14本のセッティングのなかでは欠かせない存在となったユーティリティ(ハイブリッド)。頼りになる相棒ではありますが、長い距離を担当するだけに、ロフト角と飛距離の設定や、ウッド系とアイアンとのシャフトの連係、選び方なども大事になってきます。
こちらの記事では、ユーティリティの基礎知識の説明とセッティングの仕方。そして、人気メーカーから発売されて高評価となっていた過去の名器クラスのモデル、初心者ゴルファーへのおすすめモデルもご紹介します。2024年の最新版です。
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- ユーティリティとはどんなクラブ?おすすめのセッティングは?
- ユーティリティの飛距離の目安は?ロフト角が19度や22度の飛距離は?
- クラブ全体の組み合わせとセッティング ユーティリティの本数は?
- 初心者ゴルファーへのユーティリティのおすすめ 選び方と番手 ロフト設定は?
- ユーティリティのシャフトの選び方 スチールシャフトとカーボンシャフト
- 「ユーティリティが苦手で打てない」「トップが出てしまう」「方向性が安定しない」というゴルファーへのおすすめ
- おすすめユーティリティ特選10モデルをご紹介
- ①PING(ピン) G425
- ②PING(ピン) G410
- ③ダンロップ XXIO(ゼクシオ)11
- ④キャスコ UFO Speed by POWER TORNADO(パワートルネード)
- ⑤テーラーメイド STEALTH(ステルス)
- ⑥ブリヂストン TOUR B JGR
- ⑦キャロウェイ EPIC SUPER HYBRID
- ⑧ダンロップ SRIXON AD HYBRID
- ⑨タイトリスト 915H
- ⑩ダンロップ ゼクシオ7
- まとめ
ユーティリティとはどんなクラブ?おすすめのセッティングは?
ユーティリティとハイブリッドは同じクラブです。国内ではユーティリティ、海外ではハイブリッドという呼び方になっています。
ただ、ダンロップの『ゼクシオ』シリーズなど、海外展開をしているメーカーでは、国産であってもハイブリッドと呼んでいますし、テーラーメイドというメーカーではレスキューという名称にしていますので、様々ですね。
さて、そもそもユーティリティとはどんなクラブなのか?
最近ゴルフを始めたばかりのかたは、当たり前のようにユーティリティというクラブがあるので、昔から存在するアイテムという認識をお持ちかもしれません。
ただ、ドライバーなどのウッド系やアイアンなどと比較すると歴史は浅く、今のようにトーナメントプロでさえもスタンダードなギアとして使うようになったのは、15年から20年くらいの歴史になるかと思います。
では、ユーティリティが誕生する前。キャディバッグの中のクラブのセッティングはどうなっていたのか。
ひとつの例ですが、下の組合せをご覧ください。
ウッド2本(1番、3番)、アイアン9本(1番~9番)、ウェッジ2本(PW、SW)、パター1本
計14本です。
まず、「1番アイアンや2番アイアンがあったのか」というところから反応される方もいるでしょう。
今でも、アイアン型ユーティリティなどでしたらお目にかかることもありますが、余程のパワーヒッターでない限りキャディバッグに入れているゴルファーは世の中にいないのでないか、というくらいに使用者が減ってしまった番手です。
それどころか、3番や4番という番手も見なくなりました。女子プロでもアイアンは7番からという選手もいるほどにセッティングの様相は変わってきています。
この変化は、この10年の間にものすごいスピード感で見られる傾向ですが、ユーティリティが誕生した理由を説明しやすい現在の状況ともいえます。
シンプルに表現すると、ユーティリティは「ロングアイアンやミドルアイアンの難しさやデメリットをカバーしてくれるアイテム」として誕生しました。
ウッドとアイアンの違いをメリットとデメリットで表現しますと、ウッドは「飛距離を出しやすいが操作性に欠ける」、アイアンは「操作性に長けているが飛距離を出すことが難しい」というとこでしょう。
そもそもアイアンは狙った距離を打つアイテムなので飛距離は必要ない機能かもしれませんが、昔のクラブでいえば、それはパワーヒッターに限った話でした。
今のような形状ではなく、マッスルバックが当然の時代です。
「ダウンブローに打ち込み、芯でとらえて、スピン量を増し揚力を生じさせて、高弾道にしてグリーンに止める」
