう」という方
もしくは
「スイングのときに『力が入り過ぎだよ』という指摘をされることが多い」という方。
上記のかたには柔らかいタイプをおすすめします。
「力が入ってしまうから、すぐに減ってしまうのでは?」とお考えになるかもしれません。
ただ、グリップが目にみえて短期間で減ってしまうほど力が入っていることは、「バランスの良いスイングができているか?」という観点でみたときには、あまり良いことではありません。
これには、筆者自身にも苦い経験があります。
30歳前後のとき、まだまだブンブン振れていて、マン振りすればヘッドスピードが50m/s前後でていましたので、とにかく振り回していました。
ただ、当たれば飛ぶけど、安定感はありませんし、ミート率が悪いと必然的に平均飛距離も落ちてしまうものです。
ちょっと悩んでいる時に、当時お世話になっていたクラフトマンから『かなり柔らかめのラバータイプ』にグリップを交換するアドバイスを頂きました。
前述のとおり、「早めに減ってしまうのでは?」と思いましたが
「柔らかいグリップが減ったら、力が入っている証拠。減らないようにやさしく握る意識でグリップしてみな」
という言葉をいただきました。
逆説的な手法ですが、これで減ってしまったら、力が入っていることが明らかです。
かなり意識を変えて、アドレスでもスイング中でも、それまでよりも力を入れないように、ソフトに握るように、極端に意識を変えることに取り組んでみました。
嬉しいことに効果はすぐに現れてくれました。
それまでのスイング、よほど力が入っていたのでしょう。
自分の印象では相当楽に振っている感触に変わることができましたが、不思議とヘッドスピードはそれほど落ちず。
それどころか、ミート率が上がってくれたので、連動して、平均飛距離がかなり伸びました。
もちろん方向性の安定感も上がりましたから、嬉しいことだらけ、悩みは一気に解決してくれました。
これ以降、筆者自身がグリップ交換を検討しているかたにアドバイスさせてもらうときは、グリップの減り方をみています。
右手の指のところが減っているかたは、必要以上に力が入っている証拠。
このタイプの方には、ラバーでもエラストマーでも、柔らかめのタイプに交換することをおすすめしています。
ショットでのコントロール性能やフィーリングを重視する方には『硬めのタイプ』をおすすめします
硬めのグリップのメリットは、一体感を感じやすいことです。
柔らかいことは「ソフトな感触」というプラスの意味もありつつ、ちょっと「手のひらとクラブとの間の動きを感じてしまう」というマイナスな一面もあります。
シャフトやヘッドをコントロールしたいゴルファーにとっては、フィーリングがダイレクトに伝わることが重要になってきます。
カチカチに硬過ぎるタイプではフィット感もゼロになってしまいますが、グッと握ったときに適度にグリップ力を感じるくらいの硬めのタイプは、柔らかめよりも操作性のイメージがつくりやすいかと思います。
ラバーにもエラストマーにも、硬いタイプはしっかりラインナップされています。
特に、エラストマータイプを扱っているメーカーは、トーナメントプロに硬いタイプを使用している選手が多いので、モデルのストロングポイントとしてアピールしていますから、選ぶ際にもわかりやすくなっているかと思います。
まとめ
交換する時期についてご質問をいただくこともありますが、上記のとおり、硬めのタイプと柔らかめのタイプでは、減り方に違いがありますし、ラウンド数や練習場での球数によって摩耗の度合いにも幅があることにもなります。
ただ、先にお伝えした「力が入っている」タイプの方で、右手の指の所が極端に減ってきたときは、すぐに交換することをおすすめしますし、より柔らかいタイプにかえることで「ソフトに握る」意識をもって練習されることも合わせておすすめします。
柔らかめのタイプは、手にしっとりとフィットするフィーリングが強いですから、力を抜いて握ってもコントロール性は落ちないですし、何よりもスイングへの好影響は間違いないと思いますよ。
そして、ショットに自信があって、コントロール性を求めたい方。
硬めのタイプ、一度試してみてください。
メーカーが『〇〇プロ使用モデル』というアピールをしているモデルがわかりやすいエントリーかと思います。
変えた直後は少し違和感がありますが、相性さえよければ、一体感の向上は間違いなく実感できます。
グリップは1本で1,000円前後から2,000円弱。工賃などもいれれば決してお安くはありません。
ただ、先にお伝えしたように、クラブと自分をつなぐ大切な役割を担うグリップです。
まずはドライバーで、色々なタイプに交換して、試してみる。
そして、「コレだ!」という1本に出会えれば、13本をすべて交換、フィーリングが統一されますし、しばらくは一定の感触を維持できるかと思います。
是非、いろいろと試してみてください。
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