聞いただけでいかにも難しい技術を要するアイテムだったロングアイアン。弾道を高くするためには適正なスピン量を生み出すヘッドスピードも必要ですし、少しでも芯をはずせば明らかに飛距離も落ちますから、グリーンに届かない。
ここまでご説明するとおわかりかもしれませんが、アマチュアゴルファー、アベレージヒッターにとっては、1番から5番くらいの番手では、操作性というメリットよりも、アイテムに求められる仕事をさせるためのハードルとなるデメリットのほうがはるかに厄介で、マイナス面で目立つ存在でした。
しかも対象となる距離はショートホール(パー3)や長めのミドルホール(パー4)などでよく出会う場面でもあり、スコアメイクに大きく影響するケースなのです。
このような「むずかしい距離のエリアをなんとかカバーできるアイテムはないものか」というニーズから誕生したのが、ユーティリティというアイテムになります。
しかし、ロングアイアンもミドルアイアンも昔から難しいアイテムだったろうに、なぜ最近になって登場したのか、という疑問があるかもしれません。
これには、メタルウッドやチタンヘッドの登場と関りがあります。
ご存じのように、現在のトレンドとなっているウッド型ユーティリティの多くがメタルヘッドです。
ただ、ドライバーやフェアウェイウッドなどに「ウッド」という名称が使われているとおり、30年ほど前までは、木のヘッド、パーシモンという素材が主流として使われていました。
日本では1990年前後、トーナメントプロの第一人者ジャンボ尾崎さんが実戦で使い始めて、瞬く間にゴルファー全体に広がっていったメタルウッドでしたが、メタル素材の使用が可能になり、合わせてフェアウェイウッドにも使われ始め、後にユーティリティが登場しました。
この経緯がなければユーティリティの誕生もなかったと思います。
2000年代に入り、今ではアベレージタイプの王道となったダンロップ『XXIO』シリーズが発売開始。もちろんユーティリティもラインナップに入り、他のメーカーでもユーティリティとしては初期の名器となるキャスコの『パワートルネード』も発売され、アマチュアのアベレージゴルファーにとっては大きな味方となってくれました。
同じころ、海外メーカーでも、ウッド系では世界でトップメーカーとなっていたテーラーメイドが、『レスキュー』という名称でユーティリティを登場させました。
欧米のゴルフ場は洋芝がメインですから、もともと球が上がりにくい環境であり、ビジュアルよりもやさしさが求められている事情ということもあったのでしょう、こちらも大ヒットにつながっていきました。
やがてアベレージゴルファーだけでなく、アスリートゴルファーにも使用者は増えていき、発売されるタイプも増えていき、アイテム別でウッドやアイアンに負けないほどのモデル数になっていくことになりました。
ユーティリティの飛距離の目安は?ロフト角が19度や22度の飛距離は?
先にお伝えしたように、ロングアイアンやミドルアイアンの代わりとして定着したアイテム「ユーティリティ」です。
担当する飛距離もロフト角も、ウッドの次の位置として設定されています。
主要なメーカーから発売されているモデルの中では、一番飛距離が出る、たっているロフト角で16度か17度。飛距離が飛ばない、寝ているロフト角で33度、34度くらいになります。
飛距離の面で覚えておきたいのは、フェアウェイウッドで同じロフト角だったとしても、長さが違うので飛距離も違う、という点です。
例えば、ダンロップの最新モデル『ゼクシオ13』で比較してみましょう。
フェアウェイウッドの9番はロフトが23度で長さが41.75インチになります。
ユーティリティ(ダンロップはハイブリッドという名称を使用しますが)の5番が同じロフトの23度ですが、長さは39.75インチなので、2インチの差があります。
1インチが約2.5センチなので、2インチですと5センチも長さが違うことになります。
よく「長尺ドライバーは飛距離がでる」といいますが、クラブの長さがあると遠心力がかなりのサポートになるので、シンプルに飛距離は伸びます。
そのため、フェアウェイウッドとユーティリティは長さが違う分、同じロフト角であっても、フェアウェイウッドのほうが飛距離を出してくれる、ということを覚えていただければと思います。
アイアンと比較した場合は、長さとしてはアイアンの延長と考えてよいので、ロフト角にともなう飛距離もほぼ一緒です。
ウッド型の形状をしているので、多少芯を外した時の寛容性、飛距離のロスや方向性を助けてくれる性能はアイアンよりも段違いに上になります。
そのため、たくさんの球数を打っての平均飛距離には違いが出てくる部分はありますが、基本的な飛距離は同じと考えてよいと思います。
ロフト設定、番手設定はメーカーやモデルによって様々になりますので、こちらではロフト数値を対象として、19度、22度、25度、28度という3度刻みでの仮のパターンでご説明していきます。
使用するボールやモデルの特徴によっても差が生じますので、ロフト別の飛距離にも少し幅があります。あくまで参考値として、目安としてみていただければと思います。
ヘッドスピード45m/sのゴルファーの場合
19度:200~210ヤード、22度:190~200ヤード、25度:180~190ヤード、28度:170~180ヤード
ヘッドスピード40m/sのゴルファーの場合
19度:180~190ヤード、22度:170~180ヤード、25度:160~170ヤード、28度:150~160ヤード
ヘッドスピード35m/sのゴルファーの場合
19度:160~170ヤード、22度:150~160ヤード、25度:140~150ヤード、28度:130~140ヤード
クラブ全体の組み合わせとセッティング ユーティリティの本数は?
飛距離の設定としてはウッドの次になりますが、おススメのセッティング、本数やロフトの設定に関しては、ヘッドスピードや平均スコア、ゴルファーのタイプによっても変わってきますので、いくつかの例を挙げてご説明していきます。
ヘッドスピードによってセッティングのおすすめが変わってくるのは「弾道の高さ」と「アイアンとの関係性」が理由になります。
まず「弾道の高さ」。スイングの特徴によりますが、平均的にはヘッドスピードが速いほど弾道は高くなります。
例えば、ヘッドスピードが50近くあるハードヒッターの方であれば、5番ウッドでもグリーンに止められる弾道の高さを出せるでしょうし、4番アイアンや5番アイアンの番手でもそれは同様かと思います。
その場合、ユーティリティに求めるのは「アイアンよりもやさしい」という寛容性の部分に限ってのことになりますので、本数も少ないセッティングになるかと思います。
違うゴルファーのケースで、ヘッドスピードが40m/sのゴルファーの場合で考えてみましょう。
ユーティリティの本領発揮というところですが、4番アイアンなどでは高弾道を打つのは難しいところを、19度や22度のユーティリティでしたら、グリーンに止めるのに必要な高弾道をヘッドの機能でオートマチックに出してくれます。
19度や22度だけでなく、25度や28度くらいの飛距離でもアイアンよりやさしさも高弾道も確実性が増しますので、本数は多めがおすすめになっていきます。
次にアイアンとのつながりですが、『飛び系アイアン』などの登場によりロフト設定が多様化していますので、ここでは5番で24度、6番で27度、7番で31度のアイアンセットとの組み合わせとします。
①ヘッドスピードが45m/sのゴルファーのおすすめセッティング
1W・3W・5W、19度UT、22度UT
アイアン5番~PW、ウェッジ2本+パター➡計14本
②ヘッドスピードが40m/sのゴルファーのおすすめセッティング
1W・3W・5W・19度UT、22度UT、25度UT
アイアン6番~PW、ウェッジ2本+パター➡計14本
③ヘッドスピードが35m/sのゴルファーのおすすめセッティング
1W・5W・7W・19度UT、22度UT、25度UT、28度UT
アイアン7番~PW、ウェッジ2本+パター➡計13本
★セッティングの個別説明★
・①のゴルファーの場合:トーナメントプロなどがセッティングしているパターンで、3Wをぬいて、ウェッジの60度のようなロブショット用を加えることで3本体制にするのもショートゲーム対応としては面白いかもしれません。
・②のゴルファーの場合:アイアンの好き嫌いによっても変わってくると思います。5番アイアンを使いたい、ということであれば、25度UTを外して、というセッティングも可能ですし、ゴルファーの個々のタイプによっても違いが出てくる部分です。
・③のゴルファーの場合:3Wを外して、7Wを入れました。19度UTと距離的には重複するところですが、7番ウッドなどのショートウッドの高弾道というメリットと、UTの扱いやすさというメリットを考慮して、重要となる長い距離を幅広い意味でサポートできるような意味合いでのセッティングとしてみました。6番アイアンさえも外して7番からにしているのも、UTの高弾道の利点を最大限生かすべく、という組み合わせとしています。
初心者ゴルファーへのユーティリティのおすすめ 選び方と番手 ロフト設定は?
これからゴルフを始める、または現在初心者というゴルファーの方には、ユーティリティは必ず1本は入れていただきたいアイテムのひとつです。
最初から14本をフルに揃えるにはコストもかかります。まずは「練習とコースラウンドのための最低限必要な揃え方で」とお考えの方には、ドライバーの次に5番ウッド、22度のユーティリティ、そして、アイアンは5番か6番からのセット、という組み合わせがおすすめです。
この22度というロフトの飛距離は、短いホールでのティーショットにも使えて、長いホールのセカンドショットはもちろん、大きなミスをしたときなどの助っ人の役割も担ってくれます。
やがて、ゴルフ歴をかさねていき、ウッドを追加するのか、ユーティリティを追加するのか、という段階になると思いますが、最初のセッティングでは是非ユーティリティを1本、入れていただきたいと思います。
ユーティリティのシャフトの選び方 スチールシャフトとカーボンシャフト
ユーティリティはウッドとアイアンの中間のクラブなので、広い意味でシャフトの選び方がとても大事です。
モデルによっては、標準装着のシャフトとしてスチールシャフトとカーボンシャフトの両方をラインナップとしています。ここの選び方を間違えると、せっかくの便利なアイテムの良さが活かせずに、もったいないことになってしまいます。
「標準シャフトのラインナップはスチールシャフトのみ」というモデルは少ないので、一般的にはカーボンシャフト装着こそが似合うように思えます。
ただ、ヘッドスピードが40m/s以上のかたで、アイアンにはスチールシャフトを装着しているゴルファーの場合は、「選び方を慎重に」というニュアンスになります。
これは初心者のかたもゴルフ歴を重ねている方も同様ですが、ウッドよりもアイアンと同じ感覚で振れるようにする判断基準としての選び方をおすすめします。
アイアンにスチールシャフトを使用している方でしたら、同じくらいの重量か少し軽いくらいのスチールシャフト、またはややしっかりめの重めのカーボンシャフトが似合うでしょう。
アイアンにカーボンシャフトを使用しているゴルファーの方は、同じくらいのカーボンシャフトを。その場合は、スペック等はアイアンと揃えると同じ感覚で振りやすいかと思います。
「ユーティリティが苦手で打てない」「トップが出てしまう」「方向性が安定しない」というゴルファーへのおすすめ
特にゴルフ歴の長いかたに多いのですが、「ユーティリティが便利とわかっていても、なぜか苦手で使えないし打てない」ということをよく聞きます。ミスのパターンはトップするのが一番多い。
理由の一つとしては、見た目がウッドに近いので、ウッドのようなイメージで振ってしまっていることです。
ウッド型のユーティリティは、名前のとおり、ヘッド形状がほとんどフェアウェイウッドです。少し小さくなったくらいの印象でしょう。
そのイメージですから、ドライバーなどの長いクラブと同じく、横振りに近い感覚、アイアンのようなダウンブローではなく、払いうちのような打ち方で打ってしまう方が多いのです。
しかし、先にお伝えしたとおり、長さはアイアンの延長です。
スイングのイメージをダウンブローのような感覚でアイアンと同じ打ち方をしてあげると、しっかりとフェースに球をのせてくれて、高弾道のショットにしてくれます。
もし、苦手な方がいましたら、是非試してみてください。
おすすめユーティリティ特選10モデルをご紹介
購入や買い替えを検討しているゴルファーのみなさまに、最新性能を備えたモデルから、2010年前後に発売された過去の名器まで、人気メーカーから発売されたおすすめ中古モデルのユーティリティをご紹介します。
各モデルごとに⦅Golfdo⦆在庫・価格状況をご案内しています。気になる品があればCHECKしてみてください。
①PING(ピン) G425
対象ヘッドスピード
ALTA J CB SLATE:35~45m/s
TOUR173-85:40m/s~
最新モデルの前作となるモデル PING(ピン)らしく圧倒的な直進性とロフト設定の多さが魅力です
2020年に発売。海外メーカーのため、公式名称は『G425ハイブリッド』になります。
近年、男子プロ女子プロともに使用プロも多く、大人気なメーカーとなっているPINGですが、人気の要因はドライバーからユーティリティまで一緒、なんといっても圧倒的な直進性です。
インパクトの瞬間に「あっ、ちょっと開いた」「アッ、ひっかけてしまった」という感触で、飛んでいった球をみると、それほどにミスになっていない、というくらいに寛容性が高いのが特徴です。
「飛ばしたい」「曲げたくない」というドライバーにおいては特に高い評価を得ている性能ですが、それはユーティリティでも同様です。
多少のフェースの挙動にはビクともせず、方向性の安定感を出してくれる性能。
プレーヤーのヘッドスピードに限らず、頼もしいサポート力を持っているおすすめのモデルです。
NEWモデルとして発売されていたときのロフト設定は、2番の17度から7番の34度までの6通り。
1つ前のモデルなので、中古市場からの検索になりますが、設定の端になる17度や34度といったロフトの在庫は多くありません。
2022年11月に次作となる『G430』シリーズが発売されましたが、もともとの高評価も手伝い、中古市場でもまだ高値です。
直進性の高さが抜群! 左右へのミスが出てしまうゴルファーにおすすめです。
②PING(ピン) G410
対象ヘッドスピード
ALTA J CB RED:35~45m/s
TOUR173-85:40m/s~
NSプロMODUS105:43m/s~
2つ前のモデルですが、すでに名器の存在感。シャフトの種類が多いのも特徴です
2019年に発売。こちらも正式名称は『G410ハイブリッド』になります。
この前のモデルとなる2017年発売『G400』も高い評価を得ていたモデルでしたが、ロフトとライ角を調整できるスリーブが搭載されたのが、この『G410』からになりますので、こちらをおススメとしました。
この『G410』シリーズ、ドライバーからアイアンのすべてのアイテムで評価の高さが凄まじく、名器の存在感。こちらのハイブリッドも同様で、発売年から換算した中古市場の価格からも、人気の高さがみてとれます。
『G425』とおなじ性能面、優れた寛容性の高さもありますが、装着されているシャフトの種類も大きな理由となっています。スペックの幅がひろいのです。
標準的なスペックのカーボンシャフト『ALTA J CB RED』が装着されていれば、フレックス次第でアベレージゴルファーにも使えますし、少し重めの標準カーボン『TOUR173-85』やスチールシャフトの『NSプロMODUS105』が装着されていればハードヒッターにも使えます。
ヘッドの設定のバランスが絶妙で、オールラウンドなプレーヤーに対応できることもあり、幅広い層のゴルファーに使えるシャフトのラインナップとなっています。
2つ前のユーティリティのモデルなのに、状態の良いモノですと、3万円以上の品もあるほどの人気ぶりです。ただ、それだけの信頼性はあると思います。おすすめです。
高性能で、しかも打感などのフィーリング面も高評価の名器。ハードヒッターにもおすすめできる装着シャフトもあり。とにかく安心してサポート役になってくれるユーティリティです。
③ダンロップ XXIO(ゼクシオ)11
対象ヘッドスピード
標準カーボンシャフトMP1100:30~40m/s
『やさしい』クラブの代表的モデル。アベレージタイプの王道『ゼクシオ』ブランド。やさしさと振りやすさを求めるならコレです
2019年発売のモデル。国産メーカーですが、ダンロップはハイブリッドという名称を使っています。
総重量、シャフト重量ともに、ヘッドスピードが30~40m/sのプレーヤーがターゲットとなるモデルですが、シリーズ全体のコンセプトが「やさしさ」「振りやすさ」「飛距離アップ」となっています。
ユーティリティももちろん同様に、やさしさ重視のコンセプト。特に、球を上げてくれる性能と、ミスをしたときの寛容性の高さは、アベレージタイプの王道ならでは。
ロフト設定は、18度、20度、23度、26度の4タイプです。
最新作となる『ゼクシオ13』の2代前のモデルになるので、中古市場でもまだ高値ですが、やさしく振れるアベレージタイプでユーティリティをお探しの方には、イチ推しのモデルです。
ドライバーやアイアンでゼクシオをお使いの方は、ユーティリティもゼクシオがおすすめ。やさしくて振りやすく、球も上がりやすいのが特徴のアベレージタイプです。
④キャスコ UFO Speed by POWER TORNADO(パワートルネード)
対象ヘッドスピード
標準カーボンシャフトFalcon:30~40m/s
ユーティリティの元祖ともいえる名器「POWER TORNADO(パワートルネード)」ブランドの後継モデル
2022年発売のモデル。キャスコから発売されている最新モデルです。
このモデルを語るには、ユーティリティの名器『POWER TORNADO(パワートルネード)』を外すことはできません。
先にお伝えしましたが、2000年代にユーティリティが世に浸透し始めたときに、中心にいたプロダクトになります。
「33」「44」というように他メーカーと区別しやすい特殊な番手表記になっていたのも特徴ですが、大人気となった最たる特徴は、16度や28度もあるというロフト設定でしょう。
ウッドの代わりもでき、ミドルアイアンの役割もこなせるロフトの幅の広さ。
ウッドが苦手なゴルファーのサポート役にもなり、本来の仕事であるロングアイアンやミドルアイアンの距離も担当するというモデルのコンセプトは、他の主要メーカーが本格参入するまでは、ユーティリティの王道ブランドとして第一人者的な存在感だったと思います。
2010年代はやや低迷しますが、2019年に発売された前作の『UFO』、そして今作の『UFO Speed』でユーティリティ市場への復活を果たします。
復活の要因は、ある意味で、長所をさらに伸ばした、というところです。
番手設定をもっと広げてしまいました。もはやアイアンセットの雰囲気さえありますが、番手設定は、なんと9通り。
15度の33番から、46度のAAまであり、ここに単品ウェッジを入れれば、アイアンを入れずにセッティングが可能なほどのロフト設定としています。
ユーティリティに欲しい「やさしさ」性能は抜群 フェアウェイウッドのメリットを取り入れたヘッド形状のユーティリティ
構えたときのビジュアルは、限りなくフェアウェイウッドに近く、さらにシャローな形状にしているので、世のユーティリティの中では安心感はトップクラスかと思います。
ですが、長さはきちんとユーティリティのそれですし、総重量やシャフトのスペックも軽量タイプで振りやすい設定になっています。
ドライバーを1本、そしてグリーン周りのアプローチ用のウェッジとバンカー用のサンドウェッジをいれて、パターを加えれば計13本。ウッドも苦手、アイアンもちょっと…、というゴルファーでしたら、『UFO Speed』でしたら、このセッティングも可能です。
「アイアンが打てなくて、飛距離が出ない…」「6番も7番も苦手で…」というゴルファーにおすすめです。とにかくミスを助けてくれて、球も上げてくれて、ゴルフをやさしくしてくれます。
⑤テーラーメイド STEALTH(ステルス)
対象ヘッドスピード
標準カーボンTENSEI RED TM60:40m/s~
標準スチール KBS MAX MT85 JP:43m/s~
最新機能「カーボンクラウン」のユーティリティ 飛距離アップ性能と高慣性モーメントはティーショットにも使えます
2022年発売。最新の『Qi10』が2024年に発売されていますので、2代前となるモデルになります。
テーラーメイドはユーティリティでもハイブリッドでも『レスキュー』という名称が正式になります。
ドライバーからフェアウェイウッド、ユーティリティというウッド系で、長年にわたりヒットモデルを多数輩出しているテーラーメイドですが、この『STEALTH』をこちらでおすすめとした理由は、ドライバーで搭載した革新的な新機能『カーボンフェース』に合わせて、ユーティリティにも革新機能を搭載させた『カーボンクラウン』になります。
アベレージタイプとなる『GLOIRE』ブランドではすでに採用していましたが、カーボンクラウンにすることで、余剰重量の適性配分ということが進み、低・深重心化が向上することになります。アスリートタイプとはいえ、ユーティリティも飛距離性能と寛容性は欲しいところ。
基本性能のツイストフェースも採用されているので、方向性の安心感はしっかりと進化しているといえるのではないでしょうか。
シャフトも選べるユーティリティ 標準シャフトもカーボンとスチールがラインナップ
60g台のカーボンシャフトか、109gのスチールシャフトという標準シャフトから選ぶカタチです。
アスリートタイプとしてはカーボンシャフトだとやや軽めになるということもあり、中古市場にはカスタムシャフト装着の品が多くあります。フェアウェイウッドとアイアンのシャフトによって選び方が大事にはなってきますが、中古市場の選択肢が豊富にあるという点も、ヒット作ならではかと思います。
アスリートゴルファーにイチオシの1本。ハードヒッターの方には、スチールシャフト装着がおすすめです。
⑥ブリヂストン TOUR B JGR
対象ヘッドスピード
NSプロMODUS105:43m/s~
標準カーボンTG1-HY:40m/s~
AIRSPEEDER G:30m/s~
初心者にもおすすめのつかまり重視のスライス対策ユーティリティ シャフトの種類が多いのも特徴
2017年発売。ドライバーからアイアンセットまで高評価のシリーズですが、ユーティリティももれなくおすすめになります。
このモデルの素晴らしさは、幅広いゴルファーに使える「シャフトのラインナップ」と、スライス対策になる「つかまりの良さ」。
ドライバーやフェアウェイウッドと同様ですが、『NSプロMODUS105』という、しっかりタイプのスチールシャフト装着もあれば、Sフレックスで60g台のカーボンシャフト『TG1-HY』もあり、軽量51gの『Air Speeder G』もあるという、ターゲットを広く設定してくれているのが嬉しいところ。
さらに、こちらもドライバーと同じ特徴ですが、スライス対策となるようなつかまりの良いヘッド設計となっているところ。
同時期のブリヂストンから発売されているアスリートタイプと比較しても、かなりアップライトなライ角となっていて、ヘッド重心設計も同様。
スチールシャフトを装着した1本をチョイスすれば、スライスのミスが出てしまうハードヒッターには嬉しい機能となっています。
中古市場も在庫は豊富。さすがに31度は多くありませんが、一番欲しい22度と25度は、どのシャフト装着分もかなりの本数があります。
ヘッドスピードに合わせて、スライス対策のユーティリティが欲しい、というゴルファーにはおすすめのモデルです。
ドライバーなどのウッド系でスライスに悩むゴルファーにはおススメのモデル。つかまりの性能は頼りになります。
⑦キャロウェイ EPIC SUPER HYBRID
対象ヘッドスピード
標準カーボン:35m/s~
飛距離と方向性の性能を最高最強レベルのテクノロジーで装備した チタン素材採用のユーティリティ
ステンレススチール、マレージング鋼、というのがユーティリティに使われているスタンダードな素材ですが、こちらのモデルにはボディにチタン素材が採用されています。
いうまでもなく、比重が軽く、強度の高い金属。これにより、軽量で大きいヘッドサイズにすることが可能になり、構えたときの安心感や飛距離アップの性能向上につながっています。
そして、キャロウェイ独自のボール初速アップの機能となる2本の柱『ジェイルブレイクテクノロジー』もしっかり搭載。AI設計によるフラッシュフェースも搭載されているので、ユーティリティとしては、現時点で最高級のテクノロジー集結モデル、といってよいのではないでしょうか。
やさしくて振りやすくて飛ばしてくれるユーティリティ カーボンシャフトがメインで装着
標準装着シャフトはカーボンのみ、シャフト重量も全フレックス50g台なので、タイプとしてはアベレージタイプに属するでしょう。番手別の設定も16度から27度までの5通り、ウッドの飛距離もミドルアイアンの距離も担当できる幅広い設定になっています。
この素材を採用することは、パフォーマンスアップの分、価格もアップすることにつながっていて、中古市場でもまだ高価格です。
とにかく飛んでくれるユーティリティ。コストパフォーマンスは良くありませんが、「飛距離アップの性能が欲しい」というゴルファーにおススメです。
⑧ダンロップ SRIXON AD HYBRID
対象ヘッドスピード
標準カーボン:35m/s~
NSプロ950GH:40m/s~
日本を代表するアスリートブランド『SRIXON』の初代ユーティリティとなる名器
2007年発売のモデル。今では世界に誇るアスリートブランドとなった『SRIXON』ですが、このモデルはSRIXONブランドとして発売された最初のユーティリティになります。
いち早く『ハイブリッド』という名称をつかっているところが、後の世界戦略を見据えて、という感がありますが、性能面でも当時としては画期的。
トゥ・ヒールにタングステンニッケルのハイパワーウェイトを配置して、慣性モーメントをアップ。オフセンターヒットでのヘッドのブレを軽減させるヘッド設計となっていて、この時代にして、すでにユーティリティに求められる機能のスタンダードをしっかりと備えています。
標準シャフトのラインナップも、SRIXONらしくアスリートターゲットとしてのスペック。
Sフレックスで60g台のカーボンシャフトと、やや軽量のスチールシャフト『NSプロ950GH』の2タイプ。ウッドとアイアンに合わせたセッティングが可能となっています。
ユーティリティとしては、初心者ゴルファーにおすすめのコスパ最強のモデルです
新作時代は16度~25度の4通りのロフト設定でしたが、さすがに15年経過したモデル、中古市場の在庫は少ない状況です。
ただ、すべてが1万円以下という最強のコストパフォーマンスですし、初心者ゴルファーのかたで、1本はユーティリティを入れたい、というかたには19度か22度がおススメです。
アスリートブランドのモデルですが、やや大きめのヘッドサイズはタングステン搭載仕様との相乗効果で、やさしさも感じさせます。ゴルフを始めて間もないかたには、やさしくてコスパ抜群のおススメ品です。
⑨タイトリスト 915H
対象ヘッドスピード
ダイナミックゴールド:45m/s~
NSプロ950GH:40m/s~
タイトリストスピーダー715:40m/s~
アスリートタイプの名器 性能、ヘッド形状、フィーリングがバランス良く整ったユーティリティです
2014年発売のモデル。タイトリストは世界のトップクラスのアスリートブランドですが、このユーティリティは、歴代モデルの中でも名器と称される存在です。前後に発売されたモデルも高評価でしたが、後発のモデルと比較しても中古市場での価格が変わらない点がその証拠。
アスリート系のモデルは、打感や打音のフィーリング面ももちろん、ヘッドシェイプやヘッドサイズなどがバランス良く整っていることも重要。発売から、すでに10年近く経過しているモデルにもかかわらず、ツアープロや中上級者にも使用者がいることも、性能面の評価の高さの証でしょう。
ハードヒッター向けのユーティリティ ダイナミックゴールド装着の品も多数
中古市場には、18度と21度がほとんど。スチールシャフトはダイナミックゴールドとNSプロ950GHがあり、カーボンシャフトは標準の『タイトリストスピーダー715』が装着。
中古市場、1万円前後の価格が多くなっています。ゴルフ歴を重ねてきて、そろそろアスリート系のユーティリティを使ってみたい、というゴルファーにおススメの1本です。
⑩ダンロップ ゼクシオ7
対象ヘッドスピード
標準カーボンシャフトMP700:30~40m/s
アベレージタイプの王道ブランドですが、2011年発売のため、コスパは抜群
2011年発売。この頃はまだユーティリティという呼び名でした。
やさしいタイプを使いたい、というゴルファーにはアベレージタイプの王道ブランドは魅力的ですが、新しい年代ですと、まだまだ高価格。
そんなゴルファーには、この『ゼクシオ7』がおすすめです。
現行モデルから数えて、6代前になりますので、中古市場でもだいぶお買い得な価格になっています。ただ、本数も豊富ですし、この7代目は、歴代ゼクシオのなかでも高評価だったモデルです。
対象ヘッドスピードが合っていて、初めてゼクシオを使ってみたい、という方にはコストパフォーマンスも良く、おススメのモデルです。
まとめ
ドライバーなどと同じく、アスリートタイプ、アベレージタイプ、つかまり重視、飛距離性能重視など、さまざまなタイプがあります。
全体のセッティングの中では欠かせない存在であり、困ったときにも助けてくれる、文字通りユーティリティなアイテムですが、シャフト選びのところでもお伝えしたように、コンセプトの選び方を間違えると、せっかくの便利アイテムも良い仕事をしてくれません。
記載してある対象ヘッドスピードと推奨ポイントを参考にして、是非自身のタイプを合ったユーティリティを手に入れて、スコアアップにつなげていただければと思います。
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